【歩きスマホ不可避】モンハンNowをHR11までプレイした感想

本日、ついに狩猟解禁された位置情報ゲーム『モンスターハンターNow』を一通りのチュートリアルが完了するHR11までプレイしてみた感想。

どんなゲーム?

『モンスターハンターNow』CM | “survival dAnce” 篇 | Music by 4s4ki (Prod. by Yaffle)

『モンスターハンターNow』は国民的人気アクションゲーム『モンスターハンター』シリーズを題材にした位置情報ゲーム。プレイヤーはハンターとなり現実世界を探索して素材を集め、「モンスターハンター」の世界から現れた「リオレウス」や「ディアブロス」などの大型モンスターを狩猟していく。

開発は『ポケモンGO』や『ピクミンブルーム』などの位置情報ゲームでお馴染みNianticが担当している。iOS,Android向けに基本プレイ無料で配信中。

序盤の感想

『ポケモンGO』はTL45までやり込み『モンハン』シリーズも概ねプレイしている筆者は今作のリリースを楽しみにしていた。リリース初日にチュートリアル部分が終わるまでプレイしてみた感想を述べる。

操作性は良い


まず『モンハン』シリーズと言えば多数の武器種が存在し、各武器固有の操作性及びアクションの気持ちよさは作品の要となっていると言っても過言ではない。今作はスマホ向けの作品で片手操作が可能、リリース時点で武器も6種類あり回避やガード操作を含めた本格的な狩猟を楽しめると聞いていたが実際に『モンハン』らしいプレイを楽しめるのかは半信半疑だった。

結論としては間違いなく『モンハン』としての狩猟アクションを味わえる仕上がりとなっている。ジャスト回避や溜め攻撃も存在し、肉質や部位破壊を意識した立ち回りを手軽に片手で味わえることには感動すら覚える。敵や武器の攻撃モーションも過去作を踏襲しているのでシリーズ経験者はほぼ無傷で大型モンスターを倒すことも可能。スマホ向け『モンハン』としてのアクション部分は文句のつけようが無い。

サクッと遊べる

まず『ポケモンGO』はレイドや戦闘周りのテンポが非常に悪い。人数が集まってもレイドバトルは開始されずに制限時間いっぱいまで待つ必要があったり、ゲームのメインとなるポケモン捕獲も最近はかなり改善されたがタップしてから捕獲するまで最低でも15秒は掛かる上に殆どが「何もできない」演出の時間だったりする。

それと比較するとモンハンGOの場合は煩わしい演出はほとんど存在せず雑魚モンスターをタップ→適当に連打で素材入手できたり、ポケストップ扱いの採集もタップで完了。大型モンスターとの戦闘を除きお手軽に楽しむことができる。起動時間も短くて全体的に動作は軽い。

いつでも冒険モードあり

『ポケモンGO』は基本的にポケモンGOプラスのような外部デバイスを用意しない限り、画面を見ながら遊ぶ必要があるのだが、『モンハンGO』の場合『ピクミンブルーム』のようにアプリを閉じていてもオトモが自動採集したり大型モンスターをペイントしてくれる「いつでも冒険モード」が用意されている。メインは別の位置情報ゲームを遊びつつ帰宅してからゆっくり『モンハンNow』をプレイすることも可能。特に大型モンスターとの戦闘は後述する通り歩きスマホとなりがちで危険なのでこの仕様自体は非常に良い。

問題点

さて今まで『モンハンNow』の良い点を色々と挙げてきたが問題点も多数存在する。端的に言ってしまえば『ポケモンGO』プレイヤーが移住して遊ぶほどの魅力は現時点で存在せず『ピクミンブルーム』のような棲み分けも困難な仕様となっている。

歩きスマホ不可避

まず『モンハンNow』は効率を意識した場合、歩きスマホせざるを得ないゲーム仕様となっている。これを起動時の「周りに注意を払って!」の注意喚起で済ませるのは企業として問題があるレベルで、今後プレイヤーが増えた場合『ポケモンGO』リリース初期のような事故やトラブルが起きる可能性は非常に高い。

具体的には『ポケモンGO』の場合は下記の流れでポケモンを捕獲する。

  1. 地図上のポケモンをタップ
  2. 捕獲画面
    1. (逃げる)
    2. (きのみをあげる)
    3. ボールを投げる
    4. 捕獲演出
  3. OKボタン・チェックボタン押下

上記のうち画面を注視する必要があるのは1のポケモンをタップ→色違いか確認する2の画面遷移までであり『ポケモンGO』熟練者であればボールを投げたりボタン押下するのに画面は見ない。2以降も画面から目を離して進行方向を確認できる(操作できない演出)タイミングが多いためで仮に「歩きスマホ」しつつプレイしていても事故は起きにくい仕様だと考えられる。

しかし、『モンハンNow』はアクションゲームであり「ダメージを受けるデメリット」や「討伐中に移動するメリット」「ジャスト回避等のメリット」が大きい仕様のためモンスターの次の動作を注視せざるを得ず歩きスマホになり易い。

小型モンスター討伐の場合は注視する必要性が無くて良いのだが大型モンスターとの戦闘においては歩きスマホをしたほうがプレイ効率が良く、本来は家でゆっくり遊ぶための「いつでも冒険モード」もオトモペイントボールが3個と非常に少ないためマトモに機能していない。こうして考えると『ポケモンGO』のレイドバトルにおける「回避行動」の無意味さが歩きスマホ防止に一役買っていることを実感できる。

作業ゲー

『モンハンNow』の序盤は特にHR(ハンターランク)を上げることがゲームプレイ上必須であり、最低でもHR11で各種機能が開放されるまではチュートリアルだと言えよう。その後もHRやクエスト消化(ストーリー進行)に応じて武器種や☆2☆3…とモンスターが開放されていくため、とにかく画面下の指示に従い続ける必要があるのだがクエスト内容は「◯◯を装備して討伐」「ジャスト回避を◯回」などプレイングを縛る内容も存在する。

モンハンシリーズの魅力の一つはプレイングの幅が広いことにあると思う。プレイヤーはメインクエストをガンガン進めても良いし、自身が満足する装備が整うまでクエスト周回したり友人のクエスト進行を手伝ったり新しい武器種やスキル構成を試すのも楽しみの一つである。しかし、本作ではとにかくHRを上げないと片手剣でしか戦えないしリオレウスとも戦えない、防具もグレードを上げないとスキル発生せず防御力はすべて共通という仕様。

『ポケモンGO』で例えるならTL◯になるまで◯種類のポケモンしか出ない上に「色違い」「XXL,XXS」「高個体値」のようなガチャ要素も存在しない状況。良い方向で捉えるならプレイ段階に応じらモンスターしか出現しない初心者向け仕様でもあるのだが、比較的シリーズファン層にゲーマーが多い「モンハン」シリーズとの相性は最悪だと思う。

アプリ自体の初期ダウンロードサイズを抑え外出中でもDLしやすくしたり段階に応じてモンスターのデータアセットを取得させる開発思想もある程度は理解できる。しかし、そこはプレイヤースキルや友人によるキャリーを起こさせる意味合いでも最初から☆5以上までのモンスターを開放させる「上級者向け」モードを用意しても良かったのではないか。オープンワールドゲームにおける「あれは勝てないから諦めよう」的な判断をプレイヤーに委ねるだけの信用をしてほしかった。

野良レイドは厳しい

筆者はポケモンGOのレイドバトルであればお昼休み中の開始時間に入るようにすれば基本的に10人以上が集まるような位置情報ゲームをプレイする上では好立地に住んでいる。しかし、サービス開始当日の「モンハンNow」のレイドは1人増えればラッキーな方で、そもそも上記の通りHRを上げることが最優先なゲーム性により「待つ時間が無駄」なために現状のマルチプレイは全く機能していない。

そもそも☆1,2のモンスターは雑魚でゲーム自体もソロで楽しめるように作られているし、ポケGOのレイドのような「◯時から開始」的な予告も無いため人を集めるためのゲーム仕様が弱すぎる。前述のようにプレイ開始直後から☆5を出していれば自ずとプレイヤーたちは強いモンスターの周りに集まって倒せる人数が揃うまで待機するはず。この辺は初心者向けの親切設計が完全に仇となっている。

課金仕様

ゲーム自体の課金仕様もあまり良いとは言えない。有償通過であるジェムの使い道は下記の通り。

  • 回復薬
  • ペイントボール
  • おさんぽ玉
  • ゼニー
  • モンスター討伐時の報酬2倍

この中でも特に酷いのは討伐報酬2倍の部分。逆鱗や宝玉のようなレアリティの高い素材を金で2倍にできるのは集金方法としてあまりに露骨過ぎる。せめて月額パス購入者は期間中は2倍にするような昔のMMOの方式を取ってほしかった。正直この課金仕様だけで「課金すれば2倍なのに…」とプレイする気が失せる。

回復薬は上級者なら不要だしゼニーも討伐を繰り返すことで貯められる。しかしペイントボールに関しては毎日10個は無料配布しないと「家でプレイ」したい層にはバランスが取れないレベルで、タップ可能範囲が広がるおさんぽ玉に関しても同様で課金誘導として露骨過ぎるしポケモンGOで同じことを始めたら大炎上するクソ仕様。課金周りはゲームとしての魅力を削ぐような作りになっている。

ポテンシャルは高い

開発に4年かけたというのもわかるほどゲーム自体は本当に良くできていてスマホで遊べるモンハンとしてのクオリティも非常に高い。しかし初心者向けの丁寧過ぎる・甘すぎるゲームバランスや露骨な課金仕様により全てが残念な形でまとまっており、このままだとサービス自体も長くない予感がする。

個人的には本作がハリーポッター魔法同盟のような道を辿ってほしくは無い。実装として可能な範囲で考えると下記のような改善が早急に必要ではないだろうか。

  • ゲームテンポの改善
    • ☆2開放
    • 全武器種開放
    • 全モンスター開放
    • 雑魚モンスターのオートバトル実装
  • パーティによるメリットの明確化
    • レア報酬の増加
    • マルチ前提となる敵を用意(ラオシャンロンイベント等)
  • お家プレイ(いつでも冒険モード)層へのサポート
    • オトモペイントボールの増加
    • ペイントボールの配布
    • ペイントボールリスト上限の増加
  • 月パス購入者への報酬内容の調整
    • 常時報酬2倍
    • 常時おさんぽ玉
    • ペイントボール配布

特にペイントボール周りは要調整で『ピクミンブルーム』のように外では歩くだけ、家で腰を据えて大型モンスターを狩猟する流れが理想というプレイヤーも多いはず。具体的にはペイントボールリスト上限が100になってオトモペイントボールが10個に増えるだけでもプレイ感は全く異なってくる。現状の仕様では『ポケモンGO』との同時プレイは不可能なので社内でプレイヤーを奪い合ってしまっている。これならペイントボールリスト上限とオトモペイントボール上限を課金で増やせる仕様にした方がまだ良いのでは。

歩きスマホ問題も「いつでも冒険モード」で十分家で遊べるバランスにしてくれれば解決するし、ペイント対象の討伐時は同種モンスターを狩るプレイヤー同士で野良マルチを実装すれば良い。家や職場をキャンプとして設営できたりすれば特定の場所で「大型モンスターの狩猟」に専念するプレイループが確立されると思う。

本作のゲーム自体は良いだけに今のバランスは本当に残念過ぎるが問題点は明確なので改善次第でプレイヤーを獲得できるはず。イベント実施を含めとにかく早い対応が必要だろう。今後改善が重ねられて既存の『ポケモンGO』プレイヤーも遊びたくなるゲームに変化してくれることを期待したい。

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