『鋼の錬金術師』0巻感想:買うなら映画の日がお勧め

本日から上映が開始された実写版「鋼の錬金術師」。その来場者特典第1弾「鋼の錬金術師 0」を読んだ感想。

なお映画感想は下記を参照

12月1日から公開となった実写版「鋼の錬金術師」の感想。SNS上での反応や原作との差異を本記事にまとめる。 途中ネタバレ注意。...

どんな内容?

原作『鋼の錬金術師』については映画感想記事を参照。来場者特典として貰える0巻では「エドが国家錬金術師になった直後」のストーリーと「ショウ・タッカーの2年前」の2つのエピソードが含まれている。原作読者に分かりやすく説明すると「エドが大相当に槍を突きつけて国家錬金術師試験に合格し、”鋼”の二つ名を貰った後」と「タッカーが2年前の事件を起こす前日談」が描かれる。

また、冊子後半には原作者「荒川弘」×実写版で監督を努めた「曽利文彦」のスペシャル対談、折り返しには恒例の作者コメント、末尾には4コマ等ファンアイテムとしても嬉しい内容となっている。表紙も今回のための描き下ろし。

ちなみに「鋼の錬金術師 0巻」は下記の種類が存在する。

  • 6巻 限定版特典「焔の錬金術師」
  • 12巻 限定版特典「4コマ錬成編」
  • 14巻 限定版特典「ラフ画集」

ちなみにいずれも『鋼の錬金術師 CHRONICLE』に載っているので単に読みたいだけならクロニクルだけ買えばOK。

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行くなら映画の日

特典狙いで行くなら絶対に「映画の日」をお勧めしたい。感想記事でも述べた通り原作ファンは0巻だけ貰って映画は見ないのが一番良い。場合によっては心的外傷を負う可能性さえある。冊子だけ貰って帰るとなると1,000円なら許せるが1,800円は割高に感じてしまう。是非とも安い日を狙いたいところ。

ちなみに部数は数量限定で12月23日からは第2弾入場特典の「ポスターカレンダー」になってしまう。貰い忘れに注意しよう。

感想

ネタバレ注意

読んだ感想としてはボリュームは少なめ(漫画は16P)だが、久しぶりに4コマじゃない『鋼の錬金術師』を読めたのが嬉しい。内容はグラン准将タッカーの奥さんが出てきて、本編の補足となるものだった。裏ではこんな事がーと妄想する幅が広がる。どちらのエピソードも今回の映画本編に繋がる部分なので荒川弘先生の題材選びは見事の一言。

後半の対談は正直当たり障りのない無難な対談という感じ。荒川先生の「わちゃわちゃ感想を言い合ったりして楽しんでもらえていればいいなあ。」は本編よりも「どうしてこうなった」を話し合って楽しんで欲しいというメッセージを感じた。

曽利の話はかなり薄っぺらい。初っ端で「タイトルだけで匂いを感じる」とか言ってるのも酷いが「台本に無いシーンを勝手に追加した」と堂々言ってるあたり原作ファン層と感覚が違いすぎる。「疑問が生じたら原作を読んで解消してね」と丸投げしてるのも責任感の無さが良く分かる発言。

ちなみに「黒澤明」に対する2人の感覚の違いも注目ポイント。荒川先生が「理想通りに映画を撮った巨匠」として名前を挙げているのに対し(荒川先生の映画好きが良く分かる解説も含む)曽利は「もし黒澤監督の時代にCGがあったら多用している」とかいう完全にトンチンカンな話を繰り広げている。会話を自分の土壌に持っていきたいのだろうが、どう考えても黒澤監督ならC.ノーランの方向でリアルで迫力のある映像を追求する。曽利は役者・映像への想い、映画への愛すら無いことが良く分かる部分。「真理の扉=モノリス」の会話も謎。

わずかに載っている映画の絵コンテも情報量が少なく動きがわかりづらいため、ぶっつけ本番にかなり頼っていた感は見て取れる。事実、石獣も後から大きくなったとか言ってて計画性の無さも露呈している。対談では荒川先生が多くの映画作品を挙げているのに対して曽利は全く返せていない。要するに観たことが無いのである。対談内でも上手いこと演技の話にすり替えたり、差し障りのない受け答えをしていて悲しくなる。『未知との遭遇』や『2001年宇宙の旅』とかそっち系なのは分かるが、監督としては幅を広げてもらいたいところ。

対談時点で「続きも撮りたい」とか言っちゃっている辺りはどうしようもない。個人的にはお前だけはもう勘弁してくれ。0巻は短いが良いものだった。続編を作ったとしても同じ0巻(その後)商法、監督は変わることを祈りたい。

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コメント

  1. 山田与作 より:

    北九州市漫画ミュージアムに「鋼の錬金術師0巻」を寄贈しました。すごいだろう?。

    • タコッケー より:

      山田与作様、コメントありがとうございます。
      北九州市に漫画ミュージアムなんてあるんですね。
      寄贈は良いことですね。映画を観てない方でも読めるようになるのは素晴らしいと思います。
      ありがとうございました。