PUBG Corp.がフォートナイトの提訴を取り下げた3つの理由

人気バトルロイヤルゲーム『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』開発元であるPUBG Corp.がEpic Gamesに対する著作権侵害の訴えを取り下げたことが話題となっている。今回は取り下げに至った理由を考察してみたい。

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概要

2018年1月、人気バトルロイヤルゲーム『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』開発元であるPUBG Corp.が同ジャンルで人気を博す『フォートナイト』を著作権侵害として韓国内でのサービス中断を求め、「著作権侵害禁止仮処分申請」をソウル中央地方裁判所に提出した。この事実が報道で明らかになった5月のこと。

人気ゲーム同士の法廷争いに注目が集まる中、6月末にPUBG Corp.はEpic Gamesの弁護士宛に撤回状を送付。報道から一ヶ月を待たずして事態が収束する流れとなった。なお取り下げの理由は明らかとなっていない。

撤回した理由

モヤモヤを残したまま解決に至った本件だが取り下げの理由は何だったのか。両者の関係や状況を踏まえて考察してみよう。

アイデアでの盗用は無理筋

PUBG Corp.が著作権侵害として訴えたことからも分かる通り、両ゲームは共通点を多数有している。パッと思いつくだけでも下記の通り。

  • 100人から1人が生き残るバトルロイヤル
  • セーフゾーンが環状に狭まる仕様
  • 飛行機からの落下
  • 武器タイプの類似性

ジャンルが共通している以上、多少似通うのは仕方がないが『フォートナイト』のゲーム性が『PUBG』を意識した内容であることは間違いない。となると著作権侵害に当たるかどうかが課題となってくる。

著作権の大原則として保護対象は「表現」であり、「アイデア」事態に保護は及ばない。そもそも著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」であり、既存の著作物に依拠して作られた部分があっても同一性を有するに過ぎない場合は複製に当たらない。『フォートナイト』で考えても独自の「建築」要素が機能しており、乗り物やゲームモード、エモート仕様も『フォートナイト』らしい方向に作られている。

今回の件について著作権侵害を認めてしまえば「バトルロイヤル」ジャンルそのものに対する独占権をPUBG Corp.に認めることと同義となる。文化的・経済的観点から考えても本来保護すべき想定以上の弊害が社会にもたらされる結果となるため、裁判が行われていても著作権侵害の訴えが100%認められる結果とはならなかっただろう。

UE4を使用するPUBG

PUBGを開発するBlueholeとEpic Gamesの関係も一筋縄ではいかない。『PUBG』はEpic Gamesが提供するゲームエンジン「Unreal Engine 4」を用いて作られており、Epic Gamesに対して売上の5%を支払っている。PUBGは2017年だけでも7億ドル以上の売上を誇っており、40億円近いロイヤリティがEpic Gamesに対して支払われていることは紛れもない事実。

開発エンジンをEpicの規約に従い使わせてもらっている立場のPUBG側がEpicを訴えるのはそもそも立場的に無理筋がある。開発者の反感を避ける上でもEpic側が突然強硬手段に至ることは無かっただろうが、その気になればPUBGの開発に不利益をもたらす形で全面戦争も起き得ていた。その場合、不利なのはエンジンを使わせてもらっているPUBG側だったはず。

両方の株主であるテンセントの存在

Bluehole, そしてEpic Games両方の株式を保有しているのが世界最大の売上高を誇る中国のゲーム企業「テンセント」である。同社はEpic Gamesの株式を40%, Blueholeの株式を5.0%保有しており現在もなおBlueholeの株式を10%以上保有する為の調整を行っている最中である。両者の株主であり運営権を握るテンセントにとって今回の騒動はイメージ的にもマイナスにしか働いていない。明らかにはされてないものの今回の騒動が収束した影には仲裁役としてテンセントが絡んだことはまず間違いないだろう。子供同士の喧嘩を親が仲裁した形とも言える。証拠として両社に無関係のスマホ向けバトルロイヤル「荒野行動」に対する著作権侵害請求は未だ取り下げられていない。

感想

ゲーム業界における著作権侵害の訴えは文化そのものにストップを掛けることも多く、バトルロイヤルジャンルの未来にも影響するところだった。ユーザーとしてはまず両社が和解に至ったことを素直に喜びたい。

アップデートも繰り返し行われ勢いを増し続ける『フォートナイト』。もはや止められる存在は業界内に居ないとさえ思う。今後に期待したい。

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