人喰いの大鷲トリコ感想・レビュー:美しい「神話を体験」できるゲーム

今回は昨年12月に発売した『人喰いの大鷲トリコ』をネタバレなしでレビューする。

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『ICO』『NICO』『TRICO』

みなさんは『ICO』という作品をご存知だろうか。2001年にPS2向けに発売されたこの作品は現在も名作と名高いADVである。少年が少女ヨルダの手を引きながら古城を脱出するというシチュエーション、古城の雰囲気が素晴らしく世界的に評価を受けた。

『ICO』を手掛けたのは『人喰いの大鷲トリコ』のディレクターでもある上田文人である。上田は2005年にも名作と名高い『ワンダと巨像』(Next ICO)を手がけている。

『人喰いの大鷲トリコ』が発表されたのは2009年であり7年の時を経て遂に発売となった。ファンにとって7年間待ちに待った上田文人の最新作ということになる。

謎解きと探索

ゲームの目的は『ICO』と同様遺跡から「脱出」することが目的となっている。ゲーム内容は単純で「謎解き」が主である。アクション要素もあるが要求される難易度は低いためプレイヤーは謎解きに専念することができる。

舞台となる遺跡は廃墟マニアには堪らない雰囲気があり、PS4の表現力も相まって空気感まで感じられる作りとなっている。その中を少年と相棒である大鷲「トリコ」と進んでいく。

ゲームとして余計な要素が存在せず純粋に「体験」として楽しめることが本作の大きな魅力だろう。

トリコの愛くるしさ

本作の主役は間違いなく「トリコ」である。「動物好きの人全員に楽しんでもらえる作品にしたい」と上田がインタビューで語っていたように「トリコ」の仕草は全てが愛くるしく「生き物」としての説得力を持っている。

体によじ登るときには皮膚の「柔らかさ」「温もり」の感触さえも錯覚してしまうし、トリコを観察しているだけでその視線・行動に癒やされる。

芸術的な画作りと演出

過去2作がゲームとして新しいギミックに挑戦しているのに対して本作は既存技術の組み合わせで作られている。具体的には『ICO』で培ったAI技術、『ワンダと巨像』で培った変形コリジョンによる巨体へのよじ登り。この2つのギミックを組み合わせ作られた作品が『人喰いの大鷲トリコ』である。

『人喰いの大鷲トリコ』における新たな挑戦は奥深い物語そして演出だろう。過去2作と比べて映画的な演出が多く、よりドラマチックな展開、息を呑む場面が増えてエンターテイメントとしての価値が高まっている。

上田文人の次回作は?

名作を続けて世に送り出している上田文人。期待がかかる次回作について、筆者としては次回作こそ強化された「演出」のもと新しいゲームシステムと魅力的な物語を兼ね備えた傑作が出ると信じたい。

ゲーム:人喰いの大鷲トリコ
ゲームジャンル アドベンチャー
対応機種 PlayStation 4
発売日 2016年12月6日
開発元 SIEジャパンスタジオ
gen DESIGN
監督 上田文人
音楽 古川毅
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レクダングル(大)