Steamで配信開始された『バグダス – デバッガー検定 –』のAndroid版をクリアした感想。
どんなゲーム?
デバッガーの気分が味わえるバグ発見ゲーム『バグダス』Steam版が配信開始! https://t.co/2o2nf0VlBR
— Game*Spark (@gamespark) 2019年1月22日
『バグダス』はJiruo Softwareが個人開発したバグ発見ゲーム。プレイヤーはデバッガーとして開発中のゲームでバグを見つける”デバッグ作業”を行う。ゲーム内にはノベルゲー、RPGなどを題材にした問題が計8問用意されており、指定されたバグを発生させて全問制覇を目指す。クリア後はプレイ中のヒント数に応じた検定結果も得られる。
Android版は無料配信中。Steam版は100円で実績機能に対応。
感想
内容はチープだが完全に発想の勝利と言える迷作。全8問という30分未満で終わる手軽さと「デバッグ」を題材にしつつも技術的知識を必要としないゲーム性(単なる間違い探し)も潔い。デバッグ感が感じられるのは第6問「ゴールへ辿り着け」くらいで他は製作者により意図的にバグが仕組まれている。デバッガー検定のタイトルに惹かれてプレイした方は肩透かしを喰らうかもしれない。同時押しが可能な点さえ注意すれば難しいポイントは無いだろう。検定結果をSNS共有可能な点も現代的で非常に良い。
元になる作品は2015年2月にPlayStation Mobileでリリースされており、ブログで公開されている開発裏話も面白い。発想は良いがボリュームの短さと浅さは残念。本作に『Undertale』『OneShot』のようなメタ要素と物語性が加われば一気に名作に化けるはず。本格的な「デバッグ」が出来る形でプレイヤーがコードを弄れればなお良い。あるいは上級者向けに実際に開発中に遭遇したバグを題材にした問題を増やすのもアリだと思う。
デバッグ・テスト作業の楽しさを題材にした名作と言えばWii Uで発売した『スーパーマリオメーカー』だと思う。そもそもゲーム開発とは走り始めと終盤は楽しいものなのだ。終盤の笑える(笑えない)バグを見つけるデバッグ作業もまた、ゲームの題材として他にないポテンシャルを秘めている。
筆者も個人アプリ開発経験があり、「デバッグ」を題材に逆説的にゲーム完成を目指すゲーム案を考えたこともあったがボリューム感と着地点、ゲームジャンルの相性から完成図が見えずアイデア帳に書いたままになっていた。本作からはFlashゲーム時代のようなボリューム感・アイデアありきでゲームを作って良いというメッセージさえ感じられる。ゲームとして「耐えうる」作品になっていなくてもAndroid、Steamなら気軽にリリースも可能な時代なのでサクッと遊べるゲームを開発するのもアリだと思えた。
話は大きくズレたがAndroid版なら無料。Steam版も100円とレンガより安いので気になった方は試しに遊んでみて欲しい。