【炎上】「鋼の錬金術師」感想︰クソ実写映画の集大成な3つの理由

12月1日から公開となった実写版「鋼の錬金術師」の感想。SNS上での反応や原作との差異を本記事にまとめる。

途中ネタバレ注意。

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どんな作品?

『鋼の錬金術師』は荒川弘原作の漫画。全27巻の累計発行部数は7,000万部を記録し、国内外にも多数のファンが居る超人気コミックである。

「等価交換」の概念や「死生観」、魅力的な「キャラクター」達が織りなす重厚な「ストーリー」等が高く評価され、アニメ化、アニメ映画化、ゲーム化、ノベライズ等が行われている。今回の実写映画は連載開始から実に16年を経ての公開。

監督について

本作の実写化にあたりメガホンを取ったのは実写版『ピンポン』「ICHI」実写版「あしたのジョー」で知られる凡才「曽利文彦」である。

『ピンポン』では松本大洋による最高の原作、クドカンによる脚本、窪塚洋介、中村獅童、竹中直人らの演技力、SUPERCARの名曲、唯一の持ち味のCG・VFXなどが奇跡的に組み合わさり第26回日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞を受賞。その後は「ICHI」「あしたのジョー」の監督や3DCGアニメをプロデュースしたり、ドラマのCGを担当したりしている。要するに基本的に曽利文彦はCG屋さんで稀に監督もしている人。

試写会は阿鼻叫喚

そんな実写版「鋼の錬金術師」だが、事前に行われた試写会ではファンの阿鼻叫喚が渦巻いていた。試写会後の監督発言でも「海外ではブーイングも起こりますが、褒めて下さい」と拍手を要求していた模様。

ステマ疑惑

そんな実写版「鋼の錬金術師」だが公開前にも関わらずYahoo!映画での評価が急上昇。内容もおかしな日本語が多く、ステマ疑惑がかけられている。

感想

公開初日、朝8時30分の1回目の上映で見てきた感想を述べる。

「人生過去最低の映画だった」

原作未読なら許せる部分も多いのだろうが、連載当時から何度も読み直している原作ファンにとって今回の実写化は喧嘩を売られているとしか思えない。「実写化のダメな部分の詰め合わせ」のような作品となっている。一つずつ解説してみる。

原作改変

原作ファンの逆鱗に触れるのは「意味のない」原作改変である。個人的には実写化・アニメ化に際し必ずしも原作に忠実に作る必要は無いと思う。しかし、改変は納得できる・バランス・理由が重要となる。本作の原作との差異は下記の通り。

ネタバレを回避したい場合は読み飛ばすこと

  • 開始1分で等価交換の法則無視
  • 変性反応演出なし
  • 錬成痕の概念なし
  • 教祖が逃げるシーンからスタート
  • 躊躇なく街を破壊するエド
  • 「石獣」とかいう意味不明な錬成物
  • オートメイル → 義手・義足呼ばわり
  • ちぎれた服を錬成で直す(等価交換無視)
  • 教主が街中で街人を人質に(ここでペテン師とバレる)
  • 賢者の石(ハンパもの)が殴ったタイミングで取れる
  • リオールにマスタング大佐(&ホークアイ中尉)が登場
  • → 賢者の石を燃やす
  • ウィンリィというか本田翼もリオールで登場
  • 人体錬成に必要な「パワー」とかいうボキャ貧ワードを使う大佐
  • 大佐とエドが終始喧嘩状態
  • ハクロ将軍(小日向文世)とかいう同名の別キャラ
  • ハクロ将軍がタッカーを紹介(意味不明)
  • ヒューズ家にエド・アルも泊まる
  • ヒューズの奥さんは妊娠設定に変更
  • 唐突な真理の扉回想シーン(夢オチ)
  • 人体錬成の母親は見た目ゾンビ
  • タッカー家に付いてくる本田翼
  • マスタングとヒューイが日本の公園で歩く謎シーン
  • タッカーがドクターマルコーを紹介(意味不明2)
  • マルコー家にも付いてくる本田翼
  • アルフォンスを催眠療法するタッカー
  • 真理の扉を知っているマルコー
  • マルコー・エド・本田翼の3人の前に普通に登場するラスト
  • マルコー死亡
  • 賢者の石の錬成陣情報は普通に紙で手渡し
  • 賢者の石について調べるのはエド一人だけ
  • ヒューズ中佐の執拗な「友達だよな?」発言
  • ブラッドレイ不在
  • 第5研究所でのエドVSアル
  • を見守る本田翼(青春編)
  • タッカー以上の回数(10発以上)アルを殴るエド
  • エドが「常に」自分を攻めてることになっている(「恨んでいるんじゃないか?」はオートメイル治療(幼少時)の話)
  • 外部から電話をかけた際の声が自動音声(→ 音声認識が無い時代&軍がやべえ、の部分が伝わらない)
  • ヒューズ以降は全て改変なので省略…

正直原作と共通部分を幾つか挙げて後はすべて「オリジナル」で済ましたほうが早いレベル。特に改変が目立っているのは「タッカー」「ハクロ将軍」関連の部分。完全に話をまとめるためのコマ扱いされている。この脚本力・構成力の無さが曽利文彦の限界だと思う。

また「賢者の石」「真理の扉」も言葉を多用し過ぎで概念を全く理解できていない。「石」に関して精通しているのはマルコーだけで、師匠を出さない時点で「真理の扉」の下りは諦めるべき。何よりヒューズ以降、ラスト復讐完結までやるのは無理があり過ぎる。

本作は「原作改変」という域を遥かに超えており、原作の美味しい部分は頂きつつ組み立ててみました感が丸出しとなっている。原作ファンとしては原作を食い物にされている気がして非常に腹立たしい。美味しい部分もちゃんと描くならまだしも「チープな人間ドラマ」に落とし込む最低な改悪。エドにアル殴らせて「これが青春!仲直り」な流れは見ていて寒気がする。

CG技術の多様

結論から述べると曽利文彦は「映画」を作りたいのではなく「CG」を使いたいだけである。だから人体錬成シーンは無意味に台風的なグルグル演出入れるし、人形兵を出したのも「こんなの出来ますよ」とアピールでしかない。そもそも原作の人形兵は『バタリアン』的な勢いで走り、飛び、噛み付いてくる。そこまでCGで動かすのは手間だったのだろうが、やるならとことん頑張って欲しい。「原作の再現 < 自分の表現」なのだろう。

マスタング大佐の炎についても異議がある。シーン毎に大佐の炎の演出が明らかに変わっており、後半のシーンでは大佐の指から火炎放射器のような勢いで炎が吹き出していて笑える。原作を本当に読んでいるのなら大佐は「酸素濃度の調整」→「発火布のこすり合わせ」→「火花が発生」→「引火・爆発」という流れは分かると思うのだが何故、火炎放射指にしてしまったのだろうか。

というか来場者特典の「0巻」のインタビューで

曽利「日本映画史のなかでハリウッドに追いついたのはアルからだ、と言われるのは間違いないんじゃないかな。」

とか言っているが思い上がりも甚だしい。CGに時間と金を掛けすぎて美術全てがチープになっている。賢者の石もどう見てもプラスチックにしか見えない。映像全体に魂を捧げる「映画監督」と「CG屋さん」の圧倒的な意識の差が表れている。

キャスティング

ネットではジャニーズ起用が叩かれることも多いが本作での山田涼介は頑張っている方だと思う。むしろ問題はウィンリィ役の本田翼。劇中の言動や挙動全てが「本田翼」を見事に演じきっている。勘弁してくれ。小日向文世はどう見てもヨキにすれば良いのに「ハクロ将軍」はおかしい。マスタング大佐役のディーン・フジオカは演技力の低さで有名だが、今作の大佐は原作とは性格が異なる別人と考えれば悪くない。ホークアイ中尉役の「蓮佛美沙子」はキャラと全く合っておらず、表情も銃の構えも酷くて完全に別人状態。逆に良かったのは前述のエドとショウ・タッカー役の大泉洋、あとはドクター・マルコ役の國村隼はマルコーには見えなかったが相変わらず良い演技。

演技自体は前評判ほどには酷くないレベル(本田翼を除く)。パっと見は視聴に耐えうるレベルにはなっているが、昨今のジャンプ原作のハイレベルな実写化と比較すると残念過ぎるキャスティングなことは間違いない。

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SNSの感想

Twitter上での感想は下記の通り。

監督の力量不足

本作失敗の要因は単純に監督の力量不足だと思う。明らかに曽利文彦は映画監督の器ではない。会話シーン一つをとってもセンスが無いし、1カット1カットにがこもっていない。CGシーンだけ自身が納得出来るものを作っているため、チープな美術がより目立ち作品全体に悪影響を与えている。

脚本力も正直どうしようもない。あの素晴らしい原作をどうやったらここまで悪く調理できるのかと疑うレベル。改変で良い方向に転んだものは無いし、初見には何のことか分からず、ファンには失礼過ぎる内容となっている。この作品は誰に向けて作った映画なのだろうか。改悪だらけなので「ファン向け」では明らかに無い。派手なCG映像で興味を持ってもらって原作に誘導したいのだろうか。メディアミックスは全てがクオリティが高くないと共倒れしたり「黒歴史」扱いになってしまう。

ジャンプ作品の実写化で『ジョジョの奇妙な冒険』や『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』がヒットしているのは、監督の三池崇史、福田雄一が実力のある映画監督だからである。実写製作においても集英社としての「原作ファン」を大事にする姿勢が汲み取れる。スクエニにとって最高級の題材だった『鋼の錬金術師』をここまでチープに仕上げてしまったのは非常に勿体無い。こんなことなら素直に海外に版権を渡しておいたほうが良かったと思う。ついでに言わせてもらうと実写の劇場版に「0巻」を付けるのは最低の所業なので(続編をやるとしても)今後一切やらないで欲しい。

以上、思ったことを一通りまとめてみた。正直原作ファンは「0巻」だけ貰って見ない方が幸せになれると思う。またはネタとして割り切って見に行き「改変」部分について見た後に話すのも良いかもしれない。ただ、朝1の上映では50人ほど入っていたが途中で3人ほど耐えきれなくなったのか途中退出していた。それほど本作は原作の思い出を汚される危険性が非常に高い。是非上記の情報を参考に観に行くかを決めて欲しい。


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コメント

  1. 名無し より:

    蓮佛美沙子のおっぱいに注目して見て下さい
    きっと、少し評価が上がると思いますよ!

    しかし、無理やり出番を作ったかの様にどこまでもついてくる本田翼はいらなかった

  2. 匿名 より:

    三池と福田が実力のある映画監督ってギャグですよね?