『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』がクソ映画過ぎる5つの理由

8月2日から公開開始された映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を公開初日に観てきた感想。

一応ネタバレなしだが、興味がある方は今すぐブラウザを閉じて事前情報無しで観ることをお勧めしたい。基本的にはネタバレ無しで語るのは不可能な作品。

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どんな映画?

『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は国民的RPG『ドラゴンクエスト』を題材にした3DCG映画。シリーズ5作目の『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』をベースとしており、オリジナリティ溢れる作品に仕上がっている。総監督を務めるのは『BALLAD 名もなき恋のうた』『STAND BY ME ドラえもん』で知られる山崎貴。キャストも有名俳優・女優が勢揃いしており注目度は高い。

良い部分

まずは映画として良い部分を紹介したい。

戦闘シーン

本作最大の魅力は大迫力で描かれる圧巻の戦闘シーン。シリーズお馴染みの敵キャラが多数出現し登場人物は画面中を動きまわり呪文を唱えまくる。3DCG映画ならではのスピード感、カメラワークも魅力的でVFX技術は間違いなく国内最高峰、戦闘シーン目的だけでも十分に楽しめるはず。さすが白組。勇者ヨシヒコとは予算が2桁は違う。

音楽

ドラクエのイメージで最初にすぎやまこういち先生の音楽を思い浮かべる人も多いはず。ゲーム史上最も有名な曲の一つである「序曲」を始めとした選りすぐりの名曲たちを映画館の大音量で何度も聴けるのは今しか出来ない体験。音楽はアレンジ無しの原曲仕様で「V」以外の曲も惜しげもなく使われるリッチな構成。人によっては目を閉じて曲を聴くだけの方が楽しめるはず。

DQ5は名作

『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』はシリーズ最高傑作との呼び声高く人気投票では毎回1位を獲得する神ゲーである。親子三代に渡り描かれる壮大な物語が高く評価されており、プレイヤー全員の心に残る例のシーンは度々ゲーマー同士の話の種になっている。本作は「5」を題材にしているのだから当然面白くなるはず

衝撃の展開

そんな名作である『DQ5』に対し映画では衝撃の展開を盛り込んでいる。これは観客全員予想だにせず呆気にとられるはず。人によっては原作の美しい記憶を上書きセーブされた上で山崎貴のことをゲマ以上に大嫌いになること間違いなし。観客の感情を大きく揺さぶる衝撃のラストを見逃すな。

悪い部分

筆者はこの映画が大嫌いである。前回記事の『トイ・ストーリー4』も酷かったが本作はそれを上回る。『ドラゴンクエスト』以前にゲーム文化を馬鹿にした内容が許しがたい。理由を一つずつ説明してみる。

ラスト

賛否両論のラストだが端的に言って「頭がおかしい」。本作を『ドラゴンクエスト』シリーズとして考えた場合、あの展開は明らかに不要な要素であり一番盛り上がるシーンで唐突に「現実」に引き戻して制作陣の「予想できなかっただろ?」顔を連想させた時点で映画としての体を成していない。

そもそも誰に向けたメッセージなのか。普通のプレイヤーなら一般的な「ゲーム」をプレイしている時点でとうに気づいている話で映画鑑賞中も「世界」に入り込んでいるにも関わらず、その世界を壊す権利が誰にあるのか。「監督の自己顕示欲」のためにSF要素を持ち出して作品を利用されたとしか感じられない。あのラストさえ無ければ人によっては良作に思えたはず。

原作改変

本作は『ドラゴンクエストV』ではない。あくまで『ユア・ストーリー』である。とはいえ「5」を題材にするならばファン的に許されない改変が数多く見られる。何でお前が天空の血を継いでるのか。なぜ家族一人を「なかったこと」にしたのか。あとキャラの性格変わり過ぎだろ。天空三部作なのにロトの剣を出すな。

ラストも含めてまともなDQファンなら冷めてしまう展開を平然とやってのける。PVとかでDQファンに向けた映画感を散々出しておいて作品を私物化するんじゃない。

駆け足な展開

展開の雑さもある程度は覚悟していたが『ブレイブ・ストーリー』を彷彿とさせる端折り方。特に冒頭部分は唐突すぎて狐につままれる感覚に陥る。それでも必至に「予算と尺の都合で仕方ない」と納得していたのを裏切るラストの展開。制作側の都合を作中で言い訳するのは映画史上初めて見たぞ。

誰に向けた」映画なのか分からないのは脚本においても同様で、DQ5未プレイの人には端折り過ぎて話が理解できず感情移入もしにくい。逆にコアなDQ5ファンには原作改変及びラストの展開は到底許せる内容ではない。ほどほどにDQ好きで当時を思い出したいライト層くらいしかターゲット設定できない気がする。

寒いギャグ

監督「山崎貴」の時点でお察しだがギャグは終始ダダ滑り。初日ということもあって満員だったが子供ですら一回も笑っていなかった。にも関わらず鳥山明デザインには程遠い顔芸を延々と見せ続けられる。キャストの演技も相まって非常にキツい。新手の拷問か。

そもそも山崎貴は映画監督としてのセンスに欠けており、園子温監督の名作『地獄でなぜ悪い』で言うところの「どうでも良い映画ばかり作って金を貰うバカ」にしか見えない。名作の上辺だけ掬って改変&私物化を繰り返し荒稼ぎする手法には反吐が出る。BALLADも未だに許せないし、『風の谷のナウシカ』を実写化しようもんなら袋叩きにされるぞ。それが許されるのは庵野だけだと理解してくれ。12月公開予定の「ルパン三世 THE FIRST」も故モンキー・パンチ先生の顔に泥を塗る作品でないことを願う。

愛が無い

本作の根本的な問題点は作品に対する「」が無いことに尽きると思う。海外では『名探偵ピカチュウ』や『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のように熱狂的な崇拝者による二次創作作品が大ヒットしている。国内においても今週配信されたばかりの『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』における『勇者』の作り込みと比較しても余りに浅く『ドラゴンクエストヒーローズ』『ドラゴンクエストライバルズ』などの絶妙なキャスティングとの落差も酷い。ギガンテスがルーラを使ったりベギラゴンで火炎放射する辺り設定すら理解しているのか怪しくて『DQ』信者でないことは明らかだ。せめてシリーズ作品を10周はプレイしてくれ。スタートラインにすら立てていない。

同様のメタ手法を用いた名作映画としては『LEGOムービー』が挙げられる。同作は『LEGO』に対する愛が作品内の至るところに詰め込まれていたからこそ名作になり得たのであり、ファン心理に沿った内容で今回のような変化球は用いられていない。対する『ユア・ストーリー』のオチは『ドラゴンクエスト』である必然性が全く無い。あのメッセージはゲーム全般に言えることで少なくともファンが期待する映画化一作目でクリエイターが前面に出て説教する内容ではない。

感想

映画として頑張っている部分もあり「賛否両論」にはなり得ると思うがファン的には「」が圧倒的に強い。上映後に映画館を出る際に前のオタク2人が話していた「あれは無い」の会話が脳裏に焼き付いている。クリエイターなら一部が喜んでも大勢のファンが悲しむ作品作りをするべきではない。名作アニメ『SHIROBAKO』における木下 誠一監督の台詞「〇〇の良いところ、長所をすくい上げてファンに届けたい」「みんなに幸せになってもらいたいんだよ!ウィンウィン!」の精神はあったのだろうか。私には「ユア・ストーリー」ではなく「山崎貴・ストーリー」としか思えなかった。

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コメント

  1. アバター 匿名 より:

    これクッソおもんなかったわ

  2. アバター 匿名 より:

    監督が原作プレイしたことない時点で論外
    ラストで「こんなゲームの映画見てるお前らお子様イェーイw」ってやってるほうがよっぽど性根の腐ったクソガキだと思う
    スクエニの誰かが監修しろ

    • タコッケー タコッケー より:

      コメントありがとうございます。
      本当に未プレイなんですかね?
      ソースが不明なので何とも言えませんが原作愛が無いことは確かです。
      「大人になれ」のメッセージに「お子さま~」の意味合いがあったとは思えませんが、そう捉えられても仕方ない扱いですよね。
      一応堀井さん監修してるはずなので同罪では?
      変わったこと好きな人なのでOK出すのも頷けますが「ファンの期待を裏切らない」ことを再重視して欲しかった。
      ありがとうございました。