ジャンプ新連載『フルドライブ』感想:卓球漫画が短命な理由

10月23日発売の週刊少年ジャンプ47号にて連載が開始された卓球漫画『フルドライブ』の感想。

どんな漫画?

『フルドライブ』は小野玄暉による新連載。主人公はドイツ帰りの少年「玉城弾」。幼いころから祖父との卓球に明け暮れていた主人公が卓球美少女「白石真凛」と出会い…的なあらすじとなっている。

作者の小野玄暉は2011年10月に『恋に咲けミコト』でJUMPトレジャー新人漫画賞の佳作を受賞。その後、本誌では2015年3月に「赤毛のアチョー!!」の読切を掲載。サンデーっぽい絵柄が話題となった。

魅力

画力

本作でまず注目したいのは新人離れした画力だろう。主人公・ヒロインの表情は生き生きしてるし、試合のシーンは躍動感が凄い。特に試合シーンの描き方は読みやすい画とは言えないが一気に読ませる勢いがある。

主人公は髪型やチビという特徴が『ハイキュー!!』の日向翔陽に似ている。目の威圧感なんかもそっくり。

ヒロインが可愛い

本作のヒロインである「白石真凛」も非常に魅力的。お嬢様風の見た目とのギャップが強い前陣速攻型のスタイル。試合で熱くなるのも良いし、卓球ユニフォームもエロ可愛い。性格や髪型は人気でありがちだが試合の豹変振りが良い要素になっている。

熱い展開

本作の主人公が日向と異なるのは非常にクールな点である。開始冒頭の煽りに対しても笑って済ましており、下手するとヘタレなのだが内面では卓球に対する熱い信念を持っている。初っ端で「主人公の魅力」を見せる掴みは完全に成功している。

ヒロイン兼現状のライバルである白石真凛についても同様で「日本女子の頂点」を自称する高いプライドを持っている。本作の見どころは選手同士のプライドの熱いぶつかり合いだと予想される。

スポンサーリンク

卓球漫画は短命

そんな掴みはバッチリな『フルドライブ』だが心配な点もある。それは「卓球漫画は短命」というジンクスである。過去にジャンプで連載された卓球漫画はいずれも

  • 地上最速青春卓球少年ぷーやん(13週打ち切り)
  • P2! -let’s Play Pingpong!- (全7巻)
  • 卓上のアゲハ(全3巻)

10/23 P2修正しました。匿名様コメントありがとうございます

という短い期間で打ち切られている。サッカー漫画に対しても同じことを言えるが少年ジャンプでスポーツ漫画が生き残るのは非常に厳しい。

本日発売の週刊少年ジャンプ28号でサッカー漫画『シューダン!』の連載が開始された。早速読んでみたので内容を紹介する。 作者は『背筋をピン!...

そして「卓球」となるとヒット作は更に限られ、有名なのは『ピンポン』や『稲中卓球部』くらいだろう。稲中はギャグ漫画なのでスポーツ漫画として成功したのは『ピンポン』だけである。

湯浅政明監督作品アニメ版『ピンポン』と原作の漫画版との比較をまとめてみる。 アニメ・原作話数 対応表 アニメ版 漫画版 ...

卓球漫画がヒットしづらい理由はその絵面の地味さにある。卓球という競技がそもそも中継にも向かない競技であり、競技の魅力・奥深さが伝わりづらい問題点がある。

また、ダブルスや団体戦はあるものの基本的には1対1。現在のヒット漫画の方程式である「群像劇」にしづらい問題点もある。漫画として描くのが非常に困難なジャンルなことは間違いない。

感想

しかし、本作は卓球漫画として非常に期待できる内容だった。最近の漫画ではあまり見られないクールな「熱さ」が非常に魅力的だと思う。しかし1話で一気に盛り上げすぎた感も同時に感じる。この盛り上がりをこのまま維持できるのか。黄金時代ライバルに魅力的なキャラをどれだけ出せるかが重要なポイントだろう。

また、作者の過去作を確認する限り日常や恋愛要素がどう描かれるのかも気になるポイント。非能力モノの地道(=地味)な漫画は連載が厳しい昨今、今後の展開をどうするのか期待して見守りたい。

スポンサーリンク
レクダングル(大)
レクダングル(大)

シェアする

フォローする



スポンサーリンク
レクダングル(大)

コメント

  1. 匿名 より:

    p2は7巻まで続いてますぞい

    • タコッケー より:

      匿名様コメントありがとうございます。
      完全に勘違いしていました。情報発信側としてお恥ずかしい限りです。
      ご指摘本当に助かります。今後ともよろしくお願い致します。