【Twitter】如月真弘のプロモツイート停止が当たり前な理由

togeter「入金済みのプロモツイートが不適切だとして停止され、Twitter Japan社に直接抗議に行った如月真弘さんのレポ」に対する意見記事。

概要

ラノベ作家の如月真弘が自ら広告費を掛けてTwitterにプロモツイートを投稿したところ、添付画像が不適切とされて広告配信が停止となった。広告費は既に引き落とし済みだったとのこと。

問題点

togetter記事を読んでいただくと分かるのだが、作家側の主張はかなりバイアスが掛かっている。そこで問題点を一つずつ分けていきたい。

海外のポルノ基準

そもそも画像を「成人向け・性的・ポルノ」と侮辱されたことに憤りを感じている様子がツイート内容からも窺えるが、該当画像は海外基準で考えると完全に「性的コンテンツ」である。海外における性的コンテンツの基準は、以前筆者が自作アプリで「メタデータ違反」に対処した際の内容が参考となる。

Google Playにアプリを出す際に「性的なものを暗示する画像や動画」として画像を捉えられたためメタデータ違反としてGoogle Pla...

過去記事を読んで頂ければ分かる通り、海外Google Playでは不適切な画像・テキスト例を下記の通り挙げている。

  • 性的なものを暗示する画像や動画。胸部、でん部、性器、フェティシズムの対象となるその他の身体部位を含む、性的なものを暗示する画像の掲載は写実性を問わずおやめください。

Appストアに比べて審査が緩いGoogle Playでさえ性的と「暗示」した時点でアウトとなっており、実際に筆者もリジェクトの判定を受けている。そのため、まず前提として海外と日本の「文化の違い」を理解する必要があるだろう。海外の二次絵に対する感覚は日本のそれと大きく異なり、Twitter社も海外基準のポリシーを適用している。

成人向けと判断される理由

そうした文化の違いを踏まえた上で具体的な問題点は下記の通り挙げられる。

  • 胸部分の突起
  • 服の透けを暗示する色味
  • 胸元のチラ見せ
  • 太もものフェティシズム表現
  • 下半身の露出割合
  • 服装における露出の必要性

問題点の多さからも本作の表紙が「フェティシズムの対象」となる事実は明白である。この画像を「問題ない」と判断できるのは日頃から「漫画・アニメ・ラノベ」文化に慣れ親しんだ日本人ならではの感覚であり、海外的には子供に見せられない「性的なコンテンツ」と捉えられてしまっても何らおかしくは無い。

特に服装の露出は必要性を全く感じられない。配信されているソーシャルゲームでも「水着」という名目が無い限り、肌を露出させることが出来ないのと同様に「軍服」としては明らかに違和感を感じる。

禁止コンテンツ基準

Twitterにおける「成人向けまたは性的な商品・サービス」のポリシー対象となる商品・サービスはこちらで公開されているが、Google Playのメタデータ違反例のように具体例は提示されていない。この基準が分からない事も今回の騒動のきっかけではある。

しかし、具体的な基準を明文化してしまうと基準は悪用されギリギリのラインを攻めた表現がまかり通ってしまう。iTunes Connectで基準や違反例を示していないのも禁止基準の隙を突かせない為だと思われる。ある意味今回の違反によってTwitter社におけるアウトのライン引きが一つ明確になった形。

返金は別問題

作者は合計45,266円の広告費を払ったにも関わらず、返金されず、広告が一方的に停止された事を強調しているが、この主張も疑問が残る。

ツイートに添付された画像を見る限り広告は「ツイートエンゲージメントキャンペーン」を利用しており、ターゲッティングユーザーが「エンゲージメント」(フォロー、いいね、RTなどのアクション)をされた時点で課金が発生する。そのため、支払った広告費(45,266円)は既にTwitterユーザーによる「エンゲージメント」が行われているか、広告予算として設定されただけで無課金の状態だと思われる。前者であれば目的のエンゲージメントは果たされているので返金されなくて当たり前だが、後者の場合かつ設定予算が返っていないのであれば問題となる。

とはいえ返金目的なら淡々とTwitterJapanにて異議申立書を送って済む問題であり、金額からしても大きく騒ぎ立てる自体ではない。どうも今回の件は「表現規制」「Twitter凍結問題」に対する怒りが混在している様子が窺える。

作者が個人プロモ

そもそも今回の騒動に関しては作者自身が個人的にプロモーションしている行動自体意味がわからない。「山本五十子の決断2」はKADOKAWAが発行する「富士見ファンタジア文庫」レーベルとして出版している作品であり、個人の作る同人作品ではない。作者自身が個人的にプロモーションをしたいと考えTwitterで広告を打つまではギリギリ分かる。しかし、不適切な内容として広告を停止されたことに勝手に憤慨し、公の場で大々的に晒し上げる神経は理解に苦しむ。

作者はレーベルに属した時点で「個人」としてではなく該当レーベルの「作家」としての行動が求められる。今回の騒動が大きくなったことで被害を被るのは「KADOKAWA」である。作品自体が注目を集めたことは良いとしても炎上により作者・イラストレーターのイメージが悪化することは長期的な目線でマイナスである。

感想

レーベルに属する以上は本を出すために協力して頂いている出版会社・装丁デザイン・編集・印刷など各方面に気を配った社会人らしい行動をするべきだったように思う。少なくともTwitter JAPAN本社に単独凸し、詳細な内容を報告ツイートすることは出版社・Twitter社との今後の関係を踏まえても賢い行動とは思えない。

作者の言う「侮辱」もTwitter社としては米国の広告審査基準に乗っ取り「淡々と」停止措置を取ったに過ぎず、行動に表現・文化的な意味合いは含まれていない。どうにも今回の騒動は作者が勝手に突っ走って暴走した感が強い。そんな印象を受ける騒動だった。

Twitterではしばらく「入金済みのプロモツイート」がトレンド表示されていたので記事としてまとめてみたが、10時現在は表示されていない。Twitterとしても不利益を被る無いようなので表示制限を行った形だろうか。Twitter社の基準が曖昧、サポートが機能していないことは事実なので今回の騒動をきっかけにTwitterの運営改善にも期待したい。

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コメント

  1. 匿名 より:

    やっぱ作家に自爆プロモさせるってKADOKAWAかなりやばいん?

    • タコッケー より:

      コメントありがとうございます。
      炎上マーケティングしても売上に大して影響も無さそうなので、作者の勝手な暴走だと思います。
      今回の件についてKADOKAWA側からお咎め等があるかは気になりますね。
      ありがとうございました。

  2. 匿名 より:

    基本的に外国の基準を押し付けられるのは大嫌いだけど、今回の件は外国が運営しているサービスを使ってるんだから、その国の基準に従うのは当然って感じなんですよねー。
    アメリカとかその辺めっちゃ厳しいですからね。

    • タコッケー より:

      コメントありがとうございます。
      日本はどうしても「お客さまは神様」的な考えが強いですからね。
      規約を決めるのも企業側ですし、則らない場合は然るべき対処を受けて当然なんですよね。
      海外全般で表現規制は厳しさを増していますね。(特に未成年を性的対象として描くケース)
      日本はどうしてもラノベ・漫画が溢れているので感覚の違いを掴みづらいところはありますね。
      ありがとうございました。