3月21日に行われた「スプラトゥーン2」ガチマッチ大会「RAGE Splatoon2 Extreme」の放送内容が大きな話題となっている。
概要
ペナルティのヒデがRAGEでやばかった言動
・splatoonの大会なのにスプラトゥーンと読めない
・ガチホコバトルをガチポコバトルという
・3位のチーム(プロ)(アマに負けた)に向けて「悔しいでしょうねぇ〜僕が素人にコンパで笑いとられるぐらいすごいですよw」
・出場者の服装や見た目をいじる— えむ (@em_banana) 2018年3月21日
話題となっているのは大会MCを務めたお笑い芸人ペナルティのヒデの司会内容。ゲーム知識0で挑んだ挙げ句、大会参加者を馬鹿にするような発言・行動を繰り返し大きな反感を集めている。
動画
実際にヒデの対応の酷さが分かるのがTwitterに上げられている下記の動画。
— く (@Mark012975) 2018年3月21日
司会としてのやる気を全く感じられず、質問しておきながら回答を無視、コメントのゲーム内容には全く触れない。「しゃんとしなさい!」と参加者をどつく等対応が酷すぎる。
SNSの反応
過去類を見ない酷すぎるMC対応にTwitter上では怒りの声が多く見られる。
RAGE、ヒデ氏が致命的だと思うのは選手に対するリスペクトが全く感じられないところ。スプラトゥーンのことを知らないのはしょうがないし、仕事で来ているってのもわかるけど、それだけではあれだけの酷評の嵐にはならないはず。単なる子供のお遊戯会くらいに思ってそう。
— セピア (@xsepia2009) 2018年3月21日
RAGEスプラトゥーン2、せっかく素晴らしい大会なのに、ヒデという人のMCがとても残念だった。スプラトゥーンが大好きで、日々真剣に取り組む人たちが選手としてそこにいるということ、あるいはその選手たちをいつも応援している人たちが見ているということを全く想像していないことがわかる態度だった
— こばやし (@noz_miya_plum85) 2018年3月21日
ヒデさんの司会はすごーーく不快だったけど、逆に考えればゲームをああいう風にしか思っていない人はまだまだ多くいるはずで
そういう人を減らせるように面白さを伝えていきたいし、そうしなければe-sportsと呼ばれるものに明るい未来はなさそう— あとみー_Navy (@atomy_2525) 2018年3月21日
やっぱ武井壮ってすげえわ
“アスリート”として選手をリスペクトしてるから
触ったこともないゲームの大会でMCをやったのに評判よくて、以降の大会ではちゃんとシャドバについて勉強してきてそれなりのコメントができるようになってるヒデは武井壮が持ってるものを全て持ってなかった、それだけ
— すこる (@saskoll223) 2018年3月21日
ヒデが全てのヘイトを集める事によって負けたプロゲーマー叩きがなくなるというファインプレー
— KGM (@kgm00) 2018年3月21日
問題点
今回の問題についてヒデだけを攻撃対象とするのは違うと思うので問題点を分けてみる。
主催者側の人選
まず考えられるのは今大会「RAGE Splatoon2 Extreme」を共同開催した「CyberZ」と「エイベックス・エンターテインメント」の人選ミスだろう。e-Sportsに本格参戦を決めた吉本興業側からの働きかけかは不明だが、ゲーム知識0のお笑い芸人を起用する意味が分からない。場を盛り上げるための起用なら完全に逆効果となっている。
ゲーム知識に疎い芸能人、お笑い芸人を起用して知識の無さが露呈・炎上するケースは昔から存在する。以前は各芸能事務所のプロフィールでしか趣味情報を知り得なかったため、起用は単なる事故というケースが多かった。昨今は本人のTwitterでも私生活が垣間見えたり、芸人によるゲーム配信などもあるため事故は減っている。下手な起用をすると「叩かれる」ことが分かってきた主催者側の配慮も大きい。
今回の件で言えばスプラトゥーン ガチ勢の吉本興行の芸人「裏切りマンキーコング」の風次が適任だったように思う。今回は参加者としてRAGEに出場しているため、MCとの両立は難しいだろうがヒデよりは100倍良い。
ヒデの人間性
どの目線で僕にこのようなリプライを送ってきたのかわからないし、話の筋を履き違えてる。ヒデさんがそう思ってるとしても、そう思う人はMCの仕事断ればいいじゃない。バラエティの芸風も知ってるけど、選手相手に散々失礼な対応して「こういう仕事なんですよ」は無いでしょ。
— 海苔おじ (@norinori1030) 2018年3月21日
MC起用されたヒデ側の問題も大きい。特にタイトルすら読めないのは仕事を請けておきながら、一度も調べていないということで社会人としてあり得ない。契約としてお金のやり取りが発生する以上、最低限「どんなゲーム(競技)か?」「どんな人が参加するのか?」「どんな人が応援しているのか?」を調べて想像力を働かせる必要があった。今回の対応は「オタクを馬鹿にする姿勢」や「興味の無さ」「やる気の無さ」が露呈しすぎている。
芸人という立場上、場を沸かせるためにイジっているのは分かる。しかし、やっているのはガチで競技に参加する選手に配慮したイジりではなく、人を馬鹿にするような対応で目に余る。学校で陽キャが陰キャをネタにするような状況で視聴者が笑えるはずもない。
この辺のバランス感覚に優れているのは有野課長だろう。ADに対するイジりも配慮があり、不快になるような言動も今までに無い。一般人には優しく、立てるべき人はしっかり立てている。ヒデはもう少し大人になる必要があった。
よしもとゲーミングへの影響
1340> お笑いの吉本興業がeスポーツ参入 「よしもとゲーミング」始動https://t.co/pVuAbHqOoP pic.twitter.com/airClT9knH
— EAA!! FPS News (@EAA_tw) 2018年3月20日
今回の件で影響が懸念されるのは吉本興業が立ち上げたeスポーツブランド「よしもとゲーミング」への影響だろう。ゲーム知識に疎い芸人をeスポーツ大会に出してしまう辺り、吉本側のeスポーツに対する認識の甘さが露呈してしまった。正直、吉本興業のeスポーツ参入自体にeスポーツ教育の授業料を集めて儲ける狙いがあると思う。「儲け話」として手を出しただけで本気で参入するとは思えない。
今回の件でRAGE側・大会視聴者の吉本興業に対する印象は悪くなったはずで、よしもとゲーミングのブランド価値は間違いなく落ちている。今後の影響を考えると損失は大きい。
感想
これはゲームに対して嫌悪感がある俺たちの親世代からずっと植え付けられた結果なのかもしれないな pic.twitter.com/pWe9j765Mm
— Nests/ねすつ@EVO2018 (@nestsx7) 2018年3月19日
日本人のeスポーツに対する認識が垣間見えたMC騒動だった。ヒデは間違いなく競技として見ておらず、子供同士のお遊び程度に考えている。「競技」として認識していれば、アスリートに対してあんな雑な扱いするはずがない。この感覚の違いは先日の「プロフェッショナル」のウメハラのコメントを彷彿とさせた。日本人のeスポーツに対する認識は世界のそれと大きく異なっている。ゲームが身近すぎたためか文化的な価値を理解している大人が少なく「遊び」の延長程度にしか認識されていない。
文化を理解できない人が世の中に居ることはしょうがないが、公的な場にしゃしゃり出て水を指すことだけは辞めて欲しい。今回の件はトータルでマイナスにしか働いていない。開催側や仕事を引き受ける側もよく考えて「ちゃんと」仕事をして欲しい。今後は同様の悲劇が引き起こされないことを願いたい。