9月20日に発売された『ゼルダの伝説 夢を見る島』をクリアした感想。
どんなゲーム?
『ゼルダの伝説 夢を見る島』は1993年に発売されたゲームボーイ用ソフトのリメイク作品。26年の時を経てミニチュア風なビジュアルに生まれ変わり、新たな遊び「ダンジョン作成」も追加されている。
税込み5,980円で好評発売中。ニンテンドーカタログチケットも使用可能。
良い部分
グラフィック
ブログに載せた「夢をみる島」の新旧比較画像の一部をTwitterにも。こうやって見ると本当に進化してるんだなぁってのがよくわかりますよね。。https://t.co/1iDYtvi3cQ pic.twitter.com/4enegxnixB
— Rewn (@Rewn_Games) September 23, 2019
リメイク版『夢を見る島』でまず目を引くのがミニチュアのような温かみのあるグラフィック。元がゲームボーイ作品なこともあり、等身を含めたリメイクの難しさを解決しつつ魅力的に見せる手法は見事。実際にプレイしてみると夢島の世界観と非常にマッチしており、島の中を歩いているだけで幸せになれる。ビジュアルを楽しむだけでも本作を購入する価値はあると言えよう。E3でもミニチュアが展示されたりアートブック付きの特別版も発売するなど力の入れようは一入。
音楽
たぶん日本一夢をみる島の音楽に詳しいブログを書きました。よろしくお願いします。 | #ゼルダの伝説 #夢をみる島 音楽徹底評論 リメイク版ではどう変わったのか?|奥野賢太郎 / Crescware @okunokentaro|note(ノート) https://t.co/z6nhu66jri
— 奥野賢太郎 Crescware (@okunokentaro) September 24, 2019
音楽の素晴らしさに関しては上記noteを読めば事足りるのだが、リメイクでありつつ原曲の印象を損なわない素晴らしいアレンジが施されている。特にEDに関しては原作をプレイした方には堪らない工夫がなされていて控えめに言って最高。音楽の方向性に関しては公式ブログも一読の価値あり。案ずるより聴くが易し。
ストーリー
全クリしたから試しにYouTubeで「夢をみる島」で検索してみたけど…
ほんとサムネネタバレ凄い…馬鹿かこいつら?
オススメで出たら終わりだし気をつけようがない
なぜネットを常識的に使ってる側が気を使わなきゃあかんの?ゲームを愛する気持ちよりドヤりたい気持ちの方が強いんだろなこの馬鹿共は— おばか (@obaka_rhcp) September 25, 2019
夢島はその物語も高く評価されている。ゼルダとしては珍しく「ネタバレ」リスクもある作品なので初見の方は特に注意。事前情報なしでのプレイをお勧めしたい。
悪い部分
処理落ち
夢をみる島リメイク。
進めてるんだけど、猛烈な処理落ちが気になる…。オブジェクト過多なものと、マップがシームレスになっせいか読み込み負荷の両方ありそう。
ボケの効果でミニチュア感がしっかりあって可愛く出来てるんだけど…アプデ待ちしたくなるレベル。
— h.sawatari@アーケードSTG開発中 (@saddy575) September 21, 2019
ミニチュア風グラフィックの代償かSwitchのスペック不足か処理落ちは酷い。操作性が求められる2Dゲームなだけに可変フレームレートなのは動かしていてモヤモヤする。また、細かいバグも発見されており任天堂らしからぬ調整の甘さが見受けられる。Switch Liteの発売に間に合わせるために無理した印象。触り心地に関してはGB版から純粋に劣化している。アプデで改善をお願いしたいところ。
古いゲーム
スイッチ版夢をみる島を2時間ぐらいプレイ
た…楽しい。システムは古いなぁと感じる部分もなくはないけど良い意味でゲームボーイ版そのまま
さすがに内容はほとんど忘れてるから新鮮— YU_UY (@YU_UY_b) September 23, 2019
本作は良くも悪くも原作に忠実な作りとなっている。ゲーム自体は10時間そこらでクリア可能だし当時は携帯機として画期的だったミニゲームも古臭さは否めない。謎解きも現代に合わせてヒントが追加された訳でもなく子供には難しい部分も。純粋な2019年発売の2Dゼルダとしてのクオリティには疑問が残る。BotWで初めて『ゼルダの伝説』シリーズを知った人には肩透かしに感じる可能性が高い。
追加要素
辛口モードノーコンティニュークリア、アイテム全収集、パネルダンジョン全終了した感想としてはこんな感じ。
※原作が良すぎたのもあって少々厳しめかも pic.twitter.com/MYbJKrD76b— ありぽん (@aripon2525) September 23, 2019
本作唯一の追加要素である「パネルダンジョン」は糞つまらない。マリオメーカー的な方向を目指したと思うがゲーム的な面白さは皆無で依頼をこなすだけの作業ゲーで正直無かったほうがマシ。これならDX版のように新ダンジョン追加、写真など世界観を掘り下げる方向の方が好まれたはず。
感想
「夢を見る島DX」が3DS向けに628円で配信されている状況を考えると「グラフィック」「音楽」のためだけに10倍近い価格を払う価値があるかは疑問。お金が無い子供たちはGB版をプレイして差額で他のゲームを買ったほうが幸せになれるだろう。「ゲーム」としてのやり込み要素が余りに無さ過ぎる。同じリメイクでもピカブイの方が遥かに長く楽しめるはず。『ゼルダの伝説』としてのボリューム感を期待してはいけない。
お金に余裕ができた大人が当時を振り返りながら遊ぶのが正しいゲーム。あるいはインディーゲーム感覚でサクッと遊ぶのが良いはず。そういった意味では時間は無いがお金はある社会人にも向いている。価格は気にならず気軽に楽しめる作品を求めている方も是非プレイしてみて欲しい。
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コメント
記事執筆お疲れ様です。
元がゲームボーイソフトである事を考慮すれば、ボリュームについては良くも悪くも予想通りでしたね。
当時の世代だけど、時間と体力と集中力的に長時間ゲームをプレイするのが些かツラくなってきた自分としては、ほどよい長さだったかなぁ。
子供の頃、教育アニメのパペットアニメが好きだったので、どことなくおもちゃっぽいグラフィックデザインは心底ツボでした。
パチさん毎度。
ある種丁寧で忠実なリメイクとも考えられますね。
恐らく自分も同年代なのでお気持ち分かります。ガッツリ60時間級は体力保たない。
その意味でも懐かしく感じられる世代でお金は余裕あるけど時間が無い人には向いてる。
逆に現代っ子で普段ゲーム買ってもらえない中選ぶ「1本」としては残念すぎるかなと。
小学生の頃は数ヶ月分のお小遣い握りしめて迷ってたのを思い出すとオンライン、追加要素はもっと遊べる要素考えて欲しかった。
グラフィックは最高ですね。カービィ・ヨッシーの毛糸もそうだけど一見すると子供が安心して遊べる「白い任天堂」で、遊んだ人だけ「黒い」部分が伝わる絶妙なバランス。
個人的にはクレイアニメ風なのも作って欲しいですね。3D表現ムズそうだけど。
ありがとうございました。
ゲームソフトの定価の高さに対して1本あたりの利益は微々たる物で、
1本でも売れ残ったら赤字となるレベル。(ゲームショップ店長などのブログ参照)
それでもやっていけるのは中古市場があるから。
メーカーにとっても出荷=利益だから(売れ残りを返品したり買い取るわけではない)
ショップがゲームを入荷する原資となっている中古市場は、
メーカーにとって何の損失にもなっていない。
ゴリラ様、コメントありがとうございます。
仰る通りで個人ゲームショップとか殆ど潰れましたよね。
ただ中古市場が「メーカーの損失にならない」の論拠は疑問が残ります。
ユーザーには「中古で安くなってから」等の理由で買い控えをする方も多く、ビッグタイトルで無い限りプレイ人口>出荷本数になってるのが実情でしょう。
また、DL販売の割合が半数を占める昨今においては中古市場自体が不要とも考えられ、DL版のセールを頻繁に実施するようになったのも中古市場潰しとも捉えられる。
中古ゲーム訴訟でメーカー還元率を受け入れていたら業界全体も変わっていたんでしょうね。
今後は5G技術によりリモートプレイがメジャーになると思うのでDL版比率は更に上がりそう。
開発費を考えても「中古」でメーカーが大きな被害を被るのは過去の話になってそうですね。
ありがとうございました。