『The Stanley Parable』感想:ナラティブの傑作

Steam配信されている奇ゲー『The Stanley Parable』をクリアした感想。ネタバレ無し。

どんなゲーム?

ゲームを紹介する前に下記に該当する方は今すぐブラウザバックしてゲームを購入し遊び始めることをオススメする。

  • 本作に興味がある
  • 価格を高く感じない(or セール中)

というのも本作は前情報が無ければ無いほど楽しめる作品である。下手に迷って情報を集めてしまうよりも体験版でも良いからプレイし始めたほうが後悔が少ない。

魅力

「ゲーム」として非常に特徴的な内容の本作。魅力を一つずつ解説してみよう。

ナラティブ

例えば右と左のドアが存在する。ナレーターに「あなたは左の扉に入りました」と言われたなら貴方ならどうするだろうか。

本作は俗に「ナラティブ・ゲーム」と呼ばれる類のプレイヤーの行動によって物語を形成する作品である。予め決まった物語を見るためにイベントをこなす類のゲームとは異なり、プレイヤーの行動によって物語の展開が大きく変化する。選択が展開に影響を及ぼすこと自体はゲームにおいては珍しくない。しかし、本作はその分岐が多岐に渡っている。例えば上記の場面でも「左のドアに入る」「右のドアに入る」「来た道を戻る」「動かない」といった無数の選択肢が存在し、各行動に対するナレーションもブラックジョークが効いていて面白い。自身が物語を生み出す「ナラティブ」の魅力を存分に味わえることが最大の魅力だろう。

予想不可な展開

本作はナラティブでありながら展開が全く予想できない。良かれと思った行動が思いもよらぬ結果をもたらすことも多い。遊び続けていると意味不明な展開の連続に脳が混乱し、自分は何をしているのかと不思議な感覚に陥ってくる。この作品は少なくとも私が知っている「ゲーム」ではない。全く新しい体験の形とも言える。

短時間で濃密な体験

本作は1プレイの時間は決して長くないものの何度も遊びたくなる魅力を秘めている。ゲーマーなら「左」のドアを選んだ後は「」を選びたくなるのが性だろう。すべての選択肢を潰しつつ新たな展開を見るのが楽しくて仕方がない。当然エンディングは複数用意されており、いずれの展開もユニークでクレイジー。考えさせられる内容も多い。セール時ならわずか数百円、数時間のプレイでは得難い魅力を本作は持っている。

感想

同じく「ナラティブ」の『Her Story』をプレイした後だったが、本作は趣が全く異なった。楽し過ぎて実績も火曜日に起動し続けるもの以外は全取得した。遊んだ後は思わず人に話したくなる内容でネタバレ出来ないのが何とももどかしい。それほど本作の魅力はネタバレ無しには伝えづらいものがある。合う合わないはありそうだが、気になる方は損はしないと思うのでまず遊んでみて欲しい。

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