『借りぐらしのアリエッティ』感想:小さな世界のどうでも良い物語

金曜ロードショーの『借りぐらしのアリエッティ』の感想を内容紹介は省いてサクッと書き留めておく。

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世界観を楽しむ作品

本作は『世界観を楽しむ作品』である。アリエッティという小人の存在自体が我々にとって極上のファンタジーであり、緻密な美術や借りぐらしの様子・水の質感などを楽しむ作品となっている。

というのも正直この作品は脚本らしい脚本は存在しない。こんな風に暮らしています。見つかりました。助けてもらいました。見つかりました。助けてもらいました。というだけのお話である。

問題点

キャラ魅力

本ブログでは口を酸っぱくして言っているがお話でもっとも重要なのはキャラ魅力である。『借りぐらしのアリエッティ』に魅力的なキャラクターは登場しない

強いて言えばくんがアリエッティに初対面で「滅びゆく種族やぞお前」とか言ってた辺りサイコパス感が良かったがお話には生きていない。

元祖!浦安鉄筋家族 10巻より

アリエッティと家族達は大人まともな人間たちで構成されている。宮﨑駿が描くジブリ作品では往々にして「優しく」「元気で」「明るい」子供たちが登場する。その子供たちの生命力から来る行動が物語を動かし、視聴者のを動かしていく。

本作には明確なも存在しない。家政婦であるハルが悪役ポジションなのだが動機が弱いし勧善懲悪の対象にもなり得ない程度の悪である。これならドール愛好家の変態か生物研究してる異端教授とかトイストーリーのシドレベルの悪にしたほうがエンタメとして成立する。

翔との関係性

とアリエッティの非対称な関係も問題である。翔は単なる良い人でしかなくアリエッティも翔に対して行動を起こせていない。二人の関係がお互いに助け合う様な対称性を持っておらず、小人は助けてもらうだけのか弱い存在でしか無い。

結果として誰か成長したのか?

本作の結論として誰がどう成長したかも上手く描かれていない。翔は生きる希望を得られたのか?アリエッティは人間への理解を改めたのか?

例えそうだとしてもどうでも良いスケールの話なのである。そもそも本作の構図は人間小人という種族の関係のお話である。2つの種族が生きていく未来を描いて欲しかったし、それをアリエッティに見出して欲しかった。

何となく良いお話にまとめた

本作は勧善懲悪のエンタメにも振らず、童話として世界を描ききったことが魅力なのだと思う。そのため今までのジブリ作品の目線で比較すると不満点が出てきてしまう。けれども音楽世界観は素晴らしく、想像力を掻き立てられる良いお話なことは間違いない。

宮﨑駿が描く作品はどれも尋常じゃないがこもっている。本作の脚本がどの程度駿によるものなのか想像出来ないが、駿が監督していたらまた違う熱い仕上がりの作品になっていたと思う。

とはいえジブリ作品としては全然好きな作品である。とても楽しませてもらった。明日から公開されるスタジオポノックの処女作『メアリと魔女の花』にも期待したい。

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