【DQM3】体験版感想:DLC商法と画質は残念だが面白さは満点

12月1日に発売が予定されている『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』。本作の体験版が9月15日より配信開始されたためプレイしてみた感想をまとめる。

どんなゲーム?

ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅 [Nintendo Direct 2023.9.14]

『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』はスクウェア・エニックスから発売されているRPG「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズ最新作。

  • 1998年
    • 『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』
  • 2001年
    • 『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵』
  • 2023年
    • 『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』

ナンバリング作品としては実に22年ぶりに発売される本作は『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の世界観をベースとしており、魔王の血を引く主人公「ピサロ」が父への復讐を目指す物語が描かれる。

面白い点

体験版のプレイ時間は約3時間ほどだが率直に言って製品版の内容にも期待できる仕上がりとなっていた。魅力を一つずつ解説していきたい。

DQ版ポケモン

ドラゴンクエストモンスターズシリーズ最大の魅力といえば鳥山明先生がデザインした魅力的なモンスターが多数登場し、好きなパーティを組んで冒険できることが最大の魅力だろう。今作には500種類以上のモンスターが登場しこれはポケモンSV発売時の400種類と比べても見劣りしない。

広大なフィールドでは時間経過で四季が移ろい出会えるモンスターも変化するため、延々とモンスターを仲間にし続けるだけでも楽しめる。各モンスターは持っているスキルや成長しやすい能力も異なるため、自身が目指すパーティの方向性に合わせてサポートや回復のバランスを重視したり物理攻撃特化にするなど組み合わせを考えるのも楽しい。

なお本作における仲間モンスターのパーティはテリワンSPなどと同様にモンスターのサイズによって使う枠数が異なる。

  • Sサイズ×4
  • Sサイズ×2+Lサイズ
  • Lサイズ×2

上記のように4つのパーティ枠をどのモンスターを主軸としてパーティを組むか考えるのも本作ならではの魅力だ。過去作の3枠使用のギガボディは廃止された模様。

配合システム

ドラゴンクエストモンスターズシリーズの大きな特徴である「配合」システムも大きな進化を遂げている。過去のナンバリング作品における♂♀の縛りは無くなり目的のモンスターを探しやすい検索配合も新たに用意された。

また、モンスター固有の特殊配合の表現も分かりやすくなっておりプレイヤーは昔のように攻略本片手に配合表を調べる必要は無い。スキル継承の仕様も過去のGB作品と比較しても分かりやすいスキルシステムを採用。攻撃や回復・サポート特化のスキル構成も組みやすく今作が初めてのプレイヤーにも優しい仕様となっている。

シビアなゲームバランス


レベルアップ時に全回復する等システム周りは優しくなった反面、RPGとしてのゲームバランスは比較的シビアで骨太な戦闘を楽しめる。フィールドで出会える大型モンスターは普通に手も足も出ないレベルで強く序盤の闘技場もしっかりとレベリングや編成を考えないと突破できない程よいバランス。配合が開放されるまでの道中は普通に辛い。筆者は甘く考えてレベリングもせず適当な攻撃特化編成で挑んだら普通に全滅した。体験版でこれなのでゲーム本編ではパーティ内の役割を明確にして、対策を考えて組む必要があると思う。やりこみ要素のDLC難易度にも期待できる。

気になる点

ここからはプレイしていて気になった点をいくつか紹介する。

画質

筆者は初代『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』をリアルタイムで友人とプレイしていた世代である。当時を振り返るとドラゴンクエストのキャラクターや音楽、世界観を活用した『テリワン』は当時のソフトとしては画期的なグラフィックを有しており、ゲームボーイカラー対応のドット絵のクオリティは極めて高かった。

それと比べると本作のグラフィッククオリティは低いと言わざるを得ない。実際にプレイしてみるとネット上でネガキャンされているほどは気にならないものの、”DQMシリーズ最新作”としては残念で特にプレイ開始直後の部屋の中が一番酷く初期のPS2レベル。フィールドに出てしまえば気にならないのだが室内のライティングや床や壁のテクスチャはどうにかならなかったのか。なおモンスターの3Dモデルはかなり気合が入っており、モーションも良い感じだった。

ロードや戦闘テンポ


RPGジャンルにおいて何千回と繰り返す戦闘のテンポは非常に重要。今作の戦闘テンポはまぁ許容範囲だが細かいところが気になるレベル。シンボルエンカウント時には若干の暗転ロードが挟まり戦闘終了後の勝利演出経験値上昇表示も煩わしい。倍速戦闘は用意されているが2倍まで。クリア後等に3倍速が開放される可能性もあるが、ポケモンのレッツゴーや過去作のオート戦闘に慣れてる人には辛いかもしれない。細かい不満だがスカウト時にも経験値は入らない。

他にもマップを開くのが遅かったりダッシュが無かったり、若干の苛つきポイントは多数存在する。もちろん製品版までに改善されている可能性は非常に高いが、特に戦闘開始時のロードは絶対に無くして欲しいところ。

単調なマップ

マップについてはポケモンSVのパルデアの大穴を彷彿とさせる程度には広いのだが、中身はスカスカで無駄に広い中にポツポツとモンスターが存在し稀にアイテムや宝箱が存在するようなバランス。どうせ道中のアイテムは使わない人が多いので量は増やしても良い気がするし他国マスターを登場させたりLサイズの出現率を調整して欲しい。

その点では過去のナンバリング作品は画期的でテリワンは「不思議のダンジョン」シリーズのようなランダム生成マップを使用しており、イルルカでは登場するモンスターや雰囲気も全く異なる世界に行ける「鍵」が用意されていた。

本作は少なくとも体験版時点では上記のようなランダム要素を含むマップは存在せず、別の世界に行ける「トラベライト」の行き先もストーリー進行上の場所に固定されている。ストーリークリア後や今後の配信などでイルルカの「鍵」のように特定種族が出現する「トラベライト」が出てくるか次第で本作のやりこみ度合いは全く異なってくるのだが恐らく自動生成ダンジョン要素はDLCのみ。

DLC商法

今作は発売日と同時に複数のDLCが配信される。

  1. 追憶のモグダンジョン(1,320円)
  2. エビ師範の修練迷宮(1,320円)
  3. 時の無限ボックス(880円)

1の追憶のモグダンジョンはテリワンSPでいう「めぐりあいの扉」であり、作るのが難しいモンスターを素材として再入手する手間を考えるとやり込む上では必須

2のエビ師範の修練迷宮が前述した自動生成マップに当たる内容でクリアすると育成に役立つアイテムが得られるとのこと。つまりオンライン対戦をガチでやり込むなら必須

そして3の時の無限ボックスに関しては一定時間ごとに下記のアイテムが順番に得られるとのこと。

  • ほねつきにく×5
  • 超いのちのきのみ×3
  • けんじゃのせいすい×5
  • 元気玉×3
  • 超スキルのたね×3
  • 経験値の書・メタスラ×1
  • 季節のこな×5
  • しもふりにく×3
  • 超ふしぎなきのみ×1
  • 超元気玉×1

どれもこれも育成に超役立つアイテムばかりなのでオンライン対戦をするなら必須

つまり本作をソロでクリアして満足~というプレイヤー以外は上記のDLC3つ(3,520円)の課金は必須となる。あまりに露骨なP2W過ぎてDLC商法と批判されても仕方ない。これらのDLCを含むマスターズ版が本作の定価だと考えたほうが良いだろう。マスターズ版はAmazon等なら比較的安く手に入るし昨今のフルプライスゲームと比べてもまあ許容範囲だとは思う。

感想

色々と書いたがDLC部分まで含むとナンバリングに相応しい出来にはなっており筆者も安心してマスターズ版を予約させて頂いた。マスターズ版を購入さえすれば皆が幸せになれる作品なので皆もマスターズ版を買おう。ロザリーは可愛い。

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