シュタインズゲートゼロ 感想【凶真・紅莉栖の魅力が失われた物語】

5月にフリープレイで来ていた『STEINS;GATE 0』を16時間半でプラチナ取得までクリアしたのでレビュー。

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どんなゲーム?

STEINS;GATE 0』は空想科学ADVシリーズの名作STEINS;GATE』の正統続編と銘打たれた作品。

1作目でタイムトラベルした岡部が紅莉栖を救うことに失敗したその後のβ世界線を描いた物語となっている。

同じくβ世界線が描かれたドラマCD『無限遠点のアークライト』、スピンオフ小説『閉時曲線のエピグラフ』『永劫回帰のパンドラ』『無限遠点のアルタイル』も本作に内包されており、小説に登場する新キャラクター「比屋定真帆」も登場する作品である。

感想

内容が重すぎる

クリアした感想だが内容が重すぎるβ世界線を描いた話だから覚悟はしていたものの「第3次世界大戦」「岡部のトラウマ」「新型脳炎」「政府の陰謀」戦争孤児である「椎名かがりの存在」など暗雲に包まれた要素だけで物語は構成されている。

そもそもβ世界線自体が真っ黒な世界なので仕方が無いとは言え読んでいて楽しくない。唯一救いがあったシーンは比屋定真帆、桐生萌郁、フェイリスの女子会シーンくらいだと思う。

読後感としてもモヤモヤが残る。「FF7」の前日譚にあたるザックスの物語を描いた「CCFF7」は結末が分かっていても感動できる名作に仕上がっていた。本作も同様に感動的な結末を描くことは出来なかったのだろうか。

紅莉栖、鳳凰院凶真の不在

魅力的な物語は魅力的なキャラから生まれる。本作では前作を魅力的な作品にした重要キャラ「鳳凰院凶真」「牧瀬紅莉栖」が不在である。それだけで「シュタゲ」としての魅力はほぼ失われている。岡部はトラウマ背負ったまま中途半端な大学生活送る根暗になっているし、Amadeusの紅莉栖もAIなので無機質な受け答えしかしない。ダル、まゆしぃ、フェイリスも凶真が居ないので掛け合いが発生しない。描かれるキャラ魅力は前作の10分の1にも満たないと思う。

新キャラである「比屋定真帆」は合法ロリ属性があるだけの劣化版紅莉栖であり、「椎名かがり」は戦争孤児、洗脳、記憶喪失といったシリーズ史上最も救いのないキャラとなっている。かがりの扱いはさすがに可哀想過ぎるのでは。

ファンディスクの域を超えない

肝心の内容についても正直ファンディスクの域を超えていない。構成としてスピンオフを寄せ集めた部分も目立つし、前作のような驚き・想像を裏切られる何かが無いのである。「まあそうだろうな」程度のネタしか無い。SFとしても人工知能に関して弱い。

正統続編を名乗るには弱すぎる。本筋に絡む部分があるにせよ本作は『STEINS;GATE』の補完しかしていない。シュタゲに新たな価値を付与できていない。

次回作に期待

新要素を追加した『STEINS;GATE ELITE』の発表が既にされているほか『STEINS;GATE 0』のアニメ化も発表されている。

まだまだ『STEINS;GATE』ブランドでの展開は続くと思う。真の意味での正統続編が出ることにこれから期待したい。

ゲーム:STEINS;GATE 0
ゲームジャンル ノベルゲーム
対応機種 PS4
PS3
PS Vita
Xbox One
PC
発売日 2015年12月10日
開発元 Nitroplus
5pb.
販売元 MAGES.
キャラクターデザイン huke
音楽 阿保剛
エグゼクティブプロデューサー 志倉千代丸

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コメント

  1. 匿名 より:

    物語が甘いという意見には同意するが、グッドエンドに繋がるバッドエンドてのはプレイ前から分かってたはず。遊園地にあるお化け屋敷に入って、遊園地なのになんでこんな怖いものを置くんだ!とキレてるのと同じレベル。

    しかも、鳳凰院凶真と牧瀬紅莉栖が居ないからシュタゲではないというのは、無茶苦茶。あの作品は、牧瀬紅莉栖を助けられなかった世界とはっきりと書いてあるし、あのゲームはトゥルーエンド以外はトゥルーエンドの為の踏み台としかなっていないので、トゥルーエンドを見ればあのゲームは椎名まゆりという主人公が岡部倫太郎(プレイヤー)の再起させるための物語と解釈できそうなものだが。
    また、
    >>前作のような驚き・想像を裏切られる何かが無いのである。
    これが感じられないのは、無印のシュタゲにはお手本となる作品が存在したからだと思う。千代丸が本当に才能があり、原作を務められるなら、シュタゲ以外の5pb作品も売れてるだろう。

    • タコッケー タコッケー より:

      コメントありがとうございます。
      CCFF7の例を挙げている通り、結末よりも「見せ方」の問題だと思います。
      物語上の必要性は理解してますが「グッドエンドに繋がる」の部分が単純な原作依存となっており、一つの作品として見た時に後味が悪い。
      お化け屋敷の例で言えば薄暗い道を散々歩かされた挙げ句、肝心のお化け(カタルシス)は本編(別アトラクション)で!な状況。

      そもそもの作品論として魅力を形作るのは「キャラクター」です。
      仰っている世界線、脚本構成上の理由は理解できますが「シュタゲ」らしさは鳳凰院凶真・牧瀬紅莉栖ありきな訳で、飽くまで本作を単体作品として評価した感想を述べているに過ぎません。
      お手本となる作品は『バタフライ・エフェクト』の話ですかね。
      「驚き・想像を裏切られる何か」はそういった作品の根本を成すアイデアではなく「CERN」「ジョン・タイター」「第三次世界大戦」といった作品を形作る上でのネタを指しています。
      ゼロは原作周りの補完に留まった印象が強く新規ネタが少なすぎたと思います。
      ありがとうございました。