ニンテンドースイッチ向けに配信されている『ヒューマン・リソース・マシーン』をクリアした感想。
どんなゲーム?
『ヒューマン・リソース・マシーン』はNintendo Switch, PC, スマホ向けに配信されているパズルゲーム。プログラミングをテーマとしており、プレイヤーは企業の社員として与えられた課題の達成を目指す。
開発はアメリカのインディースタジオ「Tomorrow Corporation」が手がけており、日本語はSwitch版のみ対応、スイッチ版は1,000円で販売されている。
※2018/3/2追記:PC版も日本語対応した模様
魅力
学習用途
本作はジャンルこそ「パズルゲーム」だが、プレイ感は限りなく「教材」に近い。少なくとも本作をクリアする頃には「論理的思考」は完全に身につき、バグがこの世から消えない理由とスパゲティコードの作り方を理解できるようになっている。
ゲームとしては「プログラミング」を題材としているが、ゲーム内では独自の「言語」を用いているためプログラミングを全く知らない人でも問題ない。また、難易度も最初は簡単な命令から始まり、徐々にレベルアップしていくため初心者も安心して楽しめる。最初は簡単なループ処理、分岐処理に始まり最終的には素因数分解までレベルが上がる。クリアまでは現役SEでも苦労し、小学生で最後までクリアできたなら神童レベル。
一般人にとって身近ではない「プログラミング」を視覚的に分かりやすく、誰でも楽しめる「ゲーム」に落とし込んだことに本作の価値がある。そのまま小学校のプログラミング教材に使える素晴らしいゲームだと思う。
プログラミングの楽しさ
本作の魅力はプログラミングを学べることだけではない。プレイするだけでプログラミングの「楽しさ・魅力」も実感できる作りとなっている。最初こそ「言われた通り」に命令を配置するだけなのだが、後半になると「コメント」を活用して「可読性」を上げたり、プログラムの効率を考えるようになってくる。四苦八苦して書き上げたコードが狙い通りに実行された時には大きな達成感を感じられる。
この「プログラミング」行為としてのサイクル・目標設定が非常にうまい。組んでいる途中で1行ずつデバッグして動きを確かめられるし、完成後はステップ数やプログラム効率が評価される。本作に用意されている機能や目的、一連の流れは「プログラミング」そのものであり、プレイするだけで「プログラマ」の仕事を疑似体験できる。
感想
情報系学科出身でSEとして働いていた筆者でも苦労し、最終問題は効率性無視のゴリ押し、超難解なコードを書き上げてクリアした。本作を詰まることなく進められる人は基礎が良くできていると思う。高級言語に慣れて頼り切ってしまうと難しい部分があるので、現役SEでプログラミングに苦手意識がある方にもぜひオススメしたい。
価格が1,000円と安くフライハイワークスによる日本語も丁寧だった。購入する場合はスイッチ版が良いと思う。注意点としては携帯モードでのタッチ操作が基本となる点。TVモード、Joy-Conにも一応対応しているが操作性が悪い。携帯モード前提でのプレイとなる点だけ注意して購入してほしい。