少年ジャンプ26号読み切り『アリスと太陽』画力はあるのに勿体無いテンプレ漫画

週刊少年ジャンプ26号読み切り『アリスと太陽』の感想。Twitterでは好評みたいなので天邪鬼なレビューを載せておく。

進研ゼミのようなテンプレ感

ジャンルとしては「音楽×ボーイ・ミーツ・ガール」なんだろうけどジャンプデビューで編集の言いなりになったのか無個性過ぎる内容。陰キャな主人公が一人で音楽作ってて、偶然可愛い女の子に見つかって才能発覚、一緒に曲作りして周りに認められる。この説明だけで片付くお話。最後の流れは完全に進研ゼミ。

尖らせたはずの女子は最初にパンツ見せつつ蹴り入れただけで至って普通の女子。というかアフロ野郎の見た目以外は登場人物全員普通の学生。「オモチャストーリー」書いてた凸ノの面影はどこへやら。

キャラが薄い

青春感出すために現実的な漫画にしてる弊害としてキャラが弱い。最近のジャンプだと『背筋をピン!と』が等身大高校生漫画だったけどこの作品はキャラ絵が立っていた。連載目指すなら現状のキャラだと魅力が足りない。バンド仲間として濃いキャラ出すなり主人公・ヒロインの個性もっと尖らせるなりが必要。

音楽という画面映えしない題材

画面映えしないのも大きな課題。音楽という題材を扱う以上、漫画じゃ伝わりづらいわけで。食戟のソーマが味の「感動」を「エロ」で表すという離れ業をやった以上、音楽の感動を言葉以外で表す必要がある。音楽聞いたときの表情は良く描けてるんだけどこれは読み切りだから成立する手法。連載時に音楽の出来栄えを表現する手法が無い。

ジャンプだと昔『SOUL CATCHER(S)』という音楽漫画もあったが事実上能力バトル漫画だったので音楽路線自体きついとは思う。

連載したら何するねん

Twitterでも好評だしアンケートも同様なら連載になる可能性もある本作。この手の作品は読み切りで1話読む分にはスッキリ読めて良いと思う。だが連載したら何をするのか。

現状の題材でいくなら音楽作りの過程もうちょい見せたり、トラウマ掘り下げたり、音楽仲間集めたり、部活作ったり、音楽性の違いで揉めたり…。ぱっと見面白そうだけど現状のキャラでこれやっても確実に盛り上がらない。

パンツ至上主義の作者に好きに描かせて欲しい

作者コメントでジャンプでぱんつを描くのがだったって言うならもっと「ぱんつ」を描いて良いと思う。というか中途半端にパンツ出しても現状の青春路線と相性が悪すぎる。Twitterの過去漫画見ても、今作の水着カット、パンツ、胸元露出、無意味な更衣室シーン等見ても作者の変態性は明らかなんだからエロ方向に吹っ切れた方がギャグも生きてくるのでは?いっそのこと主人公をムッツリスケベの変態にしても良い気がする。

ヒロインに関しては暴力性をもっと出した方が動かしやすそう。ツンデレ感も高まって泣き顔が生きてくる。

画力は高くて読みやすかったので今後もっと作家性の高い内容になって連載してくれることを期待したい。

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