いよいよ7月に発売を控えたDQ11だが3DS版の2Dグラフィックが波紋を呼んでいる。2chでスーパーファミコンで発売されたDQ6と比較して「ドット絵が酷い」「絵が動かない」「ツクール感」などと揶揄されているのだ。この批判はそもそも意味がないことを記事としてまとめたい。
あえてレトロ感を出している
『DQ11』はドラゴンクエスト30周年記念タイトルとしてPS4向けに開発を始めたタイトルである。しかしより多くの人に遊んでもらうために3DS版を開発し、30年の歴史を感じられる2Dグラフィックモードが採用されたという経緯がある。
となると当然2D版は過去作品のどこにグラフィックを寄せるのかという問題が生じてくる。
寄せているのはDQ4とDQ5
まず戦闘画面で注目してほしいのはエンカウント時の演出である。画面点滅後に渦巻状に暗転し戦闘が開始する演出はファミコン版のDQ4と全く同じである。ちなみにその後の戦闘ウインドウはDQ1準拠の四角枠である。戦闘時の攻撃エフェクトはDQ5に寄せており、マップ移動画面の見た目も同じくDQ5が最も近い。
このように2D画面は過去作のDQシリーズに寄せる方向で作られている。そもそも精細なドット絵を目指しているわけではないのだ。これがもし戦闘時にドット絵を動かした場合はDQ6、DQ7準拠となってしまう。今作のタイトルロゴがDQ1の反転であることからも分かるように今作はファミコンDQ世代をもう一度RPGに呼び戻す目的がある。その方向性とDQ6,DQ7時代の作りは一致しなかったため敢えて避けたと考えられる。
スマホ版FF5の悲劇を思い出して欲しい
現状の出来について当然予算や30周年に合わせた納期の影響は大きいと思う。また、タイトルの注目度の高さに比例して批判の声が大きくなるのも分かる。しかし思い出して欲しいがスマホ版FF5のツクール感はこんな次元ではなかった。ドッターが減少している昨今、DQ11のドット絵の出来は十分DQシリーズとして成立するレベルであり、作品として耐えられている。というか現状国内で素晴らしいドット絵作れてるのは「ゆうなま」シリーズくらいな気がする。どうしても気になる人は3D版をプレイするかPS4版を購入しよう。