先月フリープレイで配信された鳥類恋愛ADV『はーとふる彼氏』をクリアした感想。
どんなゲーム?
設定こそ奇抜だが、中身はしっかりとした恋愛アドベンチャー。同級生や学園の教師となる“鳥”たちと交流して心を通わせていく『はーとふる彼氏』の見どころを紹介! https://t.co/OrMt4EmnNr #PS4 #PSVita pic.twitter.com/HMw0adn4QY
— プレイステーション公式 (@PlayStation_jp) 2016年3月25日
『はーとふる彼氏』はPS4, PS Vita, PC向けに販売されている女性向け恋愛ADV。ハトばかりが集まる名門校「聖ピジョネイション学園」で人間のプレイヤーが8羽の魅力的な鳩たちと学園生活を送る。
価格は1,000円で追加シナリオを楽しめる「はーとふる彼氏 HolidayStar」も販売中。
魅力
ガチで「ハト」
本作最大の魅力は攻略対象のキャラクターが「ハト」という超マニアック仕様を貫き通していることだろう。プレイヤーはゲーム内に登場する唯一の「人間」であり、他の登場鳥物は全て「ハト」である。アニメ・漫画にありがちな「擬人化」設定や「可愛いイラスト」は存在しない。プレイ中に表示されるキャラクター画像は実写のハトそのものであり、シナリオ中の行動・習性もハトそのものである。
下手すると一発ネタのシュールギャグで終わってしまう設定を本作では真面目に恋愛ADVとして落とし込んでいる。プレイしていると次第に人間とハトが恋愛することに違和感を持たなくなり、鳥類に対する恋愛感情さえ芽生えてくる。鳥類恋愛ADV入門としてもお勧めできる。
ストーリー
ストーリーは定番どころを押さえつつも非常に奥深い。攻略対象となるハトは8羽存在し、どこかで見たようなキャラ設定のハトが用意されている。登下校を一緒にする幼馴染のカワラバト、貴族のクジャクバト、内気で図書室に籠りがちなナゲキバトなどお気に入りのハトを狙って攻略するのも良いだろう。
キャラ魅力だけでなく物語も一筋縄ではいかない。EDは11種類とBADエンドが用意されており、ミステリー的な展開や伏線、SF要素も存在する。ネタゲーとして舐めて掛かると豆鉄砲を食らうこと間違いなし。
ゲーム性
ゲームとしても同人レベルを遥かに凌駕している。選択肢やパラメータにより好感度が変動してシナリオが分岐したり、イベントCGを閲覧可能なギャラリーモード、資料閲覧可能なアーカイブモードまで用意されている。トロフィー攻略も含めてやり込むとがっつり十時間以上は楽しめる。
とはいえ作りの甘さも目立つのも事実でテキストが見切れていたり、スキップ機能が不十分、バックログ機能やオートセーブも存在しない。元がエイプリルフールネタの個人開発ゲームだったことを考えても多少は目をつむる必要があるだろう。
感想
フリープレイでネタとしてやってみたが想像以上に楽しめた。シナリオ自体がしっかりしているし、ゲームとして十分楽しめるクオリティでトロコンまでプレイしてしまった。正直BBL編に関しては蛇足だと思う。文章自体のクオリティはともかくとして只々長い。やりたいことは分かるが要点を掻い摘んで綺麗にまとめて欲しかった。
1,000円という価格に見合うかは微妙だが概要を聞いて興味を持てた方は十分楽しめると思う。PS4で遊ぶゲームがなくて時間を持て余している方は是非プレイしてみて欲しい。