本日、NHKの年末恒例特番『紅白歌合戦』の関東地区の平均視聴率が発表された。発表によると視聴率は歴代ワースト3となる39.4%を記録。紅白がここまで落ちぶれてしまった理由を考察してみる。
歴代視聴率
ビデオリサーチによる関東地区の歴代視聴率は下記の通り。
- 平成元年:47.0%
- 平成2年:51.5%
- 平成3年:51.5%
- 平成4年:55.2%
- 平成5年:50.1%
- 平成6年:51.5%
- 平成7年:50.4%
- 平成8年:53.9%
- 平成9年:50.7%
- 平成10年:57.2%
- 平成11年:50.8%
- 平成12年:48.4%
- 平成13年:48.5%
- 平成14年:47.3%
- 平成15年:45.9%
- 平成16年:39.3%
- 平成17年:42.9%
- 平成18年:39.8%
- 平成19年:39.5%
- 平成20年:42.1%
- 平成21年:40.8%
- 平成22年:41.7%
- 平成23年:41.6%
- 平成24年:42.5%
- 平成25年:44.5%
- 平成26年:42.2%
- 平成27年:39.2%
- 平成28年:40.2%
- 平成29年:39.4%
視聴率下落の理由
音楽離れ
紅白視聴率低下の最大の理由は若者に代表される「音楽離れ」だろう。日本レコード協会が発表する2016年のCD生産売上は1748億、10年前の3271億から半分近くになっている。デジタル音源や各種ストリーミングサービスへの移行を考慮したとしても「音楽離れ」している事実は間違いない。
J-POP自体のクオリティが下がり続けている事に加え、2017年紅白は出演歌手の中にも「目玉」歌手が居なかった。特別枠の桑田・安室も強い牽引力とはなっていない。「紅白を毎年見る」層では無い若者たちを惹きつけられるスターが不在だったことは大きな原因だと思われる。音楽業界全体の低迷が止まらない限り紅白の視聴率復活もまず望めない。
テレビ離れ
テレビ以外のコンテンツへの流出も大きな理由だろう。その証拠に『ガキ使』も1部の視聴率が17.7%から17.3%に0.4ポイント下がっている(2部は僅かに上昇)。同じ時間帯にはAbema TVでは「朝青龍を押し出したら1000万円」という魅力的な番組も実施されており、ストリーミングサービスで映画を見て普段通り過ごした人も居ると思う。
筆者が小さかった頃は年末に「紅白」を見てないと話題に入れない、全国民が家で見る番組というような風潮があった。今は年末をテレビ無しで過ごしたり、各種イベントで外出という過ごし方も増えている。人々のライフスタイルの変化も背景にあると思う。
NHKの演出
今年も紅白は 不要な演出やくだらないバラエティータレントにうんざり ウッチャンがカツラかぶって遣ってるコーナー要らんでしょ!!その分 演歌歌手にフルコーラス歌わせてほしかった。
— 花鳥風月 (@Asifbyj) 2017年12月31日
個人的ではあるものの今年の紅白は演出全体がとっ散らかっており、グダグダ感を強く感じた(2016年も酷かったが)。NHKの番組を題材にしたコーナーや小芝居は正直見るに堪えない。純粋な歌番組の紅白に戻って欲しい。
NHK紅白歌合戦。内村光良扮するディレクターが「暴力、差別、圧力、忖度」を倒し「今年の紅白私が出演者演出すべてをチェック、問題があればただちに指導します」と言ってるが、この演出自体問題では?忖度はそもそも日本人の周囲への気遣いを表す言葉で、悪い印象を与えたのは誰? pic.twitter.com/trziH0avZy
— take4 (@sumerokiiyasaka) 2018年1月1日
「暴力、差別、圧力、忖度」の演出も問題である。政治的な意味も出てしまうこの演出にOKを出してしまうNHKの感覚のズレには閉口せざるを得ない。
感想
音楽業界の衰退とテレビ離れを同時に感じられるニュースだった。音楽もCDからストリーミング、デジタル販売が主流になりつつあり、テレビからVODサービスへの移行も激しい。「テレビ以外」の楽しみも増えて、空いた時間の過ごし方は昔とは比べ物にならないほどに多様化している。
そんな中で「テレビ」だからこその楽しみを提供する方向に努力しなければならないと思うのだが、NHKは4K・8K「スーパーハイビジョン」への技術投資、有名タレント起用、新社屋建設に必死である。
昔のテレビ番組が面白かった理由、原点に立ち返り「ゲーム業界」同様に華麗な復活を遂げて欲しい。
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コメント
復活を遂げる必要がありますか・・・?
?様コメントありがとうございます。
NHKに関しては復活しなくて良いんですが民放各局の落ちぶれ振りは残念です。
テレ東の様な企画力で勝てる番組が増えて欲しいところです。
ありがとうございました。