3月23日に発売したPS4, PC用ソフト『二ノ国Ⅱ レヴァナントキングダム』をクリア&プラチナトロフィー取得した感想。ネタバレ無し。
↓序盤の感想やゲーム紹介は過去記事を参照
魅力
プレイした感想だが、全体として非常に楽しむことが出来た。ゲームとしての作り込みが丁寧で子供やRPG初心者にも強くお勧めできる。その魅力を一つずつ解説してみよう。
JRPG
『二ノ国2』は古き良きJRPGとしての魅力が存分に詰まっている。王道のストーリー、自由に散策可能なフィールド、膨大なサブクエストなどプレイ中の楽しさ・ワクワク感は昨年発売した『DQ11』に匹敵する。
本作を『ドラクエ』と比較した場合、特に秀逸なのはサブクエスト・キングダムモードに代表される寄り道要素だろう。サブクエや王国の開発を進めるとバトル進行が有利になる等メリットが大きいため、ついストーリー進行を忘れて没入してしまう中毒性がある。一つずつタスクを消化し進んでいる感も気持ちが良い。
JRPGとしては多くの不満・問題点が解消されており開発期間4年にふさわしい出来栄え。クエストを進める際は目的地設定&ワープ可能で移動の煩わしさは感じないし、シンボルエンカウント制なので戦闘を避けるのも簡単。そもそも戦闘自体がアクションなのでプレイスキル次第でゴリ押しが出来る。敵が強すぎて戻ってレベル上げしなきゃ~ということも無い。ゲームとしてのストレス要素はほぼ除外されている。
ハクスラ
ゲームのクリア時間自体は40時間程度とJRPGとしては一般的だが、本作はそれ以上のボリューム感を感じられる。その理由が素材・装備収集、ダンジョン探索に代表されるハクスラ要素だろう。
武器や防具、アクセサリー類といった装備にはランクや追加効果、レアリティが個別に設定されており同じ種類の武器でも効果やステータスが全く異なる。敵を倒した際にレアな装備がドロップされると大変嬉しい。素材の種類も膨大でフィールドを歩くだけでどんどん手に入り、王国開発でも自動で集めてくれる。より良い装備や素材で自身を強化していく楽しさは『モンハン』シリーズにも通ずる楽しさ。
課題
ゲーム部分は楽しい『二ノ国2』だが課題も多く見られる。
無難な物語
ストーリーは「THE 王道」な反面、これといった驚きや感動は感じられない。物語は終始「想像の範囲内」で揺れ動き、無難な着地を決める。悪く言えば子供向けであり、尖った世界観・物語が特徴の『ニーアオートマタ』とは対称的な脚本と言える。シナリオがレベルファイブ日野という時点で期待しないほうが良い。
声優の演技
本作はジブリ風なビジュアルに合わせてメインキャラクターの声優を有名俳優・女優が担当している。主要キャラのキャストは下記の通り。
- エバン:志田未来
- ロウラン:西島秀俊
- シャーティ:門脇麦
- ガットー:吉田鋼太郎
- セシリウス:山崎育三郎
- シャリア:木村文乃
ジブリ作品でこそ生命力に溢れた映像とのギャップが「温かみ」に感じられたのだが、本作ではマイナスにしか作用していない。戦闘中に1000回以上は繰り返し聞く演技は今も脳裏にこびりついており、もしプロの声優が担当していれば~と考えると非常に残念。許せるレベルだが勿体無い。
進軍バトル
国王として軍隊を率いて戦う「進軍バトル」の完成度も全体で見ると残念な点。最初の数回こそ楽しめるのだが、ゲームとしては単調で作業感満載。メインクエ進行上の回数が少ないことが唯一の救いだが、いっその事無くした方がが良かったと思う。用意されたボリュームと楽しさが釣り合っていない。
この「進軍バトル」が地獄になるのは、やり込みでトロフィー取得を目指した時。自分でチェックリストを作り、ランダム発生するバトルを延々と消化する苦痛な時間が待っている。
感想
尖ったポイントが無く、無難にまとまり過ぎている事や一部不満点も見られるが全体としては良ゲーであることは間違いない。アクション部分やJRPG要素がツボに入れば名作に感じるだろう。しかし、万人がプレイするべき神ゲーかと聞かれると絶対に違う。感動できる物語やゲームとしての魅力に欠けている。あらゆる部分を80点以上で抑えてきた優等生なゲームという感想が一番しっくり来る。減点方式でのレビューでは評価も高くなる傾向が強い。
個人的には全体がクソでも一部だけ突出した魅力を放つゲームが好きなので本作は合わなかった。1年後にはストーリーを完全に忘れていると思う。とにかく印象が薄い。今後DLCも用意されているようだが、内容的に中古価格が安くなるのも早いはず。価格次第では十分楽しめる作品なのでタイミングを見極めて楽しんで欲しい。
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コメント
そりゃあ、いいとこ取りの二ノ国2だからつまんないわけだよ。ほぼドラクエ11と■と△は、龍が如くぽいし
東様、コメントありがとうございます。
全体的に良いけど尖った部分は無い作品ですよね。
プレイ感はDQ11と全く異なりますし、□△のアクションは龍が如くに限らないのでその主張は謎です。
ありがとうございました。
今更ながら「王道的なRPGはないか?」と行きついた本作。
だが、『確か1作目は開始10分でやめてしまったあの二ノ国?』と一瞬腰が引けましたが安さに押され手を出しました。
結果、仰る通りですね。
「王道的」を求めていましたが、ここまで安易だと残念。
ストーリーの先の先まで読めてしまって驚きはない。
逆にうまくいきすぎる内容に[?]が付きまくる。
アニメがジブリだったり、久石譲起用したりと、ジブリ感満載ゲームを模索したのでしょうが、そこに力入れるならまずはシナリオだろ?と思えます。
それに輪をかけるように気になったのが、動きのもたつき・・・
スピード感がまるでない。
バトル中はスピード感ありますよ?但し[手の動き]だけ。
【進軍】に関しても何をしたかったのだろう?
一つの楽しみ要素、にしては中途半端過ぎる・・・
今8章まで来ましたが、先が見えすぎて飽きています。
コメントありがとうございます。
レベルファイブは白騎士物語のときから「王道」と「子供向け」の区別がついてないんですよ。
全体的に小学生低学年向けイメージで今の子供を騙せてるかすら怪しいです。
物語のリアリティに必要な「毒」も無くて起伏も無いから印象に残らない。
スタッフは全体的に優秀で作り込みも頑張っていますが日野がコロコロコミック載るような脚本しか書けないのが。。。
おっしゃる通りバトルも「アクション」に重きは置いてませんね。
結果RPGとしても中途半端な誰が操作しても倒せるバトルになってます。
子供向けという意味では良いのかもしれませんが。
「進軍」は国防の目線で考えたRTS要素を取り入れたかったのだと思います。
やりたかったことは分かりますがミニゲーム感覚の代物にしかなっていません。
せっかくなのでクリアまで頑張ってください。
ありがとうございました。
良作なだけにもう少し売れてほしかったですね!
コメントありがとうございます。
作品自体は本当に丁寧に作られた「良いもの」なんですよね。
シリーズ自体の印象が良くないのとMHWのような世界を狙ったインパクトも感じられなかったのが要因だと思います。
シリーズとしてリブートを狙うなら「子供」以外も楽しめるストーリー、キャラクターが必要ですね。
ありがとうございました。
通常戦闘はボタン連打することが多くキャラ一人一人二ノ国役割などがなく個性もない(子供向けといえば許されるレベルではありません昨今の子供向けでもキャラごとに役割分担されているのは有ります)、キングダムモードはKGが溜まりにくく施設強化がしにくいし街づくりの自由度の低さが白猫プロジェクト以下で進軍バトルはゴリ押し戦法がベスト
正直に言うとこれで「良いもの」は少し無理があると思います
音楽も眠くなるようなのが目立ちますし…
ブレイブリーデフォルト2の体験版やりましたがあっちの方が全てにおいて二ノ国2以下でした。国産RPGは女神転生3が一番楽しかったなー。
良ゲー言ってるのになかなかに辛口なのは笑ってしまいました。
FF7Rが終わって、ストアでセール中なので買ってみたいと思います。
動画見た限りではかなりこだわって作ってるように感じました。
個人的に隠れた名作ソフトだと思います