【リアル舟を編む】10年振り『広辞苑』第七版が発売!追加項目は?

1月12日、岩波書店の国語辞典『広辞苑』が10年ぶりに改訂され発売した。現代語や人名など1万項目が新たに追加されている。

概要

『広辞苑』の初版が刊行されたのは1955年。その後改訂が重ねられ、2018年1月12日『広辞苑第七版』が刊行された。第七版では分野ごとに各界の専門家が校閲し、新たに1万項目を追加、140ページ増加しつつも用紙をより薄い紙に変えることで厚みを維持している。

総項目数は25万、3216ページのボリュームながら、片手持てる安心・信頼の1冊となっている。

追加項目は?

辞書の追加項目はいわば「時代を写す鏡」であり、現在は定着した言葉、将来不可欠であろう言葉が選び抜かれている。公式サイトにも紹介されているが一部を挙げてみる。

  • 現代語
    • がっつり
    • 加齢臭
    • 婚活
    • 自撮り
    • ちゃらい
    • 無茶振り
  • カタカナ語
    • アプリ
    • クラウド
    • スマホ
    • メアド
    • リスペクト
    • レジェンド
  • 人文・社会
    • LCC
    • オスプレイ
    • ビットコイン
    • ブラック企業
    • ふるさと納税
    • マタニティー・ハラスメント
  • 科学・自然
    • iPS細胞
    • 熊本地震
    • 再生医療
    • 新型インフルエンザ
    • ニホニウム
    • はやぶさ
  • 人名
    • 赤塚不二夫
    • 高倉健
    • 土井たか子
    • マイケル・ジャクソン
    • スティーブ・ジョブズ
    • スピルバーグ
  • 地名
    • 富岡製糸場
    • 東京スカイツリー
    • 熊野古道
    • しまなみ海道
    • 軍艦島
    • アマルフィ

語釈の見直し

項目追加だけでなく、時代に合わせて言葉の意味(語釈)を見直したものも多い。馴染み深い「おたく」の説明も下記のように変更されている。(出典:ねとらぼ

第六版

特定の分野・物事にしか関心がなく、その事には異常なほどくわしいが、社会的な常識には欠ける人(※一部抜粋)

第七版

特定の分野・物事には異常なほど熱中するが、他への関心が薄く世間との付合いに疎い人。また広く、特定の趣味に過度にのめりこんでいる人。「アニメ―」(※一部抜粋)

社会的な常識には欠ける」という部分が「世間との付合いに疎い」にやや弱まっている印象だが、根本の「オタクはコミュ障」という点では変わってない模様。

感想

ネットで手軽に検索できる時代だからこそ「的確に把握できる」辞書に価値があるーとのことだが、実際のところ「的確」なのかは何とも言い難い。ネット上では第七版の「台湾」に対する解釈を巡って炎上も広がっている。(変なのに絡まれたくないので詳しくは触れないが)

かつて「新聞」が的確な情報源だった時代も過去となり、インターネットは情報源として生活と切り離せない存在となった。書籍の販売量も減少する一方で10年後に紙媒体の辞書が残っているかさえ疑わしい。そういった意味では今回の『広辞苑第七版』が最後となる可能性さえある。

小説、アニメ、映画と大ヒットした三浦しをん原作『舟を編む』。同作を読んだ方、観た方には辞書作りの凄まじさが伝わっていると思う。今の時代だからこそキーボードを叩くのではなく、『広辞苑』片手に言葉を探す価値があるのかもしれない。

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