2017年11月に配信開始された話題のインディーゲーム『Death Coming』のクリア感想。
どんなゲーム?
『Death Coming』はプレイヤー自らが死神の代理人となり、人々の魂を集めていくパズルゲーム。ドット絵が特徴的でマップ中の様々な仕掛けを動かすことで人の命を奪いスコアを稼ぐことが目的となる。
アップデートにより日本語にも対応しており、Steamで購入可能。価格も698円と手頃なのでお勧め。3月にはiOS版、Android版も発売されるらしい。
魅力
ゲーム性
本作最大の魅力は自ら「死神」となり人の運命を操作できるゲーム内容だろう。いわば死神版「ルーマニア」のような設定であり、概要を聞いただけでも面白そうな感じがする。
しかし、実際にプレイしてみると想像していた自由度はまったく無く人間ごとの命の落とし方の「正解」を見つける作業が待っている。各危険物を動かせる回数には制限があり効果的なタイミングも異なるため、適当に片っ端から動かしているとステージクリアさえままならない。
1プレイ中の「やり直し」が効かないのはマイナスポイントだが、それでも映画『ファイナル・ディスティネーション』シリーズを彷彿とさせるバリエーションに飛んだ死因が用意されており、それらを見つけ出すだけでも楽しい。正解を見つけるという観点ではクリック型の脱出ゲームの類が好きな方も楽しめると思う。
ドット絵
用意されたマップ・ギミック・各キャラのドット絵も見事である。インディーゲームとしては非常に高いクオリティで街中をNPCが動いているのを眺めているだけでも楽しい。
ゲーム的には倫理的な問題もあるのだが可愛らしい「ドット絵」が緩衝材としての役割を果たしている。死神としての命を奪う行為にも罪悪感も感じづらくなっており、グロ要素も全く無い。人の死をコミカルに描けているバランス感も見事だと思う。
パロディ
本作のコミカルなテイストをより助長しているのは、各ステージごとに用意されたパロディ要素である。どう見ても某国家の人が主役のステージが用意されていたり、映画のパロディも多い。ブラックジョークとも取れる表現や製作者の遊び心を感じられるのも魅力だろう。
感想
ゲーム自体は3~4時間ほどでクリアできたが、1コインレベルの価格を考えると非常に満足な出来。ボリュームを増やした続編にも期待したい内容だった。
なお日本語版は丁寧に作られており、これといった不満は無いのだが筆者環境ではエンディングムービーが正しく再生されない不具合が発生した。これが言語依存・環境依存なのかは不明。
期待してなかった物語も「命」を題材にした興味深い内容だった。価格も安く手軽に楽しめるゲームなので興味を持った方は是非プレイしてみて欲しい。