映画『白ゆき姫殺人事件』感想:情報社会の闇を描いた傑作ミステリー

Netflixで湊かなえ原作の映画『白ゆき姫殺人事件』を観たのでネタバレ無し感想。

スポンサーリンク

どんな映画?

『白ゆき姫殺人事件』は湊かなえのミステリー小説。インターネット上の炎上や報道被害をテーマとしており原作小説は2012年に発売、2014年に映画化されている。

原作の架空SNS「マンマロー」は映画では実在する「Twitter」に変更され、画面上にツイートが表示される演出が行われている。その他にも原作でライターだった赤星は映画ではTV局の契約ディレクターに改変されている。

魅力

情報社会の闇

本作は原作が2012年にも関わらずインターネットやSNS、報道の問題点を浮き彫りにしている。昨今の「フェイクニュース」による印象操作やSNSでの炎上を予見していた着眼点は見事というほか無い。人はSNSや報道で炎上した人を叩く際に「事実はこうに決まっている」「こいつはこういう奴だ」と決めつけて非難中傷している。しかし、事実は必ずしも自身の想像通りではない。人によって他人の見方は異なり、思い込みによるズレが少しずつ生じている。このギャップの集合する場所がSNSであり、その不確定な情報によって一つの方向に踊らされる人々を描いた様は現代の「私刑」執行の様と重なる。

徐々に明らかになる物語

ミステリーとしての物語の進め方も非常に上手い。契約ディレクター赤星による事件関係者へのインタビューを通じて事件の真相は徐々に明らかになっていくのだが、インタビューでは繰り返し同じ場面が描かれる。しかし、前述の通り「人によって」記憶した「事実」が異なるため、微妙な差が生じている。自身によって捏造された「都合の良い記憶」が明らかになっていく様が非常に面白い。「人によって捉え方が違う」という事実を見事に映像として表現している。

踊らされる視聴者

インタビューを通じて明らかになっていく「事実」に映画の視聴者もまた踊らされる。本作はミステリーとして犯人探しをするよりも、映画に登場するTwitterユーザー同様に一般人として情報に踊らされる方が遥かに楽しめる。序盤の自身の意見と視聴後の意見の変化もまた面白いポイントだろう。

感想

Netflixで見かけて観てみたが非常に楽しめた。SNSの不確定な情報に踊らされるリスク、急速に進む情報社会で正しい情報を掴む難しさが上手く描かれている。個人的にもブログ運営する身として情報ソースの確認は心がけているが、炎上で舞い踊るユーザー心理はよく分かる。記事内容によっては「叩く」ことが目的になっている読者も多い。日本における情報教育の重要性も再確認できる内容だった。

サスペンスとしても中だるみも無く最後まで緊張感を持って楽しめる良い映画だった。Amazonプライムでも配信中なので興味を持った方は是非観て欲しい。

スポンサーリンク
レクダングル(大)
レクダングル(大)

シェアする

フォローする



スポンサーリンク
レクダングル(大)