『DEVILMAN crybaby』感想:トラウマ的衝撃に備えよ

1月5日からNetflixで独占配信が開始された『DEVILMAN crybaby』のネタバレ無し感想。なお原作・実写版は未見。

どんなアニメ?

伝説のコミックが過激に甦る!『DEVILMAN crybaby』PV第3弾

『DEVILMAN crybaby』は永井豪原作『デビルマン』を『四畳半神話大系』『ピンポン THE ANIMATION』等で知られる鬼才湯浅政明が監督を務める完全新作アニメーション。映像ストリーミングサービス「Netflix」にて全10話、独占配信されている。

魅力

簡単な感想としては、とにかく衝撃的で湯浅政明の魅力が存分に溢れた作品だった。

トラウマ的衝撃

本作はネット配信という利点を最大限に活かし、地上波では絶対に放送できない内容となっている。具体的には性的表現や暴力描写、ショッキングな展開がてんこ盛りで規制が厳しい2018年のアニメと思えない。原作未読の方はトラウマ必至なので間違っても「彼女と一緒に見よう!」などと考えないように注意して欲しい。『四畳半神話大系』『ピンポン』『夜明け告げるルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』辺りの湯浅監督イメージで挑むと大火傷する。

現代版リメイク

本作は紛れもなく『デビルマン』だが原作が1972年とは思えないほど現代向けにリアレンジされている。登場人物が「スマホ」を操作したり、SNSが活用されたり、画風や喋り方もクールで違和感がない。まさしく現代の『DEVILMAN』というに相応しいセンスの高い作品となっている。

原作に敬意を払いつつもポップで違和感の無い現代劇に再構築する湯浅政明監督の絶妙なバランス感はアニメ版『ピンポン』でも遺憾なく発揮されていた。本作も芯を貫きつつも破綻がなく受け入れやすい見事なアレンジだったと言えよう。

原作愛

本作に対する原作派の評価は綺麗に二分されている。理由は前述したアレンジ部分に対する考え方・捉え方の違いだろう。純粋な「原作再現」を求める人には厳しい意見も見られるが、オリジナルの「」を表現しきったことに対する評価も見られる。

湯浅政明監督自身が「人生で最も衝撃を受けた漫画」と答えており、原作愛をあちこちで語っていることからも本作が「愛」に溢れたリメイクだったことは間違いない。原作に興味を持った方は今月末に発売する復刻版『デビルマン』も確認して欲しい。

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SNSの反応

衝撃度の高かった本作に対するTwitterでの反応は下記の通り。

感想

紛うことなき傑作だと思う。視聴後はしばらく放心状態になってしまった。初見はまず魂を奪われること間違いない。前半部分は『マインド・ゲーム』を思わせるサイケデリック感満載で後半は原作の持つ禍々しさ、狂気が渦巻いている。9話、10話はただ衝撃で絶望さえ感じて「人間とは何か」というテーマ、原作が持つエネルギーを余すこと無く伝えている。広告でも「デビルマンの系譜」が話題となったが原作が漫画・アニメ文化に与えた影響は計り知れない。本作はその入り口としての役割は見事に果たしていると言えよう。

本作を観た後に「BuzzFeed」のインタビュー記事を読むと湯浅監督の伝えたかったことも良く分かる。「飛鳥了」の物語として本作を描ききったことは見事と言えよう。このアレンジに対する是非の意見も多く見られる。それだけ永井豪の原作『デビルマン』が愛されている証でもある。現在はKC版「デビルマン(完全復刻版)」の入手は難しいため、今月末から発売される「デビルマン -THE FIRST-」を狙いたいところ。

Netflixの資本力、規制の緩さというメリット、湯浅政明監督のポテンシャルを改めて感じられる素晴らしい作品だったと思う。昨年には『夜明け告げるルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』を公開し数々の賞を受賞するなど勢いに乗りまくっている湯浅監督。今後の湯浅監督作品、Netflix独占配信作品にも注目したい。

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