『君の名は。』が大絶賛する程の映画ではない3つの理由【感想】

本日、地上波初放送された『君の名は。』の感想を今更まとめてみる。

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どんな映画?

『君の名は。』は2016年8月26日公開の新海誠監督のアニメ映画。日本での興行収入は250億円に上り、全世界での興行収入は『千と千尋の神隠し』超えの3.55億ドルを記録、社会現象となった超人気作品。

絶賛する程か?

筆者は公開間もなく劇場で映画を見たのだが、非常に「良い映画」だったとは思う。しかし各所で「絶賛」される程の映画かというと下記の点で疑問が残る。

バカでも分かる映画

『君の名は。』は大衆向けの娯楽映画である。この点については新海自身も自覚しており、産経新聞のインタビューでも下記の通り答えている。

シネフィル(映画通)には不評かもしれない。でも、そういった層に背を向けられても、新しさや過剰さ、疾走感を「良い」と思ってくれる大きな層を狙いたかった。

批評家の岡田斗司夫も「バカでも分かる映画」と切り捨てており、過去作の文学的表現も本作では見られない。作品自体が入れ替わり、時間SF、パラレルワールド要素など「どこかで見た要素」の寄せ集めとなっており、後世に残る文化的価値を持っていた『この世界の片隅に』と比較してもアカデミックな価値は薄い。売れる要素てんこ盛りにして、ある種の作家性を諦めたエンターテイメント作品となっている。このことが映画通にはウケが悪い一因だろう。

SF性の低さ

本作をSF作品として考えてもツッコミどころは多い。SFとしての諸問題をまとめているのはこちらが分かりやすいので省略。本作は飽くまで恋愛映画であり、SF性は重要でないからこそ不要な説明は省かれている。その割り切りの良さがヒットの理由でもあり、SF好きからするとイマイチな理由でもある。

SF作品としては『時かけ』の方が10倍SFしていることは間違いない。本作を楽しめるか否かは如何に登場人物に感情移入できるかが鍵であり、その手法は恋愛映画そのものである。本作がティーン・エイジャーに大ヒットした理由も恋愛映画としての部分が大きい。

挿入歌

挿入歌のRADWIMPSも本作を「映画」として捉えた場合には主張が強すぎる。無論、映画の主要シーンで効果的に活用されており、感情をこれでもかと揺さぶる演出ではあるのだがその分セリフの印象は薄まっている。無音映像の方が情景描写として有効な場面でも使用されているのはミスマッチ感が強い。

SNSの反応

同様に「絶賛するほど?」という意見はTwitter上でも多く見られる。

感想

素晴らしい作品だとは思う。しかし「映画好き」「アニメ好き」が諸手を挙げて「神映画!」と絶賛していることには疑問を感じてしまう。映画を「エンターテイメント」として割り切っている人には楽しめる最高の映画だが、アニメ・映画好きには「ありきたり」な要素が強い。キネ旬邦画1位を『この世界の片隅に』に取られてしまった事実にも頷ける。

地上波放送に伴い、「(周りが)絶賛するほどでも無かった」という意見も多く見られたので記事としてまとめてみた。『君の名は。』を機に商業主義映画に舵を取った新海誠監督。今後は再び作家的な映画に戻るのか、商業主義を突き進むのか、今後に期待したい。

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コメント

  1. きなあん より:

    ガキどもの反応にマジになるなよw
    所詮映画出て1時間もすりゃもう忘れて飯食ってるんだから
    あんなご都合主義の娯楽映画にマジになっちゃってどうすんのw

    • タコッケー タコッケー より:

      きなあん様、コメントありがとうございます。
      視聴者層が比較的若いことは確かですが、その捉え方はさすがに偏見なのでは。
      ご指摘の通り「娯楽映画」なんですよね。
      にも関わらず「作品」として素晴らしいという意見も多かったので疑問が湧いてしまった次第です。
      この記事自体モヤモヤ整理のためのチラ裏的なポジションです。
      ありがとうございました。