WJ31号の週刊少年ジャンプ表紙、巻頭カラーを飾った『ゆらぎ荘の幽奈さん』が物議を醸しているので一言。
経緯
ジャンプ開いたらいきなりこれだった。成人コミックかと思うよ…。
公式の人気投票でキャラをここまで無意味に裸に剥いて、記号のように全員に恥ずかしがる表情をさせて、それが巻頭カラーだなんて、内容のある作品を描く意味なんてなくなるんじゃないか。 pic.twitter.com/OTDIQKyru4— 中 (@kanakanakana35) July 4, 2017
肌の露出が多い巻頭カラー、本編の時系列と無関係な水着で唐突に始まったことから一部読者(?)から批判の声が挙がる。東京新聞にも掲載された。
現在の状況まとめ
「週刊少年ジャンプ」という読者層の多い雑誌だからこそ反響も大きいのだろうが、要するに普段漫画を読まない(理解できない)人間が騒いでるだけである。
いずれの批判ツイートを見ても共通しているのが誰一人『ゆらぎ荘の幽奈さん』としての批評を行っていない点である。同作を読んで魅力を理解している人間なら分かると思うがそもそも「ハーレム」「肌の露出」「表情」といった要素が売りの作品なのである。作者のミウラタダヒロは表紙・巻頭カラーの仕事を完璧に全うしただけであり、それを批判しているのは単なる作品批判でしかない。(作品批判ならいまさら騒ぐ意味が分からない)
編集部が自重するべきというのも意味がわからない。作品を最高の形で届ける意外に編集がする仕事があるのだろうか。
こうした表現はいわば作品としての芸風である。食戟のソーマもエロ×料理だし、To LOVEるは常に表現の限界に挑戦していた。連載中の約束のネバーランドは初っ端で子供が死んでいるし、デスノートの主人公は大量殺人犯である。しかし、いずれも作品をその作品たらしめるのに必要な要素である。
そこら辺を理解できない馬鹿がSNSを使って騒いでいるのが目立っているのが現状である。
表現規制について思うこと
この手の表現規制は年々強まっている。テレビ番組は年を追う毎に冒険できなくなり、ゲームソフトも暴力的なシーンが取り除かれ本来のゲームとしての魅力がそぎ取られた形で販売されることも多い。
規制への反論として「そもそもフィクション」「親の管理の問題」「昔はもっと~」といったものもあるが、論点はそこではない。規制によって「文化が衰退してしまう」ことが問題なのである。
認めない人間もいるが「エロ」もまた継承され進化してきた文化である。だからこそ世界中でHENTAIという共通語が出来て、「萌え」の概念化、ジャンルの細分化、コミケの規模拡大してきた歴史がある。
今回の表紙で騒いでいるのはそこら辺が分からない・漫画すら読めない馬鹿なのに、文化としてその影響を受けるのが何とももどかしい。ゲーマーとしてはZ指定のゲームで影響受けまくりなのも同じように辛い。
昨今の規制の強まりは伊藤計劃の『ハーモニー』のような世界が近づいているように感じる。この調子でカフェインも規制され、世の中からあらゆる危険が取り除かれるのだと思う。何とも息苦しい世界としか私には思えない。重視するべき問題は「正誤」では無い。人間という生き物が最重視すべきは「文化」である。そこら辺を当ブログでは今後も伝えていきたい。
作者およびジャンプ編集部は安直な批判に屈せずに今後も頑張って欲しい。
コメント
>それを批判しているのは単なる作品批判でしかない。(作品批判ならいまさら騒ぐ意味が分からない)
文脈として理解し難いので多分、
それを批判しているのは単なる作品批判でしかない。(作品批評ならいまさら騒ぐ意味が分からない)
または、
それを批判しているのは単なる作品批判ではない。(作品批判ならいまさら騒ぐ意味が分からない)
あるいは、
それを批判しているのは単なる作品批判ではなく、露出度の高い水着姿や裸絵などの自由な作画への介入、規制に過ぎない。
(作品批判ならいまさら騒ぐ意味が分からない)
の意味だと思うのですが、如何でしょうか。
アニメ大好きじじいさん再びのコメントありがとうございます。
意味合いとしては1つ目が文の意図に近いです。3つ目についても同意です。
こんなチラ裏感覚で書いた記事をしっかり読んでご指摘いただき感謝です。
本記事については感情任せに書いた部分が大きいので、文章として校正が不十分な点もありますね。
今後もよろしくお願いします。
コメントありがとうございました。
先に結論書くと派手にやるほど見る人が増え、エロやグロなどの好き嫌いがはっきり分かれるものの規制が強まる可能性は高まる。だからこそ年齢制限などの注意喚起は表現の自由を守るための防衛機能として必要なんだろうなと思う
あくまで今回のコメントだけでの判断になるが、初めて見た安易なエロを嫌っている人が投票結果のお礼を込めて書かれたのであろう水着と恥じらう表情で描かれている女性たちを見た感想としては途中まではすごく普通の感想だと思うがおそらく不満に感じているのは単なる批判として見たのではなく今まで規制されてきた現状に対してではないだろうか
ブログ内容として「表現の自由を守りたいのに内容を知らない人の批判によって規制が進む可能性がある」といった旨だけど、はたして悪い人は誰なのか。人は見たくないものや嫌なものは避けて不満を漏らすがこれについては誰しもが同じなので間違っていない。よく知りもしないものを叩くなというのも共感はできるがメディア的に購買層の広さ故にしょうがない部分もある。逆に誰にでも目に付いてしまうところに大々的に不快だと感じるものを置けば多くの反感を買ってしまうことになる。結局表現の自由を守るとしたときにはメディアに応じたみたくない人への配慮、宣伝のために見たことない人が目につく場所(今回は巻頭カラー)との相互配慮が必要だと言える。エログロゲームは購入前に予め暴力シーン等の表示がされており不意打ちに対する不満が起こってもエログロ自体への不満は実際少ないと言える
つまりは袋とじは今の時代こそ必要なのかもしれない
長文ありがとうございます。
当サイト史上最長コメント記録です。
非常に考えさせられました。
ありがとう。
あったなぁ、こんな騒動。
正直、「こういう表現が売りの漫画なのに、何を騒いでるんだろう」と
思っていましたが…
そもそも、それを理解して読んでいる人は騒ぐはずないですよね。
「読めない馬鹿」とまでは言いませんが(表現が余りに汚く幼稚なので)、
本作を知らない、もしくはこういった表現を理解できない一部の人の声が
大きすぎるのだろう、と。
あああ様はコメント後に荒らし行為をしていたのでブロックさせて頂きました。
コメント失礼します。
「ゆらぎ荘の幽菜さん」は、いくらエロいと言えどストーリーも奥が深く毎週読んでいて飽きないちゃんとした作品なので、私もあなた様の意見に同意です。
ですが、「少年誌」という名目である以上エロい表現が苦手、もしくは嫌いという方も多々おられると思います。しかしよく内容も読まずに一人の批判を「あぁ、この作品はこんな内容なのか。」と解釈し一方的な偏見で叩く人もいるのが現状です。
なので、批判している人の批判する理由が
スカスカならば「こいつもか」と受け流すのが
最善かと思います。
人の意見に乗っかって自分は正しいことを言っている。と
優越感に浸っている人もかなりいると思うので。
あなた様が発言してくださったことに
かなり共感することができました。
同じ意見を持っている人がいるということが嬉しいです。
漫画家志望の中3様、コメントありがとうございます。
同意見のコメントこちらも嬉しいです。ありがとうございます。
読者はストーリー性も含めてちゃんと評価していると思います。というよりも読者が「違和感無く」読むためにはちゃんとしたストーリーが必須なんですよね。
受け流しのお話非常にわかります。基本ネット意見に対しては同様に受け流しています。
本投稿については「こいつもか」対象に向けたものというよりは、こうした共感してくださる方向けの支援記事となっています。
同意見の方が居て良かったです。
コメントありがとうございました。
そもそも週刊少年誌でR18紛いの露骨な裸絵の巻頭カラーをやるから言われるわけでYJとか青年誌ならこうも言われないわけですよ。
ストーリーが面白くてもエロを全面に押し出してたら見ない人には美少女動物園にしか見えないわけだしそれが1番見やすいところにあったら規制うんぬんはともかく普段見ないで避けてる人にも見えるので普通に引きますよねこれ。こういうのが売りならそれこそ青年誌のほうがもっとできるのに。
エロが露骨すぎる。少年漫画なんだから少年向けのエロにすべき。
コメントありがとうございます。
世間的な目線・認識、言われる理由については理解しています。
本記事はそういった世間一般の見方に対して「でも彼らは漫画のこと知らないよね」という記事です。
むしろ「美少女動物園」も文化だよねという事を理解できる人向けの話。
単に「青年誌でやれ」は論点が違います。
規制に対する考えも出版社、集英社側でのコントロールがあるので「とらぶる」のようにいずれ住み分けがされるかもしれませんね。
ありがとうございました。