8月10日にレベルファイブの新作ゲーム『スナックワールド トレジャラーズ』が発売し、初週売上が4Gamer.netで発表された。今回は気になる売上と『スナックワールド』が『妖怪ウォッチ』になれない理由について解説したい。
『スナックワールド』とは?
『スナックワールド』はレベルファイブによるメディアミックス企画第4弾となるタイトル。過去の『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』『妖怪ウォッチ』に続き社会現象として大きなムーブメントを起こすことを期待されている。
第1話ご視聴ありがとうございました!7月からおもちゃも発売していきますので、ご期待くださいっ ( ✧Д✧) カッ!!#スナックワールド pic.twitter.com/CnkX03El1Z
— タカラトミー (@takaratomytoys) April 13, 2017
「妖怪メダル」のような課金アイテムとしては武器のキーホルダーである「ジャラ」やモンスター・キャラクターのプレート「スナック」が用意されており、内蔵されるNFCチップでゲームとの連動が可能となっている。
初週売上は?
実際に『スナックワールド』は大ヒットしているのか?気になる初週売上を確認すると4Gamer.netによると販売本数は97,534本。
【週間ソフト販売ランキング TOP50】3DS『スナックワールド』が8.5万本で3位(8月7日~13日) https://t.co/dN7QmZjKUq #スナックワールド pic.twitter.com/WcMj6kPJE2
— 電撃オンライン (@dengekionline) August 17, 2017
電撃オンラインでは推定8.5万本の店頭消化率55%前後となっている。
いずれの記事を確認する限りでも10万本を下回っており、漫画連載中・アニメ放映中というタイミングを考えると初動は非常に緩やかな印象を受ける。
社会現象とならない理由
『スナックワールド』が『妖怪ウォッチ』のような社会現象を起こせない理由はただ一つそれは「ジバニャンの不在」である。
もちろん言葉そのままの意味ではない。つまりは『妖怪ウォッチ』が「キャラクターコンテンツ」であったのに対して『スナックワールド』は「物語主導」である点が問題なのである。
キャラ魅力
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— スナックワールド【公式】 (@snack_portal) July 15, 2017
『スナックワールド』が子供受けしない理由はキャラ魅力の弱さにある。『アンパンマン』『ポケモン』『妖怪ウォッチ』など子供受けするコンテンツの基本はキャラクターにある。
恐らく海外展開も狙ったキャラクターデザインなのだが作品の要である主人公たちの無個性度は常軌を逸しているし、スナック達にも妖怪のような魅力が無い。
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— スナックワールド【公式】 (@snack_portal) August 16, 2017
メドゥーサに至っては対象年齢を間違えているほどにホラー感が強い。これは子供受けしない。このキャラクターのプレートが手に入って喜ぶ子供が居ると思っているのだろうか。
物語
肝心の物語にも問題がある。主人公の目的は「故郷の村を滅ぼされた少年の復讐」なのである。
作品1話目にして母親が宿敵ビネガーに殺されるというハードな物語展開も明らかに子供向けではない。恐らく王道ファンタジーRPG感を出しつつの動機づけを狙ったのだろうがPS3向けに出した王道RPG『白騎士物語』同様に脚本は失敗している。
各話も海外アニメのような「テンポの良さ」「皮肉の効いたギャグ」はあるのだが「物語」で作品を観ていない子供たちには受けるはずがない。
男子にしか受けない
【マヨスタグラム】今日の投稿は『クリスタルソード』ブランド:ブリタニア・エンチャント、『ストライプソードⅡ』ブランド:フライングキャット、『クランクリスタルソード』ブランド:クランアリーネ
ジャラをバッグにつけてオシャレに楽しもう♪#アニメ #スナックワールド #ジャラ pic.twitter.com/76Ih79WwUm— スナックワールド【公式】 (@snack_portal) July 17, 2017
今作でいう「妖怪メダル」のポジションが武器キーホルダーである「ジャラ」であることも問題である。
前述した「キャラクターコンテンツ」としての展開にマッチしていないし「武器」という点が女子受けしない。女子が見向きもしない時点でお客さんが半分減るのは大きな痛手なので敵におしゃれ魔女でも出してきせかえ要素も用意するべきである。
無論「スナック」というキャラクターのプレートも存在するが魅力的なキャラが居ない以上課金するわけが無い。600体を超える妖怪に対してスナックの数は数えるほどしか居ないので、そもそも本作は「キャラクターコンテンツビジネス」として成り立っていないのである。
大ヒットさせるには?
無論10万本という本数はゲーム売上としては非常に大きい。しかしレベルファイブの販売戦略的にこの売上は微妙なところだと思う。
以前にも述べたがメディアミックス戦略は全てのメディアが高品質でこそ成功する。ゲームの完成度は不明だがアニメが微妙な以上、大きな改善は望めないと思う。
テコ入れするにはまずアニメを「キャラ至上主義」の内容に変更するべきである。子供向け作品なのだから物語は不要で「お決まりの流れ」を作った上で「キャラクター」を売り出せれば必ず成功する。
実はすでに一部店舗で商品が発売中なんです!スナックワールドぬいぐみは全国のゲームセンターで!詳しくはこちらhttps://t.co/eB0ZB7pXrG #スナックワールド #ぬいぐるみ #ブタ子 pic.twitter.com/9tdRrv4s8b
— スナックワールド【公式】 (@snack_portal) May 31, 2017
とりあえず「ゴブさん」「ブタ子」をスタメン落ちさせた上で可愛いキャラを登場させるべきである。ブタ子ポジションがとにかく弱い。色合いも日本人受けしない。
レベルファイブの今後の展開
スナックワールドのスマホ配信がまた延期!2018年に配信予定https://t.co/XUC6PeUhYS#スナックワールド#レベルファイブ#妖怪ウォッチ
— 公式スナックワールド攻略DX (@snack_world_dx) August 8, 2017
レベルファイブはゲーム発売も延期を繰り返す等品質を重視した作品作りは出来ていると思う。だからこそ成功できる「骨組み」を重視すべきなのだが今作は残念ながら失敗していると思う。
今までで言うと
- キャプテン翼 → イナズマイレブン
- ポケモン → 妖怪ウォッチ
と人気コンテンツをオマージュする形で成功しているのだから今作も何らかのオマージュを行うべきだった。
とは言っても十分人気コンテンツとしてブランドを築きつつある日野の戦略は完全に確立されていると思う。来年には『二ノ国Ⅱ』も発売するのでしばらくレベルファイブ旋風は止まらなそうだ。今後の展開に期待したい。
コメント
すごいっていうか?
俺だけじゃないから!
?
妖怪ウォッチがオマージュしたコンテンツはポケットモンスターって言うよりゲゲゲの鬼太郎のような?
妖怪ウォッチ自体が今や下火ですからねえ・・・