【感想】トイ・ストーリー4の評価が賛否両論になる6つの理由

7月12日に公開された『トイ・ストーリー』シリーズ最新作「トイ・ストーリー4」を公開初日初回上映で観てきた感想。

ネタバレ注意

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どんな映画?

「トイ・ストーリー4」はピクサーの人気アニメーション「トイ・ストーリー」シリーズ最新作。前作『トイ・ストーリー3』で綺麗に完結したその後を描いた作品となっている。世界興行収入は536億円を突破し世界中で大ヒット上映中。

賛否両論な理由

大ヒットシリーズ最新作ということで気になる感想だがTwitter上では賛否両論となっている。理由を一つずつ解説してみよう。

蛇足

そもそも『トイ・ストーリー』シリーズは『トイ・ストーリー3』で物語が綺麗に完結している。ウッディとアンディの物語を見事に描ききった3部作に対し「4」の立ち位置は実に中途半端だ。ボニーとの深い絆が描かれるでもなくキャラ魅力(ポー以外)が深まっている訳でもない。ファンにとって「4」は蛇足でしかない。

否定

+α のサイドストーリーが描かれる程度の蛇足ならまだしも「4」は過去シリーズで築き上げたテーマを真っ向から否定している。「トイ・ストーリー」でシリーズを通じて描かれてきたテーマはおもちゃと人間との「」だった。今作での彼らは単なる自我を持った玩具に成り下がっている。過去作で一貫していた「おもちゃ」としての幸せを真っ向から否定し私欲に走るラストには虫酸が走る。

ウッディの扱い

「1」から「3」までリーダーとして仲間たちを支えて輝いていた「ウッディ」は今作には登場しない。出てくるのは冒頭からボニーに無視され親に2度も頭を踏みつけられ、やることなすこと裏目に出てボーに批判され続ける惨めな玩具でしかない。今作の主役はあくまでポー・ピープであり、背景には昨今のディズニーのポリコレ的配慮が存在する。『シュガー・ラッシュオンライン』の方向性然り迷走があまりに酷い。

アンディの想いは?

1~3で描かれた「アンディ」と「ウッディ」の絆を尊く感じている人ほど「4」の内容は受け入れ難いはず。多くのファンは3のラストでアンディの意志はボニーへと受け継がれたと信じていた。4におけるウッディの扱いは物語を進めるための単なるであり、ボニーとの絆は全く描かれない。最終的には傷物になった挙げ句「無くした」状況に陥っている。こんなウッディの「その後」をアンディが知ってしまったら、どれ程悲しむだろうか。想像するだけで心が痛む。

キャラ魅力皆無

「トイ・ストーリー」シリーズヒットの理由は個性豊かで魅力的なキャラクターにある。しかし「4」では登場キャラの性格は大きく変わってしまった上に碌なことをしない。具体的にはバズは持ち前だった正義感を忘れて終始「内なる声」に従うだけ、ジェシーは「おもちゃ」として気づかれない範疇を超えてタイヤをパンクさせる迷惑行為。他のおもちゃも持ち主と家族など微塵も考えず好き勝手し放題。というか旧作のキャラは殆ど登場せず存在するだけ。シリーズで育ててきた最高のキャラクターたちの出番を削ってまで新キャラを掘り下げる必要はあったのか。というかギャビーギャビーの取り巻きは何で自我の無いゾンビ扱いになってるんだ。

世界の狭さ

シリーズを蔑ろにしてまで本作で描きたかったテーマは一応「広い世界」に対して「内なる声」に従って飛び込むことの重要性だろう。言いたいことは分かる。だがそれを「4」でやるな。幸せになったウッディと仲間たちとは無関係に「ポー・ピープのその後」で描いてくれ頼むから。肝心の世界も劇中では余りに狭く感じる。車に乗って旅行という時点で「シェフ 三ツ星フードトラック」的な展開を期待したが見事に裏切られた。やってることは移動式遊園地がある閉ざされた世界でトラブルに対処しただけ。作品テーマと内容が一致していない。

絶賛しているのはニワカ

つまるところ本作は『トイ・ストーリー』3部作とは全く別の作品として捉えるのが正しい。「アンディ」の想いは踏みにじられ、過去作品のキャラは活躍せず「おもちゃ」たちは『Detroit:Become Human』のアンドロイドが如く自我を持ち始める。おもちゃとしてのプライドよりも自分の「内なる声」を優先することに人間の愚かさを感じてしまうのは筆者だけだろうか。1~3で描かれた美しい世界は存在しない。

「俺がついてるぜ」「俺よりも君のこと気にかけるやつはいない」んじゃなかったの?時が流れても変わらないはずだった人とおもちゃ、仲間とのは「4」の結末により大きく変わってしまった。

感想

ラセター無きディズニーの没落ぶりを感じずにはいられない酷い内容だった。彼が何度も口にしていた「この作品で伝えたかったことは何だろう?」は今作でも掘り下げられたのだろうか。『魔法の映画はこうして生まれる』で宮崎駿はラセターについて

「彼は断固としてNOと言ってね、ハエたたきで潰すように叩きまわっていますよ」

と述べている。今作で作品の本質を理解し「NO」を言えた人物は居たのか?ラセターの意志は正しく受け継がれたのだろうか。「アンディ」の意志と同様に「新しい世界」にばかり目を向けて積み重ねてきた「本質」を見失っていないだろうか。良くも悪くも絶対的な力を持っていたラセターが解雇され、ディズニーは暗黒期に戻りつつある。

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コメント

  1. アバター より:

    非しかないじゃないですか
    それは良いけどタイトルと合わないでしょ