さくらももこ「民間療法」批判が意味不明な3つの理由:死に方の選択

『ちびまる子ちゃん』で知られる漫画家さくらももこさんが乳がんで亡くなり、民間療法の是非について大きな波紋を読んでいる。

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概要

『ちびまる子ちゃん』の原作者・さくらももこ氏が亡くなったのは2018年8月15日。10年近い乳がん闘病の末で享年53歳だった。現在、話題となっているのは同氏が抗がん剤を使用する標準治療を行わず、民間療法を試していたという事実について。

SNSの反応

作者の早すぎる死と「民間療法」というワードが組み合わさり、SNS上では大きな波紋を読んでいる。


批判は意味不明

前提として筆者は「さくらももこ」大ファンである。原作は全巻所持し『あのころ』~『ももこのはなし』『もものかんづめ』~『たいのおかしら』等のエッセイも一通りリアルタイムで読んでいる。

民間療法の選択

まず、私としては作者が「民間療法」を選択したことには何一つ違和感を感じない。というのも作者は無類の「健康法」「民間療法」好きであり、作者の現在を描いたエッセイ第1弾『もものかんづめ』では「奇跡の水虫治療」と題してお茶っ葉を足裏に擦り込む民間療法を試している。内容の一部はこちらで確認可能。このときは「漂白剤法」「軽石法」「熱責め」等を独自に試し結果として嘘のように完治、同じく水虫だった姉にも薦めたところ同様に完治。これには医者も首を傾げていた…という内容だった。

また、エッセイ第2弾『さるのこしかけ』では痔になった際にドクダミを肛門に詰めて治療、飲尿療法まで紹介している。自らの健康談義をまとめた「ももこのおもしろ健康手帖」を書く等、著書を読む限り作者は元から民間療法に対する信頼・希望を持っていたように思う。少なくとも「乳がん」を契機に民間療法を謳う輩に騙されたとは到底思えない。

生き方(=死に方)の選択

作者はヘビースモーカーであることを『ももこの話』の中で自ら明かしている。朝起きてから夜眠る直前までタバコを吸っており、タバコと健康の関連性について下記の通り述べている。

タバコは私に健康の大切さを考えさせ、吸うからにはまず健康を確保しろということに気づかせてくれた

子供が生まれてからはこの傾向も変わったのかもしれないが、乳がんになったこととタバコの関係は切り離せないだろう。しかし、そんな生き方(=死に方)も自ら選択したものであり、少なくとも作者が死んだ今になって他人がとやかく言うものではない。また、作者はスピリチュアルな人である。さくらももこの妊娠・出産にまつわるエッセイ『そういうふうにできている』を読めば「脳」「心」「魂」に対する作者の捉え方もわかるはずだ。作者の死生観から察するに「もっと長生きしたかった」と思っているとも思えない。「○○していれば~」等の議論はそもそも論点がズレている。

笑ってあげるのが正解

早すぎる「さくらももこ」の死に対してどう向き合うべきなのか。私は「笑ってあげる」ことが正解だと思う。さくらももこ作品の魅力は子供のような感受性で描いた「日常」であり、その魅力は祖父の死を描いたエピソード「メルヘン爺」でも顕在だった。『ちびまる子ちゃん』では優しいお爺ちゃんとして描かれる友蔵は実は「ろくでもないジジィ」であり、家族全員に嫌われていた。『もものかんづめ』から内容の一部を引用する。

「ジィさんが死んだよ」と私が言ったとたん、姉はバッタのように飛び起きた。「うそっ」と言いつつ、その目には期待と興奮で光り輝いていた。私は姉の期待をますます高める効果を狙い、「いい?ジィさんの死に顔は、それはそれは面白いよ。口をパカッと開けちゃってさ、ムンクの叫びだよあれは。でもね、決して笑っちゃダメだよ、なんつったって死んだんだからね、どんなに可笑しくても笑っちゃダメ」としつこく忠告した。

「祖父の死」さえも笑いに昇華してしまう作者の感性は見事というほかない。

また、原作『ちびまる子ちゃん』にコジコジが登場しSF感があった珍しい回「まる子じぶんの未来を見にゆく」では下記のやり取りがある。

まる子「ところでどういう漫画をかいているの?」

ももこ「アンタの大バカな生きざまを そのまんま描いてるよ」

作者の心中を察するに民間療法を試した末に亡くなった生き様も含めて「日常」として笑い飛ばして欲しいのではないだろうか。少なくとも「長生き」のために大真面目に民間療法の是非を議論して欲しいと願っているとは思えない。

感想

「さくらももこ」という人間を理解せず、上から目線の姿勢で民間療法の是非を語っている輩が多いことに憤りを感じ本記事を執筆させて頂いた。他人の死後に「○○していれば」等とツッコむ姿勢にも疑問を感じる。個人的にはどうにも「死=悪」という死生観は理解に苦しむ。望む生き方さえできれば私は50歳で死んでも悔いが無いし、尊厳死にも賛同している。自身として重要なのは「生き方」であり、他人の死後に求められるものは「意志」を汲んであげることだろう。短絡的に「民間療法」にスポットを当てるのではなく、さくらももこの「生き方(=死に方)」の選択として受け入れた上で向き合うことが求められるではないだろうか。

心からご冥福をお祈りします。

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コメント

  1. ゆか より:

    さくらももこファンとして全く同感です。
    彼女なら、この闘病さえも笑いにして客観的に見ていたんだろうな〜と思います。
    笑ってあげる。本当にその通りですね!
    ここ数日悲しかったけど、エッセイをもう一度読んで笑おう。
    ありがとうございます!

    • タコッケー タコッケー より:

      ゆか様、コメントありがとうございます。
      天国で闘病エッセイを書いてる姿が容易に想像できますね。民間療法を笑いの種にして。
      彼女の分も人生気楽に笑顔で過ごせたら良いですよね。
      ありがとうございました。

  2. 呑気っき より:

    末期の患者とか標準治療と併用して民間療法も試すとかなら別にいいんでしょうが、それだけってのはどうなんでしょうね。
    ただ実際末期がんの患者が生きがいを見つけて癌が改善したとかいう例が多々あるので、本人も気休め程度でこれで治ると信じてなかったんじゃないかって気がしますよ。

    • タコッケー タコッケー より:

      呑気っき様、コメントありがとうございます。
      治療法の是非を語るのは作者の遺志ではないというのが本記事の主張です。
      もう一度記事読み直して下さい。
      気休め云々も憶測でしかなく、作者のエッセイ等を読んだ上での発言とは思えません。
      ありがとうございました。

  3. m より:

    民間療法と言うからややこしくなるんだよ、
    「民間の言い伝え(ヒソヒソ話)」と区別される
    「自由診療」が有るだろ、
    これは大学等、外国企業等が研究し有る程度の結果が出たのを
    個人クリニックレベル向けにスピンオフしたの、
    効く、効かないにしても、これを頼りにしてる人は
    多いよ、別に悪い事ではない。

    • タコッケー タコッケー より:

      m様、コメントありがとうございます。
      治療法の区別・是非は本記事の主張と無関係です。
      「さくらももこ」にも関連していない内容なのでご自身のブログでお願いします。
      ありがとうございました。

  4. 守銭奴た滑稽 より:

    広告稼ぎのタコッケーにネタにされるさくらももこ可愛そう 広告いれすぎ 拡散しよ 

    • タコッケー タコッケー より:

      コメントありがとうございます。
      記事書かないとご飯食べれないので広告稼ぎという点は否定しません。
      ただ内容を読んで「ネタ」としか感じないのであれば読解力無さ過ぎます。
      あと「可愛そう」という表現からも故人に対する理解の浅さが垣間見えます。エッセイ全冊読んで出直して下さい。
      また、本ブログ内記事「ブログの批判コメントに対する3つの対処法と心構え」でも説明しましたが批判コメント投稿自体が記事の宣伝にしかなりません。
      「拡散しよ」も完全に褒め言葉ですし実行してたら有り難い限りです。
      否定する主張がある場合はご自身のブログ・Twitterでの発信が最も効果的だと思われます。
      何気に名前呼んでくれてて嬉しいです。滑稽と掛けてるのもユーモア溢れてますね。
      ありがとうございました。