今回はアニメも絶賛放送中の『笑ゥせぇるすまん』について考察しようと思う。
『笑ゥせぇるすまん』について
『笑ゥせぇるすまん』は藤子不二雄Aによるブラックユーモア漫画。1989年に一度アニメ化されており、2017年現在も春アニメとして『笑ゥせぇるすまんNEW』が放送されている。
本作の内容は一話完結のオムニバス形式となっている。毎回共通して登場するのは主人公である喪黒福造のみである。
よくある展開
ホーホッホッホッホ‥‥
エンディングテーマ曲を
日本一の適当男こと高田純次さんが担当する事に決定#笑ゥNEW#junji1134 pic.twitter.com/pTXqr5ELfP— 「笑ゥせぇるすまんNEW」公式 (@warau_new) March 12, 2017
物語の主な展開は登場人物に喪黒が干渉し、無償で夢や願望を叶える。この時に「守るべき条件」の提案や「忠告」を行う。そして調子に乗った客が忠告を守らずに自滅~というのがよくある展開である。
今の世の中に受けいられる理由
原作である『黒イせぇるすまん』が登場したのは1968年。そして『笑ゥせぇるすまん』として連載が開始されたのは1989年である。それだけ古い作品にも関わらず2017年現在でもアニメ化され世の中に受け入れられている。
本作が現代でも受け入れられている理由は、作品の一貫したテーマが人間の「欲」や「弱み」だからだと思う。
上記で説明したとおり登場人物の夢、願望は一度は叶うのである。しかし喪黒のセリフを借りるのならば「人の欲望というものには際限が無い」のである。登場人物は誘惑に負けてしまい自ら不幸に転げ落ちていく。お話はほとんどの場合「自業自得」だからこそ読者・視聴者は安心して楽しめるのである。(※喪黒が強引に不幸に陥れる場合も多い)
そんな作品を楽しんでいる我々もまた「人の不幸を見たい」という欲を潜在的に持っているのかもしれない。
似た漫画
せっかくなので同様に人間の欲や社会をテーマにしたオムニバス形式漫画を紹介しておきたい。
『Y氏の隣人』
[amazonjs asin=”B00S7MNVPY” locale=”JP” title=”Y氏の隣人〜傑作100選〜 1 Y氏の隣人~傑作100選~ (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)”]『Y氏の隣人』も1話完結の短編オムニバス作品となっている。『笑ゥせぇるすまん』では人の心が主テーマだが、こちらはドラえもんのように「不思議な」人物やアイテムが多々登場する。また、結末が必ずしも不幸にならない点も『笑ゥせぇるすまん』と大きく異なる。
試し読みはこちらから。1話完結なので8話分無料で楽しめる。気になった方はまず試し読みして欲しい。
『アウターゾーン』
[amazonjs asin=”B00AMB4OZY” locale=”JP” title=”アウターゾーン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)”]『アウターゾーン』は1991年から1994年まで少年ジャンプで連載されていたオムニバス作品。ホラー・オカルト色、セクシーシーンが多いことが特徴。新作『アウターゾーン リ:ビジテッド』も出ている。
試し読みはこちらがお勧め。
原作を無料で読む方法
原作は小学館の漫画アプリ『マンガワン』で無料で読むことが出来る。なお漫画を読めるおすすめアプリは下記記事にまとめているので確認してみて欲しい。