ゼルダの伝説シリーズ最新作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』。本作が神ゲー、傑作と呼ばれる理由について考えてみる。
真の意味での「オープンワールド」
本作はシリーズ初のオープンワールドゲームとなっている。(厳密には任天堂では「オープンエアー」と呼んでいる)
世の中で有名なオープンワールドゲームと言えばGTAシリーズやウィッチャー3、ホライゾン、FF15などが挙げられる。しかし本作はそういったタイトルとは一線を画す「自由さ」を持っている。
本作ではメインミッションと呼ばれるものが殆ど存在しない。ミッションとして用意はされているが、プレイヤーはゲームを進める上での参考にするだけで、ひたすらに「自由」に世界を歩き回ることが出来る。謎解き要素として用意されている祠も攻略は自由であり、その気になればガノンまで一直線に進んで裸のままエンディングを迎える事もできる。
過去のオープンワールドゲームでは「メインミッション」が用意されており、プレイヤーは「寄り道する自由」は与えられているものの、「メインミッション」に沿ってしかゲームを進められなかった。修学旅行の自由行動のように管理された範囲・条件下での自由しか無かったのである。
本作では興味を持った場所どこにでも行ける。遠くに見える山を「登ってみたい」という気持ちだけで登っても良いし、川の流れに沿ってひたすら下ってみたり、山頂から気持ちよく滑空することも出来る。どこまでも自由に純粋にゲームを楽しめることが最大の魅力となっている。
発見が連続する美しい世界
世界がとにかく広いだけのゲームは多いが、本作はそういった「オープンワールド」を過去のものに変えている。
今作のマップは広さが注目されがちだがそれ以上に、発見の多さが素晴らしい。だだっ広いだけの世界ではなく、歩き回る度に新しい発見・興味が連続する世界となっている。世界中のシーカータワーに登り、祠を攻略し、コログの実を集める。探索と謎解きのバランスが本作を無類の魅力的なものに変えている。
この世界に込められているのはシステム的な面白さだけではない。世界の「美しさ」も存分に感じることが出来る。トゥーンレンダリングされた世界は温かみを感じ、草原を吹き抜ける風が画面から伝わってくる。高所に行けば雪が振り、火山の近くでは燃え上がるほどの熱気を感じる。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』では確かに世界がそこに「存在」する。私たちはその世界を「広大な遊び場」として自由に楽しむことが出来る。ゲーム世界を「遊び場」として楽しめるのはマリオ64以来の感覚である。
ゼルダならではの魅力的なキャラクター
その世界を彩っているのは『ゼルダの伝説』シリーズの魅力的なキャラクター達である。シリーズ恒例の「ゴロン族」「ゾーラ族」「ゲルド族」「リト族」といった種族が登場し、その英傑たちとリンク、ゼルダ姫、ガノンの物語がこのゲームを『ゼルダの伝説』に変えている。
今作では特にゾーラの里のキャラクター、物語が秀でている。レベルメイク的にプレイヤーが最初に訪れるのはゾーラの里なので多くの人はここで本作が『ゼルダの伝説』であることを再認識し、心を奪われることだろう。
プレイヤーの心に残り続ける傑作
本作はプレイした体験が心に残り続ける傑作である。クリアした人は是非今こそ3rdトレーラーをもう一度見て欲しい。本作があなたの体験として心に刻み込まれていることを実感できると思う。筆者はこのトレーラーを観るだけで涙が溢れてくる。
ゼルダ・オープンワールドの試金石となった
本作は過去の全てのオープンワールドゲームを過去のものに変えてしまった。そして『時のオカリナ』と同様にゼルダシリーズとしての新たな試金石となった。
今後のゼルダシリーズは同様の方式で行くと青沼氏も明言しており、ゼルダシリーズ、そしてオープンワールドの価値の再定義されたことはゲーム業界にとって大きな意義を持つ。今後のオープンワールドゲーム、そしてゼルダの伝説シリーズに期待したい。
ゲーム:ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド | |
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ゲームジャンル | オープンワールド |
対応機種 | Nintendo Switch Wii U |
発売日 | 2017年3月3日 |
開発元 | 任天堂 |
販売元 | 任天堂 |
ディレクター | 藤林秀麿 |
プロデューサー | 青沼英二 |