PSVR『バウンド:王国の欠片』感想:芸術性に全振りしたクソゲー

2017年9月にフリープレイとして提供された『バウンド:王国の欠片』をPSVRでプレイした感想。

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どんなゲーム?

『バウンド:王国の欠片』はSIEサンタモニカスタジオとPlasticが共同開発したPS4向けDLソフト。抽象画を思わせる作品世界の中でバレエダンサーのように舞い踊る主人公を操作するアクションアドベンチャーとなっている。

ゲーム会社として聞き慣れないPlasticはポーランドの会社で元々はデジタルアートを制作する会社。過去にはPS3向けに『Linger in Shadows』や『DATURA』等の異色作を生み出している。

本作も過去2作同様の異色作となっており、ゲームというよりもインタラクティブなアート作品と考えたほうが良い。

魅力

世界観

本作で圧倒的な魅力を放っているのは世界観だろう。ゲームシーンのどの瞬間もアート作品のような魅力的な画となっており、この芸術世界を動き回れるだけで本作は唯一無二の魅力をもっている。

カメラ移動は固定視点を飛び飛びで動かす方式となっており、どのシーンも計算された魅力的な画になっている。画面内で動き回る主人公もバレエのモーションで移動、ジャンプ、ガード等を行うため予備知識無しで見た場合、ゲーム画面とは気づかないだろう。

VR対応

本作はPS4向けゲームだがPS VRにも対応している。プレイするとアート作品の中に自分が入りこんだような感覚になる。また、カメラは固定視点となっているのでプレイしていて酔いも感じづらく画質も良い。本作はPS VR対応によって魅力を数倍に伸ばした作品となっている。

ゲーム性

アート作品としては魅力的な本作だが「ゲーム」作品として考えた時に評価が分かれることは間違いない。ゲームとして足を引っ張っているのは「アクション」と「ストーリー」だと思う。

本作のアクション内容は非常にシンプルである。「マリオ64」を彷彿とさせる内容で移動、ジャンプ、ダッシュ、ガード程度しか出来ることは無い。しかし、このアクションがストレスが溜まりやすい仕様なのである。カメラは前述の通り固定なためジャンプは距離感を掴みづらく、進行する方向も掴みづらい。そして無意味にガードを強要させられるシーンも多い。キャラクターを動かして楽しいのは序盤だけで、VR疲れも相まりプレイしていて後半は「さっさと終わって欲しい」一心となっていた。

本作をアート作品として割り切る場合は「ストーリー」が課題だろう。本作のテーマは幼少期の「トラウマ」である。そのため雰囲気ゲーとして楽しむには重すぎるし、そもそもクリアして「トラウマ」を明らかにするのが気持ち良い訳が無い。妊婦の体験と自身を重ね合わせる導入部分も存在しないため、「他人のトラウマ」に付き合う数時間を体験することになる。これはゲームの構成として問題だと思う。

感想

サンタモニカらしい非常に尖った作品だった。良し悪しは別としてVRでプレイすることで記憶に残るゲーム体験を出来ることは間違いない。

しかしゲームとして考えた時には課題が多いのも事実だろう。このマイナス点が『風ノ旅ビト』になれなかった部分だと思う。アート性は非常に高いために非常に勿体無い

ちなみにクリアしてもトロフィーを一つも獲得できないのもトロ厨としてはマイナスポイント。クリア後のやりこみ要素もタイムアタックというやる気の出ない内容なのも問題。

アート性に全振りした結果、「驚き」から最初の5分は楽しめるが以降は下がるだけの内容だった。ステージごとに変化が少ないのも「トラウマ」を題材にしてる割には弱い。とはいえゲームという文化における試みとしては面白いのでサンタモニカ、Plasticには今後も意欲的・前衛的で尖った作品を生み出し続けて欲しい。

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