『Her Story』感想:唯一無二のプレイ感、彼女の真実とは?

Steamにて配信中の推理ゲーム『Her Story』を最後までクリアした感想。ネタバレ無し。

どんなゲーム?

Her Story | PLAYISM

『Her Story』は実写ムービー、検索を題材にした全く新しいアドベンチャーゲーム。プレイヤーは警察のデータベースに単語を入力して動画を検索。分割された動画データを視聴することで真実を明らかにしていく。インディーゲームとして高く評価されており、Bafta, IGF, GDC, The Game Awards 2015といった賞を総なめにした話題のゲーム。

Steamにて日本語版が好評配信中。定価は598円でサマーセール中は60%オフの239円で購入可能。

魅力

唯一無二のゲーム

本作最大の魅力はゲームとして今までに無いプレイ感を味わえることだと思う。プレイヤーは事件について単語を入力して動画を検索・視聴し、分かった情報から新たにキーワードを入力して検索を行う。この流れが「ゲーム」というより現実世界で情報を調べる際と全く同じであり、ゲーム画面を通じて実際に「捜査」をしているような不思議な感覚に陥る。容疑者である「彼女」の物語でありながら捜査を行う「あなた」の物語にもなっている作りは見事と言う他なく、ゲームとしての切り口が斬新で素晴らしい。

「彼女」の演技

本作でビデオに映る女性を演じた「ヴィヴァ・セイフェルト」の演技も素晴らしい。本作に登場する女優は彼女だけなのだが、場面によって全く別人のように感じられる。極端な話「ムービーを見るだけのゲーム」である本作を名作たらしめているのは彼女の演技力が根底にある。彼女が語る内容を追いかけるだけで濃密なサスペンス映画を1本見たような体験を出来たのが印象深かった。

脚本

犯罪を題材にした推理ゲームで最も重要なのは物語である。世の中のゲームには「物語」を見るためにゲームを進めるような作業感の強い作品も存在するが、本作の場合はゲーム性ありきで脚本が作られている。シンプルに見えつつも奥深く、ゲーム性とも非常にマッチした内容が素晴らしい。クリア後も考察する要素が多く2度3度美味しい内容となっている。

感想

ゲームというメディアが持つ一つの魅力である「追体験」の新しい可能性を示したゲームだった。本作をクリアした記憶は自身の人生体験として刻み込まれており、忘れ難いものとなり得ている。日本語化されているのは字幕のみで海外勢と同様のゲーム性を味わえないのは少し残念だが、本作の根幹を成すのが女優の演技だと考えると致し方ない気もする。ゲームとしての魅力が中々伝わりづらい作品だが非常に価値のある良い作品なので興味のある方は是非遊んでみて欲しい。

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