2020年から小学生のプログラミング教育が必修化されることが話題となっている。今回は手軽にNintendo Switchでプログラミングを学ぶ方法をまとめてみる。
概要
文部科学省が明示的にプログラミング教育の必修化を発表したのは2017年3月。既に大きなビジネスチャンスにもなってる様子で各所で小学生向けのプログラミング教室が開催されているほか、プログラミング学習用教材も発売されている。
実はそういった手間やお金を掛けずにゲーム機「Nintendo Switch」だけで簡単にプログラミングを学べる方法が幾つかあるので紹介してみる。
学ぶ方法
マインクラフト
小学生にも大人気のサンドボックスゲーム「マインクラフト」(マイクラ)にも実はプログラミング要素が含まれている。マイクラは一般的なRPG・アクションゲームと異なり、決まったストーリーや目的は存在しない。自由な発想や創意・工夫で無限に楽しむことが出来るため、教育現場での利用も開始されている。
【特集】『#マインクラフト』で子供が得られる5つの学習効果!:https://t.co/AuiNQHncm7 #Minecraft pic.twitter.com/SOQw7xicsG
— Game*Spark (@gamespark) 2016年7月3日
本作による学習効果をまとめた記事はGame*Sparkの記事が詳しい。論理的思考能力を養う観点で注目したいのは3つ目の「レッドストーン回路」を用いた仕組みづくりだろう。地中から採掘できる「レッドストーン」を用いることで入力・出力の概念や「NOT」「OR」「AND」といった論理演算まで学ぶことが出来る。
無論マインクラフトを単にプレイするだけでは自動○○装置を作る域まではたどり着かないかもしれない。しかし、ゲーム自体がプログラミングにより作られている以上は夢中でプレイするだけでもベースとなる思考も養われる。まずは幼稚園から楽しめる「マインクラフト」で入門するのも良いだろう。
Nintendo Labo
まだ発売前だが段ボールを使った全く新しい遊び「Nintendo Labo」も間違いなくプログラミング教材である。ニンテンドーラボは段ボールからコントローラーを「組み立てる」ところから始まり、完成した「Toy-Con」でそのまま遊ぶことが出来る。
凄いのはここからで応用機能の「Toy-Con Garage」(トイコンガレージ)ではユーザーがプログラミングによって独自のゲームを作ることが出来る。以前記事にもまとめた新トレーラーでは「入力」「出力」の仕組みを組むことで硬化を自動判別する「貯金箱」を自作している様子も見受けられた。アイデア次第で無限の可能性を秘めている「Nintendo Labo」は発売後大きな話題になるに違いない。
ヒューマン・リソース・マシーン
Nintendo Switchでは「プログラミング」をそのままゲームにしてしまった作品『ヒューマン・リソース・マシーン』も販売されている。
正直この作品をクリアした時点で小学生なら間違いなく神童である。中学生・高校生でもクリアすら難しく、現役プログラマでさえ最小ステップでのクリアには苦戦すると思う。
本作のように「プログラミング」に特化した内容で「ゲーム」として成立させている作品は類を見ない。価格も1,000円と安く、しっかりやり込めば「プログラミング教室」に通うより遥かに学習効率が高いことはSEだった筆者が保証する。スイッチを持っていて「プログラミング」に興味があれば迷わずDLしてみて欲しい。
番外編
FUZE Code Studio
ニンテンドースイッチでゲーム開発! 「FUZE Code Studio」登場へ https://t.co/iOmfxmWjei pic.twitter.com/x4f3hnhtED
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2017年6月22日
現在のところ海外・日本共に未提供だがNintendo Switch向けにプログラミングツール「FUZE Code Studio」の提供が発表されている。同作はスイッチ向けに提供される「プログラミングツール」であり「BASIC」をベースの言語を用いてゲームを作ることが出来る。
こちらはPCではなくスイッチを使用していること以外はガチのプログラミングなので「教育」云々よりも「実践」を重視する人向け。海外向けの発売は2018年夏とのことでどの程度の自由度があり、チュートリアル等の分かりやすさも現状不明。初心者でも学べる仕様か気になるところ。
Unity
正直「プログラミング」自体はPCさえあれば誰でも無料で学ぶことが出来る。各種プログラミング言語の学習用サイトはネット上に幾らでも転がっており、コード記述用のエディタやコンパイラも無料で入手できる。門戸は広く開かれており必要なのは「やる気」のみである。
ゲーム好きな子供のやる気を引き出すにはゲームを「作らせる」のも良いだろう。現在は統合開発環境を内蔵したゲームエンジンも個人向けに無料提供されており、Unityを使えば一括で複数プラットフォーム対応のゲームを作成できる。PCの理解、C#の勉強にもなり、一人で無限に学びつつ遊ぶことが出来る。Unityならゲーム開発に必要な3Dモデルや音楽も簡単に入手できるので、入門書片手にプログラミングの世界に入り込むのも良いだろう。
↓オススメ参考書
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今後、プログラミング教育が盛んになるに連れて教育用途としての「ゲーム」の重要性も増してくると思う。既に人気RTS『Civilization』を用いた歴史教育や「ボードゲーム」の教育・社員研修用途での利用も始まっている。論理的思考能力に限らず、社会の仕組みやコミュニケーション能力を育む上でも役に立つ作品も多い。
無論、よくあるソシャゲのように無意味に射幸心を煽るばかりで得られる知識・経験が少ない作品も存在する。作品の善し悪しを見極め、身になる形でうまく活用して欲しい。
コメント
私が言いたいこと、思っていたことが
結構代弁されていた (^_^)
今は20年、30年以上昔と違って
ハードもソフトも教材もタダみたいなコストでプログラミングできますからね
(中古のパソコンなんて数千円で買えるし、人から貰うことも出来る)
これはもの凄く恵まれたこと
国がムダな税金使わなくても
作る人は作るし、作らない人は作る
時間と体力と記憶力がある若者こそ
勉強してプログラミングしないと損ですよ!
VBAをちょっと知ってるだけで仕事が相当楽になる
HTMLの概念は今の時代マスト
コンテンツ飽和時代こそ
逆にクリエイター目線が必要な気はしますね
結局消費者って弱い立場だし、
最初は良くても騙されて弱い立場に陥るんです。
自ら作品を作るなり、情報を発信する側に回って
見えてくること、分かることがある。(クオリティの質は問わない)
自分は作品を作らず
批評家気取りや上から目線で
重箱の隅をつついて自己満足に浸る
今のツッコミ文化やネット社会は改めた方が良いように
記事を読んでて思いました。
TEST様、コメントありがとうございます。
本当に学びやすい環境になりましたよね。
絵かき用のソフト・ツール、将棋のオンライン対戦ソフトなど学習環境の変化はプログラミングに限らないかもしれませんね。
時代に合わせた学習カリキュラムの変化自体は歓迎すべき流れだと思います。
作りての目線に欠ける批評は確かに多いですね。
そもそも人間的な問題があるケースも多いので一概には言えませんが、一度コンテンツを自ら作ってみるのも目線を養う上で良いかもしれませんね。
ありがとうございました。