WJ読切「パートスリーズ」感想:セリフ多すぎ絵柄ミスマッチの凡作

WJ2018年2・3合併号に読切掲載された「パートスリーズ」の感想。

概要

「パートスリーズ」は<物語>シリーズで知られる西尾維新と『いちご100%』で知られる河下水希が異色タッグを組んだ読み切り作品。とある中学校を舞台に三つ編みの髪を狙う「スリラースリーキラー事件」の真相を解明する推理漫画となっている。

感想

原作・漫画共に豪華なタッグを組んだ割には非常に食い合せの悪い仕上がりとなっていた。西尾は相変わらず西尾節が言葉の端々に炸裂しているし、河下水希は持ち前の女の子の可愛さが活かしきれていない。漫画としては文字量が圧倒的に多く、メインは文章で絵が状況説明用の付属品に成り下がっている。意識的に「読む」をしないといけないので読み進めるのがとにかく疲れる。

肝心のストーリーは西尾にしてはマイルドで後味スッキリの仕上がり。その分内容は目立った特徴もなくワンアイデアで進んだ感が強い。特徴や魅力が際立つキャラも存在せず画力があるだけに非常に勿体無い作品となっていた。女の子の魅力を掘り下げる形の展開には出来なかったのだろうか。この内容なら河下が描く意味が無い。

組み合わせとしては完全に失敗だが、集英社としては河下水希の扱いに困っている部分もあるのだと思う。ジャンプ連載も2連続で早々に打ち切りとなっており、原作を付けてもパッとしない。絵の実力はあるだけに何とかヒット作に繋げられないか試行錯誤をしている印象を強く受けた。

『君の名は。』がヒットした今だからこそ『いちご』の様なベタな恋愛物の需要も大きいと思う。「クロスアカウント」の様な妄想全開のDTストーリーではない、女性視点ならではの現実味のある恋愛作品がジャンプで連載される事を期待したい。

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