『Papers, Please』感想:ゲームではなく仕事と人生

2013年にPC向けに配信された入国審査官シミュレーション『Papers, Please』をクリアした感想。

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どんなゲーム?

『Papers, Please』は2013年に発売されたインディーゲーム。プレイヤーは架空の共産主義国家「アルストツカ」の入国審査官となり、旅行者を一人ずつ審査していく。プレイヤーの選択次第によって彼らの人生や国家の未来が定まり、エンディングも複数用意されている。

Steamにて定価980円で販売中。iPad版も販売中。海外ではVita版も。

魅力

ゲームではなく仕事

プレイしてみると分かるが本作は気楽な間違い探し風パズルゲームではない。プレイヤーは家族を養うために黙々と集中して作業をこなす必要があり、プレイ中は気を抜けるタイミングが存在しない。リアルタイムで進行する時間の中、慌てて判断を誤れば当日の給料が少なくなり死活問題となる。本作は限りなく「仕事」なのだ。

ゲーム内でも「仕事」をして楽しいか疑問だと思うが、徐々に楽しめるようになってくる。ミスっても現実で困ることは一切無く、被害を被るのはゲーム内のプレイヤー家族だけ。安全圏から他人の人生を操っている感覚も味わえる。また、「仕事」自体も現実同様に日が進むごとにチェックする書類と作業量が増えていく。しかし、段々と効率的にこなせるようになり成長も感じられるはずだ。この成長を感じられるタイミングはリプレイ時が特に顕著だと思う。遊び場としての仕事だった『Job Simulator』とは別方向の楽しさが用意されている。

人生の分岐路

本作が数ある仕事の中から「入国審査官」を選んだ理由はその仕事が何人もの人生を左右し、国家の未来さえ決める重要な仕事だからだろう。淡々としたゲーム進行とは裏腹に濃厚なドラマと人生体験が用意されている。仕事上のルールを逸脱してでも人道的な選択をするのか、家族のために汚いお金に手を染めるのかなど「これが自分の人生だったら…」と考えさせられる要素が極めて多い。レトロ調でリッチとは言い難いグラフィックでここまで疑似体験として表現出来ている点は見事。

邦画ではユダヤ人に「命のビザ」を提供し続けた「杉原千畝」が映画化されているが、本作「Papers, Please」も実写短編映画化されている。YouTube動画は日本語字幕も選択可能で10分ほどと短いので一度観て欲しい。本作が持つドラマ性が伝わるはずだ。

感想

Steamのセール時に購入していたがチープな見た目シンプルなゲーム性からは想像できないほど楽しめた。仕事をしている内に段々「アルストツカ」という仮想の国を好きになってくるし、仕事にやりがいも感じてくる。同時に国として抱える問題も見えてくるのだが、国の行く末をプレイヤーに委ねている点も見事。一つの人生体験をできる素晴らしい作品だった。このようなインディーゲームがこれからも増えて欲しい。

プレイ時間と気力はそれなりに要するが非常にオススメしたい作品なので興味を持った方は是非プレイしてみて欲しい。「アルストツカに栄光あれ!」

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