今回はコナミが一部の海外ゲーマーに嫌われてしまった理由について考えてみたい。
目次
コナミについて
コナミといえば人気野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」やサッカーゲーム「ウイニングイレブン」シリーズなどで知られる大手ゲームメーカーである。また人気カードゲーム「遊戯王」や音楽ゲーム「ビートマニア」「ダンスダンスレボリューション」等も人気を博している。
最近はスマホ向けの『遊戯王 デュエルリンクス』『パワプロ』も好調で、2017年3月期の決算は営業利益が363億円(47.3%増)と堅調に推移している。
一部海外ゲーマーに嫌われている
そんなコナミだが一部の外国人ゲーマーやコアなゲームファンに嫌われているのが実情だ。「パシフィック・リム」で知られるギレルモ・デル・トロ監督すら下記の通り。
FUCK KONAMI https://t.co/YRl5uXQlO6
— Guillermo del Toro (@RealGDT) December 2, 2016
コナミとゲームファンの間に一体何があったのか。原因は2015年に起きた一連の騒動だろう。
2015年の騒動一覧
ラブプラス開発者の退職
人気恋愛シミュレーションゲーム『ラブプラス』を手がけてきた内田Pとミノ☆タロー氏が2015年3月にコナミを退職。開発者の退職は珍しくないものの同時期に二人で辞めているあたり喧嘩別れでは?という疑惑が発生した。
内田明理からご報告(1of4)
いつも応援していただき有難うございます。突然ですが、3月15日にコナミデジタルエンタテインメントを退職いたしましたのでご報告します。
今後についてはまだはっきりしておりませんが、ペースを上げて自分に出来る事を続けたいと思います。(つづく)— 内田明理 (@Akari_Uchida) March 16, 2015
【ミノ☆タローから重要なお知らせ1/4】
急なお知らせとなりますが、2月15日を持ちまして
コナミを退職し、ミノ☆タローとしての活動を卒業させて頂く事となりました。
沢山の方に応援頂き、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。— 箕星 太朗 (@mino_taro) March 16, 2015
なお2年経過した現在もラブプラスのその後は音沙汰なく事実上コンテンツとして終了した状態になっている。
さくま氏による桃鉄終了宣言
人気タイトル「桃鉄」の生みの親であるさくまあきら氏が下記のツイートをしたのが2015年6月である。
コナミから何の連絡もない。こんな調子でずっとほったらかされた。ここに桃太郎電鉄は、正式に終了します。すべてコナミの石川が握り潰しました。
— さくま あきら (@isetta_23) June 2, 2015
その後、新作『桃太郎電鉄2017 たちあがれ日本!!』が任天堂から発売された。版権自体はコナミが所有したまま任天堂に権利を貸してライセンス料を受け取る形だと思われる。
サイレントヒル新作の開発中止
2015年4月28日、コナミは『サイレントヒル』新作の制作中止を正式に発表した。同作の体験版である『P.T.』も4月29日を持って配信が停止され現在『P.T.』は幻のゲームとして、インストール済のPS4がプレミアム価格となっている。
開発中止の理由は次に述べるコナミと小島秀夫監督との確執だと思われる。新作『サイレントヒル』は小島プロダクションによって製作されており、コナミ側が中止させた形ではないかとの疑惑がある。
小島秀夫監督との確執
最も影響が大きいのが『MGSV TPP』に関する一連の騒動。動画の通り小島秀夫監督のゲームアワード2015の授賞式への参加をコナミが拒否し会場中がブーイングに包まれた。『MGSV TPP』という作品もメタルギアシリーズらしくない中途半端な終わり方となっており、これもファンの間からはコナミが製作中止させたのでは・干渉があったのでは?と考えられている。
コナミはどこに向かっているのか?
コナミが上記のような路線に走ったのは2015年3月の早川秀樹社長の就任後のことである。早川はモバイルゲーム『ドラゴンコレクション』のプロデューサーを担当してきたソーシャル畑の人間。
日経のインタビューでも「これからのゲームプラットフォームはモバイルが中心」「追加課金モデルを『実況パワフルプロ野球』や『ウイニングイレブン』にも導入」などモバイル偏向・課金モデル重視の姿勢が窺える。
MGSVの強行発売については100億円を超える開発費からも判断として仕方なかったとも考えられる。しかしながらMGSVは初週だけで300万本販売し利益を叩き出している。
また、MGSVのために開発されたゲーム開発エンジン「FOXエンジン」も現在のウイイレ、パワプロの開発のベースとなっており、小島監督がコナミにもたらした遺産は計り知れない。
ゲーマーとしての感情
今までのシリーズファンとしては感情のやり場が無いためコナミのヘイトに繋がっているのだと思う。
https://twitter.com/ama_gin/status/504221335791218688
コナミは元々上記のカメラ特許やゴエモンや新作は作らないがIPは手放さない姿勢でゲーマーからヘイトを集めていた。それが2015年早川社長就任からの露骨な方針転換と一連の騒動で一気に爆発した形だと思われる。
小島監督ファンとして思うこと
筆者はメタルギアシリーズの大ファンである。上記の一連の騒動についてまず抱く感情は「悲しみ」である。『がんばれゴエモン』シリーズで言えば『がんばれゴエモン ネオ桃山幕府のおどり』など傑作だと思っているし、『パワポケ』シリーズ、「ラブプラス」も大好きなゲームである。
社内のゴタゴタは置いておいて事実として上記IPが死んでしまっていることが何より「悲しい」。
そして敬愛する小島秀夫氏が辛い日々を過ごしてきたことを考えると胸が苦しくなる。その想いが結果としてヘイトに繋がる心情は良く分かる。
製作者の意志について
調べていると下記のような声も聞こえてくる。
小島監督が『続編について』『メタルギアシリーズの未来について』を語る回。
「小島監督以外が作るメタルギアはメタルギアじゃない!」という #FuckKONAMI の人達へ3:15から聴きなさい。https://t.co/4zsN6AtSQw
— おぎさん (@OGISAN_HEAVEN) June 1, 2017
しかし言わせてもらいたい。作品をその作品たらしめているのは製作者の意志である。上記についてヒデラジ内の言葉で反論するならば「最先端の技術でその時代時代のメタルギア」という言葉の通りに新作『メタルギア サヴァイブ』は作られているのだろうか。
魂をかけて作られたFOXエンジンをそのまま使って、素材までそのまま流用した作品にしか現状思えない。小島監督の意志を継いでいない作品を果たしてメタルギアと呼べるのだろうか。
小島秀夫監督の現在
メタルギアシリーズは「桃鉄」同様にソニーがライセンス料を払い、小島秀夫監督がもう一度作るというパターンも考えられるが、一度ケチが付いた作品をもう一度やることはナンセンスである。
大事なことは今の小島監督がとても生き生きとしていることだ。去年のTGSのステージで「何も失っていなかった」という発言を聞いたときには筆者は泣きそうになった。そしてこれからもコナミではなく小島監督のファンであり続けようと思った。
世界中のゲームファンが小島監督の最新作『デスストランディング』に期待している。来週のE3でも私達を驚かせてくれるに違いない。
コメント
その通りですよね。
同じ意見を持っている人を見るだけで
心が和らぎます…
上から目線っぽくてすみませんね。
同様に感じている方が居て嬉しく思います。
コメントありがとうございました。
メタルギアもさくまもクソだから終わろうがどうでもいいけど
遊戯王を改悪しまくった挙句に過去カードほぼ紙切れにしたのは許せなかった
コメントありがとうございます。
遊戯王関連もやらかし多いですよね。カードゲームは売上からユーザー数を読めないので調整によってユーザーがどれだけ離れているかも把握できてないんでしょうね。
ブランド全般が落ちていっている状態ですが、「遊戯王」は元が強すぎるのでまだまだ堅調でしょうね。
ありがとうございました。
小島のインタビューでゲームは映画に近いとか行ってる時点でなぜこの業界に来た?
純粋にゲームを楽しみたい俺にはストーリーなんか重要じゃない
とっとと辞めろ
あ様、コメントありがとうございます。
貴方は誰と戦っているのですか?
監督のファンで無ければ彼のゲームをプレイしなければ良いだけで粘着している辺りゲハに似た負の感情を感じます。
また、現代のゲームにおいてストーリーを重要視していないゲームは存在しません。
『ゼルダの伝説』シリーズは勿論のこと『マリオ』ですら心揺さぶる物語展開を用意しています。
未だにファミコンソフトでもプレイしてるのでしょうか。時代錯誤も甚だしいです。
とりあえず岐阜から出て東京ゲームショウにでも一度参加してみて下さい。
映画とゲームの相互性と監督がゲーム業界に与えた影響を少しでもご理解いただけるはずです。
他人の進退に言及する前にまず、ご自身の教養を身に着けましょう。
ありがとうございました。
結論ありきのメディアはクソだけど世間にあふれてるから敢えて特に言及しないけどさ、
気に入らないコメントがあるからって個人情報チラつかせて脅かすのはどうなの?
言ってることとやってることがちぐはぐで、自己顕示欲が強すぎるってのは小島の落ち度で事実だろ?好きなことやりすぎて勘当されただけなのに何を大げさな話にしてるのかと思ってるよ。
高波様、コメントありがとうございます。
同様に発言から教養の無さがにじみ出ていて残念に思います。
高波様は作品作り、ものづくりの経験が恐らく無いのでしょうが、0から1を生み出すためには必然的に「作家性」や「想い」を全面に出す必要があります。
世の中のクリエイターがどんな想いで作品作りに挑んでいるかは岡田斗司夫氏の『遺言』を読めば分かりますし、MGS4の特典BDビデオを観たことがあるならば間違っても「自己顕示欲」といった浅い見方には偏らないはずです。
文化構築の根本となる作家性に対する理解が浅いからこそ「エンターテイメント」としての目線しか持てず浮ついた見方しか出来ないのです。園子温作品でも1から見直して下さい。
また、「好きなこと」やり過ぎているのは明らかに現社長の早川氏でしょう。スマホ事業に注力し、コンシューマーゲームへの課金システムの追加を提案したのも同氏ですしMGSVのゲーム内通貨採用も典型的な例です。
まっとうな上場企業に勤めたことがあれば分かると思いますが重要なのはパワーバランスであり、副社長だった小島監督はクリエイティビティとブランド保持と為にコジプロの分社化を提案していた訳です。
『ゴエモン』『ときメモ』『幻想水滸伝』『悪魔城ドラキュラ』『グラディウス』『メタルギア』『ラブプラス』『桃鉄』…これだけのIPを潰されておきながら怒りを全く感じないのは貴方が作品を愛していないからです。
いつの日か貴方も人生に刻まれる作品に巡り会えることを願っています。
ありがとうございました。
都合のいい憶測ばかりあげつらってただコナミを叩きたいだけにしか見えませんね(小島監督関連は特に)
今現在徐々に復活しだしたシリーズを見て少しは冷静になれましたか?
何を持って「都合の良い」と捉えているのか謎です。
コナミ叩きなのはタイトル見ても明らかでしょう。
また、「徐々に復活」とか言ってる時点でゲーム文化に対する理解が無さ過ぎます。
未だに変わらずシリーズ全部死んでる状態ですよ。
最近のゲームをプレイした上で発言して下さい。
(-_-;)ひどいコメントばかりですね
それ以上にコナミはひどいですが、小島監督に関しては
実際にデスストランディングプレイして止め時が分からない面白さ
この中毒性は、まさにメタルギアと同じです。
同じクオリティのメタルギアはもう出ないでしょう。
いえ、メタルギアは死にました。同じく、グラディウス、パロディウス、他シリーズ
もう超えるクオリティでは出ないでしょう。私はスマホでゲームをやらないので
正直ソシャゲのKONAMIは知りません。しかし、ソシャゲですよね?
感動もワクワクも無い暇つぶしゲームには私は興味ありません。
昔、モバゲーで少し課金ゲームやっていたので
ソシャゲを知らないで、憶測で発言している訳ではありません。
ただでさえ、
ゲーム業界が沈んでいく時代(スマホにユーザーを奪われ、製作費高騰、本体価格高騰などで据え置き機プレーヤー人口が減っていく)
ゲームセンターが潰れていき、活気も減っていく
目先の利益追求で、超長期的にはユーザーを失っていき
ゲーム屋さんが自分で自分達の首を絞める行為だと思います。
ソシャゲを完全否定はしません。
ですが同じように色々な(特に優秀な)クリエイターも残していき
多様性を残していかないと…ってもう手遅れですが。
長くなりましたが、KONAMIはそれだけの事をやって
利益と引き換えにユーザーを突き放したのですから言われて当然でしょうね。