10月1日、Googleは新たなゲームストリーミングサービス「Project Stream」を発表した。同サービスがゲーム業界に与える影響について考えてみたい。
どんなサービス?
Googleがゲームストリーミングプロジェクト「Project Stream」を発表、Chromeで最新ゲームがプレイ可能にhttps://t.co/I5NL5dT99k
— GIGAZINE(ギガジン) (@gigazine) 2018年10月2日
「Project Stream」はGoogleが提供する新たなゲームストリーミングサービス。ユーザーはChromeブラウザから最新のAAA級タイトルをプレイできる。海外で10月5日からテストプレイを開始。現時点では日本国内でのサービス提供は未定となっている。
特徴
天下のGoogleがクラウドゲーミングに本格参入するということで注目度は非常に高い。ゲームストリーミングの特徴を一つずつ解説してみる。
初期投資が不要
ゲームストリーミングではゲームの演算処理はサーバー側で行われるため、高価なゲーム機本体が不要となる。現時点はPC上での動作が前提となるが将来的にはスマートフォンやTV単体での動作が可能となり、必要なのは操作するためのコントローラーのみになるはず。Googleが展開するテレビ用デバイス「Chromecast(クロームキャスト)」への対応も当然見越しているだろう。
高速なネット回線が必要
ゲーム機が不要となる一方、遠方のサーバーから映像・音声を受け取り入力を送信する関係で高速なネット回線が必須となる。なお「Project Stream」のテスト参加者の申し込み資格におけるインターネット接続環境は25Mbps以上の安定した接続環境。接続速度はこのサイトで調べられるがハードルは決して高くない。それでも上記の動画の通り高画質・低遅延なゲームプレイが可能だというからGoogleの技術力には驚かされるばかり。
サブスクリプション
現時点では実際のサービス開始時期、料金は判明していないが『Netflix』や『Spotify』『Amazonプライム』のような月額サブスクリプションモデルが採用されると予想される。ユーザーは毎月一定額を支払うことで最新のゲームやGoogle独自のゲームを楽しめるようになるはず。個人的には『アサシンクリード オデッセイ』のような新作が遊べて月額3,000円以内なら即加入したい。
競合サービス
ユーザーを奪い合う形になるのはPS4が販売好調なソニー、Switchのオンライン化を実施した任天堂、Xbox率いるMicrosoftだろう。この中でも一歩先を進んでいるのは他社に先駆けてストリーミングサービス「PlayStation Now」を提供し、月額サブスクリプション『PlayStation Plus』が絶好調なソニー。
「PS Now」は正直高すぎる利用料金と微妙なラインナップで魅力を感じないが、Googleという強力なライバルが表れることで競争が激化しコンテンツが充実することに期待したい。なお任天堂のNintendo Switchはセンサーだらけの特殊ハードであり、携帯機ならではの魅力も持ち合わせている。自社ソフトの強みと「Nintendo Labo」のような独自路線があるため、ストリーミング時代も生き残れると思う。
Googleの本気
無料プレイのテストタイトルにAAA級の『アサシンクリード:オデッセイ』を引き下げ、スマホ業界のみならず据え置き市場も狙いに来たGoogle。ソニーはストリーミングサービス「Gaikai」を2012年に買収する等行動は早かったがサービス面での魅力を打ち出せていない。大手ゲームメーカーのヘッドハンティングを水面下で進めていたGoogleに勝てるのか行方が気になる。
ゲーマーとしてはこれを機にゲーム開発の競争が激化し『Netflix』にアニメ業界が救われたようにGoogleがゲーム業界の救世主になってくれることを期待したい。まずは日本でのサービス開始を楽しみに待つ。