ジャンプ新連載クロスアカウント感想 『君の名は』風の童貞妄想漫画

少年ジャンプ29号から新連載が始まった『クロスアカウント』の感想。

どんな漫画?

本作は連載前からビジュアル例の大人気映画に似ていることが話題となっていた。内容はSNSをテーマにした新感覚ラブコメらしい。SNSを題材にしている辺り例の春アニメにも似ている。

今回は放送中の2017春アニメ『月がきれい』について紹介したい。 どんなアニメ? 『月がきれい』は feel. 制作のTVアニメ...

作者について

少年ジャンプ公式サイトより

作者は『TOKYO WONDER BOYS』『ゲスの恩返し』の伊達恒大

TOKYO WONDER BOYS』はギャグが致命的につまらない上にキャラ魅力が0だったため、10週で打ち切られた伝説のサッカー漫画。

『ゲスの恩返し』は画力が非常に高いものの露骨な童貞妄想展開が目立ったラブコメだった。女子の脅され方・助ける流れなど、今作の1話の内容はこれが近い。

1話の内容の問題点

ラブコメの肝は「キャラ魅力」と「非現実感」だと思う。しかし、本作はそのどちらも持ち合わせていない。

キャラ魅力

主人公は「オタク」の割にはオタク度は全く伝わってこないし、見た目も全く特徴がない。ヒロインの助け方にも個性が感じられず、唯一の特徴であるSNSの裏アカウントに呟いている内容は嫌な性格の悪さがにじみ出ている。

幼馴染の女子についてはよくいる巨乳のスポーツ女子というだけ。ツンデレ要素も現状弱い。

唯一期待できるのは「くそみそ男」こと皐月菜乃花ちゃんである。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の桐乃のようにオタク性が尖っていれば展開が大きく変わる。現状のキャラ配置では話が全く動かない。

非現実感

非現実感」については大きな問題だと思う。現状お話が「生々しすぎる」のである。犯罪行為を行った同級生3人はSNSで静粛された上で転校を余儀なくされている。そもそもセクシー展開でヒロインを傷つけるのは1番やってはいけない事。どう補填してもヒロインのファンが悲しい気持ちになる訳で、初っ端からこの展開する作者はどうかしてる。

ラブコメというジャンル

ジャンプのラブコメは激戦区である。過去に長期連載された作品では『いちご100%』『ToLOVEる-とらぶる-』『ニセコイ』といった人気作が並び、連載中作品も『ゆらぎ荘の幽奈さん』『ぼくたちは勉強ができない』がある。ジャンプでラブコメを連載するということはこれらの作品と比較されることを意味する。

本作は絵、キャラ魅力、主人公の格好良さ、お話のいずれも『ゆらぎ荘』に劣っている。本作だけが持つ魅力が無いのである。

今後の展開次第

爽やかなビジュアルと裏腹に不快度指数の高い童貞妄想漫画であり、1話を読んだ時点では期待できない内容だと感じた。今のキャラをどう動かしても、SNSというアイデア1つで面白くなる気がしない。画力はあり雰囲気も良さげなビジュアルだったので非常に残念。

SNSを題材にした漫画といえばマガジンでも『リアルアカウント』というデスゲーム系漫画が連載されている。路線は違うもののこのくらいぶっ飛んだアイデアでやって欲しいと思う。現状期待できないが今後の展開に期待したい。

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