スクウェア・エニックスの新作アワパーティーシューター『FOAMSTARS』のオープンβテスト「FOAMSTARS OPEN BETA PARTY」をプレイした感想。コツもある程度掴めたので簡単な攻略法もまとめてみる。
目次
どんなゲーム?
『FOAMSTARS』は4人vs4人で戦う新感覚アワパーティシューター。プレイヤーはアワを撃って攻撃したり足場や壁を作って敵を「フォームドアップ」させてスライドボードで「チル」することが可能。個性豊かな「フォームスター」のスキルを駆使してチームの勝利を目指そう。
魅力
筆者はオープンβテスト開始の10時に即DLしてレベル8までプレイ。勝率も体感で7,8割は超えるほどには特徴を捉えられたと思うので本作の魅力を紹介してみたい。なおフォームスターは「グレート・ジェッター」を使用している。
「スター」が生まれるゲーム性
本作が発表された時『スプラトゥーン』と同じ…と10人中10人が思ったはず。確かに「塗り」の概念や一部スーパースタースキルは完全に一致しているのだが、プレイしてみると全く異なるゲームだと気付く。具体的には
- キャラクターごとに武器・スキルは固定
- 泡が盛り上がることで足場となり高低差が発生
- チル(キル)仕様
- 最終目標「スタープレイヤー」の存在
等の違いによりプレイヤーの中に「スター」が生まれやすいゲームとなっている。一つずつ解説していこう。
キャラクター
まず『スプラトゥーン』ではブキ種やギア構成は異なるものの基本となる見た目は同じ、選んだブキごとのサブとスペシャルも組み合わせでしか無い。対する本作ではプレイヤーは「フォームスター」と呼ばれるキャラクターを選ぶ仕様となっており、チーム内で同キャラは選べない。武器・スキル性能、機動力の差も大きく必然的にキャラクターに対応した立ち回りが求められる辺り体感としては『オーバーウォッチ』に似ている。
アワによる建築
また、ステージに関しても敵味方の攻撃でアワが盛り上がり地形が目まぐるしく変化する。アワは敵の攻撃を逃れる壁として使えたり、足場として高い位置に移動して一気に攻撃に転じるのにも活用可能。これは『フォートナイト』の建築システムのようなイメージで防御にも攻撃にも有効。
キル仕様
キル仕様も独特でまずは相手の体力を0にして泡だるま状態にする「フォームドアップ」を行う。この状態だと敵は逃げることも可能なので『スプラトゥーン』で言うイカ状態での体当たり「スライドキック」を行うことで「チル」出来るのだが、逆に「フォームドアップ」された味方に対して「スライドキック」を行うと助けることが可能。サーモンランのような救助イメージをして頂くと分かりやすい。
この仕様により後方で打ち続けるラクトマルチミサイル的な戦法ではチルできないため前線に行く必然性がもたらされている。また、前線でやられた味方を助けに行くのか見捨てるかのバトルロイヤルのような駆け引きも生まれているのも面白く、チーム全員がまとまるメリットや単独行動によりチルされるデメリットが大きすぎるので味方位置を常に意識して息を合わせる必要がある。
スタープレイヤー
本作の恐らくメインであるルール「SMASH THE STAR」では相手チームのプレイヤーを合計で7回倒すと相手チーム内で最も活躍していたプレイヤーが「スタープレイヤー」に選出される。このプレイヤーをチルすれば勝利となる。
このルールがとにかく面白いしバランスが良い。チル数では圧倒的に負けていても「スタープレイヤー」さえ死ななければ負けないので、野良マッチで「味方1人が下手」で勝利は絶望的みたいなケースも減り、全プレイヤーが「スタープレイヤー」を意識して立ち回るのが将棋のようで楽しい。自身がスタープレイヤーとなり注目が集まる高揚感はこのゲームでしか味わえない最大の魅力。
立ち回り>>>エイム
昨今のTPSは敷居が高い人でも安心で本作にエイム力は不要。キャラクターによっては自動で相手をロックオンしてくれるし、システムとしてジャイロ操作も用意されているがそんなもの使わないでも余裕で当たる。オーバーフロッシャーの3倍以上はデカい玉が画面を埋め尽くすし弾速は撃たれてから避けれるほど遅い。
そんなことよりも敵味方がどのラインで戦っているかを常に意識し、泡を積んで上から撃ったり回り込んで横から撃ったほうが早い。敵2人を引き付けて逃げ回るのも数的優位を作れて良いだろう。必要なのは攻めと引きのタイミングの見極めであり、それが出来ればフォームドアップ後のチル・ヘルプに繋がってくる。このゲームスピードの遅さ・立ち回りの重要性は『スプラトゥーン』のゲームスピード・エイムが苦手なカジュアル層にとって大きな魅力だと言えよう。
バブリーなグラフィック
本作は現時点ではPS5, PS4向け(オープンβテストはPS5のみ)に発売予定となっており、グラフィッククオリティは高め。「パーティ」をテーマにしたロビーやステージは綺羅びやかでバブリー。ネオンサインもサイバーパンクな雰囲気も感じられる。素材としての「泡」感の薄さやBGMが空気な辺りは製品版で改善して欲しいが方向性はとても魅力的。
簡単な攻略法
オープンβテスト時点での勝率が高めだった攻略法としてはとにかく「前線を意識」すること。本作はマップ等は無い代わりに常に全プレイヤーの影が泡を貫通して見えるようになっている。また、攻撃のアワも弾速が遅くて目立つためカメラで見回すだけで今どこで戦闘が発生しており、何対何で戦っているかの状況を掴むことが出来る。戦闘が行われている前線にしっかりと合流することを意識して基本的には単独行動はしない。一人でいると狙われやすくなりフォームドアップ後の生存率も低くなるしチルも狙いにくい。右翼左翼を塗るにしても合流が可能な範囲に留めて特にスタープレイヤー登場後は常に位置を把握すること。また、自身がスタープレイヤーになった場合は当然だが前線には出ずに後方で味方のサポートに徹する。味方が居ないピンチのときは塗りつつ逃げよう。自キャラの理解も重要なので得意な距離、立ち回りなどを身につけること。
気になったところ
飽くまで今のところオープンβテストなので製品版では改善される部分も多いと思うが気になった点を述べていく。
マッチング
これはβテストあるあるだがマッチングは失敗することが多かった。筆者環境では「プレイヤーが見つかる」のは早いのだがその後にキャラクター選択画面まで中々推移せずに失敗するケースが多く、これがなかなかストレス。そしてマッチング後に「ゲームが始まる」までも長い。理想としては「キャラクター選択」画面遷移直前までロビーで操作をさせて欲しいところ。というか後述するUI含め細かい部分で挙動がもっさりしてるので演出は極力削ってほしい。マッチ開始前、終了後の画面遷移は下記の通り。
開始前
- マッチング完了(以降操作不可)
- ロード
- キャラクター選択
- ロード
- SMASH THE STAR(ルール表示)
- 自チーム一覧
- 相手チーム一覧
- VS(ルール・両チーム情報再表示)
- 暗転
- READY(ゲーム開始)
終了後
- PARTY IS OVER
- VICTORY!!
- ロゴ(ロード)
- カメラ移動
- WINNER
- ステージ全体の塗り様子
- MVP
- PLAYER AWARD
- ロード画面
- XP取得
- リワード獲得
これを毎日毎回何千回と繰り返すのは気になる。開始前で言えば自キャラの希望は事前登録しておいてマッチング時点で被ってなければ即試合に移行できるのが理想なのだが……そもそもキャラ選択画面で他プレイヤーが選ぼうとしているキャラが分からないので譲り合いも発生しないしエモートも時間的にも内容的にも限定的なのでフォートナイトの待合のようなパーティ感が無いのも一因だとは思う。自チームと相手チーム情報・ルールを出すスピード感も半分以下に減らして良いし暗転も無くして欲しい。
終了後も全体的に高速化したり不要なものを削る等、プレイヤーの操作不可な時間を可能な限り削ってほしいところ。
UI周り
UI周りに関しても上と同様で試合終了後にサクサク遷移できないのが地味なストレス。鳥の3Dモデルとか喋ったりは要らないので「続けてマッチングしますか?」を用意して欲しい。今のゲームプレイヤーは時間にかなりシビアなのでこの辺の調整は本当に大事だと思う。
また、試合中の自キャラの体力・インク残量表示が目立たないし位置が移動してしまうのも無難に下にバー表示させたほうが良い気がする。回復時間の目安が分からない点もわかりやすくして欲しい。他にも初心者プレイヤーはチルやヘルプをしてくれないことが多かったので近くのプレイヤーのCHANCE,HELPも目立たせたり、方向キーのコミュニケーションが目立ってくれると有り難い。オープンβテスト時点ではゲーム中に方向キーを使ってくれる人はほぼ見なかった。
ゲームルール
オープンβテストにおいては2つのバトルルール「SMASH THE STAR」と「HAPPY BATH SURVIVAL」が用意されていたが圧倒的に「SMASH THE STAR」のほうが人気だったように思う。本編では5つ以上には増えそうな雰囲気があったが人気のルールにだけプレイヤーが集中し、オープンβテストのようにタスク形式で別ルールのプレイを促す形だとプレイヤー数によるマッチング時間や「やらされ感」が辛かったりするので『スプラトゥーン』のラジオ的な措置を用意して欲しいところ。
細かな点
ゲーム中の操作性は概ね良好なのだがリロードだけは気になる。ゲーム的には隙が生まれるタイミング(相手にとっての攻撃チャンス)なので仕方ないのだが操作する側には嫌な時間でストレスが大きい。他にもBGMもビジュアルほど尖って無いのが残念で印象に残らない。試合中に敵を倒したときの声も同様でエフェクト含めド派手に褒めて欲しい。
感想
発表時は不安は大きかったがプレイしてみると今後に非常に期待できるゲーム内容だった。現時点でも十分良ゲー以上なので無難にブラッシュアップを続ければ素晴らしい作品になると思う。実際今回のオープンベータの感想を一通り調べたが概ね好評な様子なので課題は知名度や価格のみ。一度遊びさえすれば魅力は必ず伝わるはず。
その上で一番気になるのが価格。プレイヤー数を考えると基本プレイ無料が理想だがスキンや月額パスの課金だけで成り立つのかは微妙だし、スクエニとして早々に見切りをつけてサービス終了してしまうのが最悪のパターン。IPとしてはしっかり守って成長させて欲しいことを考えると筆者としては3,000円未満だと嬉しいなといったところ。フルプライスだと周りが買わなそうな点も含めて一気に勧めづらくなってしまう。
いずれにしても今後に非常に期待できるタイトルなので筆者としても今後も同様のテストがあれば是非参加して記事を書いて紹介し『フォームスターズ』を盛り上げていきたい。
権利表記:
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