2020年末に「Flash」の開発および提供が終了することが発表された。そこで今回はフラッシュ全盛期の名作ゲーム・映像作品をまとめる。
目次
ゲーム
NANACA†CRASH!!
『NANACA†CRASH!!』はPCゲーム『CROSS†CHANNEL』を元ネタにしたFLASHゲーム。プレイヤーの総プレイ回数は3000万回を超える伝説となっている作品。
ゲームは主人公を自転車で弾き飛ばし飛距離を競うという極めてシンプルな内容。プレイヤーの操作もマウスクリックのみと簡単である。
しかし本作が脅威の中毒性を持っていることはプレイした人ならば分かるはず。運と技術によって飛距離を数千m、数十km…と伸ばすことが出来る。
Flashはこちらから。なお本作はAndroid版も絶賛配信中。iOS版は削除されてしまった模様。
人生オワタの大冒険
『人生オワタの大冒険』は2chのAA「人生オワタ」を題材にしたFLASHゲーム。死にゲーとしても有名な『I WANNA BE THE GUY』は本作に影響を受けた作品。
ゲームはキーボード操作で移動とジャンプ、オワタバスターによる攻撃が可能なアクションゲームとなっている。
一見するとオワタの死ぬパターンを楽しむだけの作品に思えるが、実際はクリアまでしっかり作られている超難易度の鬼畜ゲー。その分クリアした際の達成感は大きい。
Flashはこちらから。
こ~こはど~この箱庭じゃ?
『こ~こはど~この箱庭じゃ?』は個人HPを模した新感覚のホラーFLASHゲーム。
ゲームとしてはプレイヤーが10000アクセスのキリ番を踏んだところから物語が始まる
自己紹介や日記、写真のページからホームページ運営者の”行太”の人柄を想像しつつ、掲示板で繰り広げられる騒動を眺めていると…。
Web上で遊べるFlashの特性を活かた名作ホラーゲームである。Flashはこちらから。
赤い部屋
『赤い部屋』も箱庭同様のホラーFLASHゲーム。同名の脱出ゲームも存在するが別物。
ノベルゲーム形式で読み進める形でゲームは進む。当時のホラー系フラッシュは恐怖画像で驚かせる系が多く、ちゃんとした物語・演出が用意された作品は少なかった。
現在プレイすると「ポップアップブロック」が働くため怖さは半減となっている。Flashはこちらから。
映像作品
DORAEMOOOON!
『DORAEMOOOON!』はFlash時代を代表する空耳MAD。
The Offspringの名曲「ALL I WANT」が空耳で「ドラえもん」に聞こえるためそれをネタに作られている。
内容的にはドラえもんが居なくなった世界は大恐慌に陥っていたが、ドラえもんが帰ってきて景気復活、花も咲き乱れるという感動ストーリー。
恋のマイアヒ
大流行した空耳作品『恋のマイアヒ』も初出はFlash。ちなみに絵柄が可愛くなった動画はエイベックスver。
当時は2chのAAキャラに対してエイベックスが「のまねこ」と著作権表示をつけた商品を販売し、社会問題にもなったりした。
Nightmare City
『Nightmare City』はみ~や氏のFlash映像作品。
2chのAAキャラ同士が戦うアニメーション作品となっており、音楽は403が歌う「Southern Cross」が使用されている。
クオリティの高いアニメーションをFlashの綺麗な映像で楽しめることはYouTubeなどの動画サイトが一般的でなかった当時としては画期的なことだった。
Flashはこちらから。続編はこちら。
その他
感想
ニコニコ動画が出て来るまでWeb上のエンターテイメントの主役はFlashだった。
ゲームも遊ぶことができ、MADも大量にあったFlashを「面白フラッシュ倉庫」等で探しているだけで楽しい時代だった。
当時はむしろ今のネット環境よりもクリエイティビティの高い作品が多かったと思う。今のようにWebカメラ一つで動画を撮るだけではなく、Flash作品を作るにはスクリプト言語を学び、内容を考え、絵を描いたり、音や演出のタイミングを調整するなど一人でいくつもの作業を行う必要があった。
その労力に見合う想いのこもった作品をクリエイターが商業目的ではなく、趣味として出していた点も昨今の状況とは異なる。今は参入障壁が低すぎてコンテンツの低品質化が止まらない状況に陥っている。YouTubeなどはちゃんと編集すれば見れる内容なのに撮ったままの雑な映像コンテンツも目立つ。ここは初心に立ち戻りエンターテイメントとしての本質を見直して欲しい。
Flashの代替としてはHTML5がその役割を担っていくだろう。「Yahoo!ゲーム」でも既にHTML5プラットフォームのゲームを提供し始めている。最近配信されたスクエニの『アンティーク カルネヴァーレ』もその一つ。
HTML5によって今後は再びWebでゲームを出来る時代になると思う。この流れに乗って当時のフラッシュのような熱の篭った作品が再び世に出ることを期待したい。