『Firewatch』感想:B級映画感覚で楽しむ「おつかいゲー」

PS4版の『Firewatch』を日本語字幕でクリアした感想。

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どんなゲーム?

『Firewatch』はアメリカの自然保護区を舞台にしたミステリーアドベンチャー。プレイヤーは森林火災監視員として山の監視塔から山火事が起きないか見張り、トランシーバーを通じて別の監視員の女性「デリラ」と会話を行う。やがて森林公園内では奇妙なできごとが発生し…。

海外では数々のアワードを受賞しており、PS4版には待望の日本語字幕が追加された。PS4版の価格は1,980円。PC版も日本語字幕が追加される予定。

特徴

印象的な物語

本作を特徴づけているのは主人公の「森林火災監視員」という役割設定、別の監視塔の上司「デリラ」との通信手段はトランシーバーのみというシチュエーション、そして自然保護区という舞台である。こんなの「何も起きない方が不自然」であり、設定時点で興味を引く内容となっている。

物語は「デリラ」の指示通りに動く「おつかい」を繰り返すことで進行する。この作業感は本作を「アクションゲーム」として捉えた場合には辛く感じると思う。本作は飽くまで「アドベンチャー」であり、トランシーバーを通じた会話がメインの「サウンドノベル」とも捉えられる。道中の指示はロールプレイの一環と割り切った方が良い。

しかし、その分物語は想像以上に揺れ動き面白い。詳細はネタバレになるので書けないが、切なさも感じられる大人版「スタンド・バイ・ミー」のような仕上がりとなっている。ゲームとしての問題を乗り越えさえすれば、ひと夏の山での騒動を体験することが出来る。

自然

舞台となるアメリカ・ワイオミング州の自然保護区も小規模ディベロッパー開発とは思えない完成度。細かなゲームデザイン部分ではインディーらしさも垣間見えるのだが、マップは起伏に富み自然を感じられる見事な仕上がりとなっている。ゲーム途中で入手できる「インスタントカメラ」で風景の撮影も出来るので印象的な風景を収めておくと良いだろう。

最初は箱庭としての広さに驚き、ガイドアロー等も無いため地図とコンパスに頼る非現代的なゲーム内容に失望すると思う。しかし、終盤になると自分の庭のような地理感が身につき、地図も読めるようになっている。このプレイ感覚が自身も「自然保護区」で生活していた様に感じられて心地良い。

一人称視点

足を引っ張るのは「アドベンチャー」ジャンルのゲームとしては珍しい一人称視点。『フィンチ家の奇妙な屋敷で起きたこと』や『Everybody’s Gone to the Rapture -幸福な消失-』なども一人称視点だったが、本作は比較にならないほど酔いやすい。というのも高所から飛び降りたり、向こう側へのジャンプの際に画面全体が大きく揺れ動くのである。プレイ時間自体が短めなことが唯一の救いだが、FPS等に慣れてない方は注意が必要。

オプション設定で「頭の揺れ」をオフにも出来るのでこれからプレイする方は設定を確認してゲームを始めて欲しい。

感想

各種アワードを受賞するなど高評価なので期待してしまったがゲームとしては凡作だと思う。「ゲーム的な楽しさ」が余りに無さすぎる。そのため本作の評価の分かれ目は純粋な「物語」に対する評価そのものになってしまう。

また、海外では声優の演技も高評価ポイントだったのだが日本語音声が無いのも残念な点。売上的には厳しいだろうが「話している」感覚はやはり字幕では感じづらい。なお翻訳自体は『Undertale』『ローグ・レガシー』等で知られるハチノヨンが担当しているので文句の付け所が無い素晴らしい出来。

文化的な映画を1本見る感覚で購入・プレイすると良いゲームだと思う。本作を「ゲーム」として捉えるには底が浅すぎる。とはいえサクッとプレイできるのも魅力と言えるので興味を持った方はプレイしてみて欲しい。

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