『君の名は。』ハリウッド実写化への期待と不安:青春恋愛からSFへ

東宝は本日、新海誠監督の大人気アニメ映画『君の名は。』のハリウッド実写化を発表した。今回は実写化への期待と不安をまとめてみる。

発表内容

本日、唐突に発表された内容は「実写化」というインパクトも然ることながら、最も衝撃的だったのは実写化を手がけるスタッフだろう。

実写化に向けて開発を進めているのは米パラマウント・ピクチャーズとJ・Jエイブラムスが所有する制作会社「バッド・ロボット・プロダクションズ」。「バッド・ロボット」は『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』や新生『スタートレック』シリーズの共同製作でも知られ、世界的なSF作品を数多く手がけている。

プロデュースを担当するのはJ・J エイブラムスとリンジー・ウェバー。脚本は『メッセージ』でも知られるエリック・ハイセラー。また、川村元気は今作でもプロデューサーとして参加する。

期待できる点

スタッフ

何より注目したいのは製作を手がけるチームだろう。川村元気のコメントにもある通り「これ以上ない、夢のようなチーム」となっている。映像作品で最も重要となる脚本をエリック・ハイセラーが手がけるのも非常に期待できる。

そして何よりJ・Jエイブラムスが手がける『君の名は。』がどんな作品になるのか。SF色がより濃い、重厚な作品として生まれ変わる可能性も秘めている。

川村元気も参加

今回の件について「実写化」すること自体を不安している声も大きいが、これだけの社会現象となると実写化の流れは避けられない。そんな中で原作のプロデューサーが携わる形で実写化される意義は大きい。必ず日本人向けにも配慮した配役、展開に調整してくると思う。

資金力

ハリウッド映画の制作費は国内映画の比ではない。J・Jエイブラムスが手がけるドラマ『ウエストワールド』で言えば制作費は1億ドルとなっており『君の名は。』の数億円とかけ離れている。

単にお金を掛ければ作品として良いものが出来るわけでは無いが、掛かる金額はそのまま制作会社のリスクとなる。その分失敗が許されない状況となり、昨今のハリウッドの制作メソッド的にもきっちり面白いものに仕上げてくると予想できる。

不安要素

実写化

原作ファンにとっての最大の懸念はそもそも「実写化」されることだろう。昨今の国内アニメの実写化状況を考えると不安に思ってしまうのも無理はない。コスプレにしか見えない格好でCGを多用した安いアクションを見せられる作品が多いことも事実である。

原作は日本が舞台

映画の詳細はまだ分からないが「ハリウッド映画」なので撮影は海外で行われ、海外俳優が起用されることは間違いないと思う。

そうなると「東京」「糸守町」の美術や、日本の学校の雰囲気、祭りなど日本的な文化も魅力だった原作の良さを残せるのかが気になってくる。

イメージが壊れる

原作はまさに「青春恋愛」をそのまま映像化したような作品であり、その雰囲気や「瀧」「三葉」が大好きな人も多い。

しかし、アニメ原作の映像化は原作が持つイメージを壊すリスクを伴う。アニメ作品では可愛いキャラクターも実写になると生々しさが出てしまい、作品自体も生々しいものになってしまうことも多い。本作のような「青春」をテーマにした作品だとその影響も大きいだろう。

原作そのままではない

しかし、本作は実写化企画としては比較的安心できる分類だと思う。理由としては先述のスタッフはもちろんだが、恐らく原作そのままの実写化とはならないであろうことが挙げられる。

脚本のエリック・ハイセラーはアカデミー賞で脚色賞にノミネートされた通り、作品の重要な部分をしっかり把握し映画的に創り変える手腕に優れている。本作においても作品としての核となる部分は残しつつも、ハリウッド映画として昇華させてくれると思う。

その上では恐らく「原作の再現」よりは「SF×恋愛」の部分をフィーチャーし、ハリウッド風にすることを重視するだろう。

続報に期待

いずれにしても今は企画が発表された段階であり、本格的に動かすのはこれからである。どう転んでも社会現象になることは間違いないし、個人的には非常に期待している。

まずは主演の発表含めた続報を楽しみに待ちたい。

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