8/4に地上波放送されたピクサー映画『Mr.インクレディブル』の感想。
どんな映画?
本日よる9時~『#Mrインクレディブル』フジテレビ系列にて放送!(一部地域をのぞく)
“普通”の家族生活を送ろうと努力していた<ヒーロー一家>の運命は…⁉
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お楽しみに♪ pic.twitter.com/uiTk2sBSv2
— ディズニー・スタジオ (@disneystudiojp) 2018年8月4日
『Mr.インクレディブル』は2004年に上映されたディズニー配給・ピクサー製作のフルCGアニメーション映画。スーパーパワーを持つ「Mr.インクレディブル」とその家族が悪役と戦う内容となっている。
2004年度のアカデミー長編アニメ映画賞、アカデミー音楽編集賞、アニー賞10部門を受賞するなど評価も非常に高い。
魅力
筆者は映画館で本作を観て以来、かれこれ5回は繰り返し観ているファンである。個人的にはピクサー史上最高のエンターテイメント作品だと思う。理由を説明してみたい。
脚本
好きな映画は数あれど、脚本の素晴らしさ、華やかさ、わかりやすさで言えばMr.インクレディブルだと昔から言いまくってる、あれほど無駄のない映画はあるものじゃないと思う。その続編、文句のつけようもない大傑作でした。家族のあり方、ヒーローのあり方両方をアップデートしての再登場だった
— ペケナナミ@SMT福岡 (@x773x) 2018年8月4日
ジョン・ラセター以降のディズニー作品の脚本は全体的に神がかっている。テーマ性の強い内容と社会風刺、エンターテイメントのバランス感が見事で単なる「子供向け」映画の枠に留まらない。本作のテーマは「ヒーロー」そして「家族」であり、「スーパーパワー」を持つが故の苦悩を実社会に照らし合わせ現実的に描いている。登場人物(悪者)が死ぬシーン等は以前のディズニー映画では考えられなかったし、家族同士の揉め事も深刻な内容で映画の前半部分は延々と陰鬱なシーンが続く。
カタルシス
Mr.インクレディブルすごい面白かった。ヒーローものとしてのワクワクも家族ものとしての温かみもあって両方過剰じゃないバランスで素晴らしいや。能力を訳あって使えない葛藤からの能力全開のカタルシスは異常。能力全開と家族団結が同時にくるので、なんかババア泣きそうになっちゃったよw
— サメのおじさん (@garigarichan1) 2012年11月20日
だからこそ舞台が島に移ってからの爽快感・開放感は半端ない。ダッシュは全速力で島を駆け回り、ヴァイオレットは見違えたようにパワーを使いこなす。ダッシュが水の上を走り回るシーンはアクション映画として屈指の名演出だろう。そして、苦労の末にインクレディブル一家が集結するシーンなどもう堪らない。野原一家が揃ったときの「無敵感」に似たものを感じる。そこから終盤に掛けては家族が一致団結、友人「フロゾン」の能力と3DCGの質感表現が見事にマッチ。序盤の停滞感を払拭するスピードで伏線を回収しまくり流れるように大団円に入る。アメコミヒーロー作品への敬意を感じるEDも最高。
家族
超能力を持つ「ヒーロー」や「ヒーローと社会」を描いた作品自体は少なくない。現在アニメ映画を上映中の『僕のヒーローアカデミア』も「個性」がテーマだし、『天元突破グレンラガン』や『ダークナイト』もヒーローと「社会」との関わりを描いていた。
本作を唯一無二たらしめている強力なバックボーンは「家族」というテーマである。ダッシュが学校でいたずらをして校長室に呼び出されたり、ヴァイオレットの思春期らしい恋煩い、夫婦の口論など家族「あるある」が本作にユーモアと説得力をもたらし観客を飽きさせない。「家族」設定がキャラ魅力を何倍にも増幅させ、脚本における動機と帰結においても重要な役割を担っている。本作の主役は『Mr.インクレディブル』ではなく「インクレディブル一家」なのだ。作品を観終わる頃には「ジャック・ジャック」を含めた家族のことを大好きになっているはず。
感想
地上波放送で久しぶりに観たが隙の無い脚本と2004年上映とは思えない演出に唸らされた。TVで本作を初めて知った方は是非とも続編の『インクレディブルファミリー』も映画館で観て欲しい。