ジャンプ読切「eの原点」感想：eスポーツの必要性皆無のクソ駄作

1月4日に発売された古味直志「eの原点」の感想記事。

どんな漫画？

『週刊少年ジャンプ』1月4日発売号に、eスポーツ（メインは格闘ゲーム）を題材にした読み切り作品『eの原点』が掲載されています https://t.co/B35VbENeQH
作者は『ニセコイ』の古味直志氏 pic.twitter.com/TwIfMyjb30

— 格ゲーチェッカー (@kakuge_checker) 2018年1月9日

「eの原点」は「ニセコイ」で知られる古味直志による新作読切漫画。2018年1月4日発売の週刊少年ジャンプ6号に掲載された。eスポーツをテーマにした漫画ということで注目を集めていた。

駄作な理由

結論から述べると本作は駄作である。ゲーム好きとしては「eスポーツ」を題材にした漫画×「ニセコイ」の古味ということで期待していたのだがクソ漫画だった。理由を解説してみる。

eスポーツの必要性

これ別にゲームじゃなくても良かったじゃんと思う
例えば、漫画家志望でも今回の流れ作れるんと違いますかね？#eの原点

— 平凡野郎 (@heiheibonbonn) 2018年1月4日

根本的な問題だが本作は「e-Sports」である必要性皆無である。「eスポーツ」「プロゲーマー」「ゲーミングハウス」といったテレビで聞きかじった要素を組み合わせただけであり、作中で格闘ゲームの内容、技の読みあい、心理戦、練習といった部分には全く触れられていない。そもそも古味自身がゲーム好きを自称する癖に「格闘ゲーム」好きじゃない事がひしひしと伝わってくる。格ゲーを題材にするなら『ハイスコアガール』『ピコピコ少年』を100回読み直して出直して欲しい。

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根性論＆理不尽な展開

#wj06#eの原点
ダブルアーツの時もニセコイの時も思ったけれどコミィ先生は「おとぎ話」が好きなんだろうね、物語に必要な「対立」と「葛藤」と「克服」という要素だけを構築しそれ以外のものについては全部取っ払い「主人公はヒロインと対立し、そのあと激しく葛藤し、そしてそれを克服しました」と

— 東海林　勝秋 (@alice71345) 2018年1月5日

「ニセコイ」の頃からメルヘンなお話は目立っていたが本作もその例に漏れない。可愛い女の子がゲームが強い理由は不明。馬鹿な主人公が強くなる理由も不明。必死に努力していたヒロインが交通事故に遭う理不尽過ぎる展開。最後の試合は弔い合戦の気合で勝利。深く考えずに済む「馬鹿にも分かる話」を描くのが得意なのは分かるが、ゲーム好きにはe-Sportsを馬鹿にしてるとしか思えない。毎日8時間練習し、押し潰されそうなプレッシャーに耐え、大会の空気感の中で平常心を保ち、数フレームの反応速度を極限まで高める集中が必要な競技。それがeスポーツであり、「うおおおおお」で優勝できるものではない。いい加減にしろ。

主人公＝ゴミ

あと主人公がなぁ……。この導入部分で「キッツ……」ってなっちゃった。成長物語だとしても最初がダメダメ過ぎてっていうクロアカパターンにハマっちゃったように感じた #wj06#eの原点pic.twitter.com/keFtnsvZxF

— パーピー (@parpie_fi) 2018年1月4日

同じく「ニセコイ」の頃から好感度の低い主人公を描くことに長けていた古味は本作でもその才能を遺憾なく発揮。初っ端から鼻につく表情、セリフで登場し、にわか感満載のクソ野郎感が１コマに凝縮されている。勉強が出来なくても俺にはゲームがある～的な夢を子供たちに見せるために留年候補レベルの馬鹿という設定。「ゲームで負けたら他に何が残るんだよ！」というニートまっしぐらのセリフ。ゲームに負けて女性に逆ギレ＆泣く辺りもドン引きである。どんだけゲームの印象を悪くしたいんだ。

SNSの反応

クソみたいな内容にTwitter上でも否定的な意見が多く見られる。

#ｅの原点 大問題として、主人公達がやってるゲーム、結局どういう格ゲーなのか全然分からないし伝わらない！一番大事な所じゃないの！？ 「こういう部分が奥深くテクニカルでクリエイティブで革新的だから面白い！楽しい！」っていう動機があるからこそ、ゲームってものが発展したんでしょ！？

— 猫三匹マン (@y_mituki) 2018年1月4日

#eの原点
別にゲームに没頭してること自体はいいんですよ。ただ作中全体でゲーム>>>>勉強として描いてる印象が強くて抵抗感を抱いてしまった。せめてヒロインの努力を知った後、ゲームの練習と並行して高校は卒業できるよう最低限の勉強はしてる描写があれば良かったかもしれない。#wj06

— コウ (@s_g_hrak) 2018年1月8日

【eの原点】黒塗りの高級車に追突してしまうという画太郎トラックばりに脈絡なさすぎるこの大宇宙の意思めいた事案、あまりにも古味先生すぎて死ぬほど草生えた。ああ、なにも変わっちゃいねえ…。実家のような安心感だ…。ある意味原点回帰していた読切だったね。#WJ06

— 空目晴彦 haruhiko utsume (@el_psy_congroo) 2018年1月4日

eの原点は、ヒロインの並々ならぬ努力が、大宇宙の意志で粉々にされたのが一番受け入れられませんでした。
ヒロインは主人公が奮起する為の踏み台なんだなあって。自分が女だから余計にそう感じるのかもしれないけど、キャラは大事にして欲しかった。

— トモリ (@memini_to) 2018年1月4日

#eの原点
努力した人が、自分の推しを「魅せる」ために、怪我させて退場させる展開、やめようや
それで不評買ったのがニセコイなんだから、何度同じ失敗を繰り返すのか？
この一点から、作者は努力の価値が分かっていない
そんなの望む読者はいるのか？

— N×2 (@MdekYs41afSQqZT) 2018年1月4日

感想

「eスポーツ」という子供に受けそうなジャンル、「格闘ゲーム」というライバルを作りやすく対戦可能な要素、「ゲーミングハウス」というハーレム展開に便利な場所など「ヒットしそうな要素」を寄せ集めた作品だった。しかし残念ながら古味がeスポーツに対して関心が低すぎる。本人がどれだけ本気でオンラインゲームにのめり込み、eスポーツ大会に足を運んだことがあるのか、どれだけ競技対象の作品を知っているの全く分からない。『たくのみ』のお酒紹介、『放課後さいころ倶楽部』のボードゲーム紹介同様に「eスポーツ」紹介をするだけでも全く違うのに恐らく知識がない。押見のような格ゲー愛も無いと八方塞がりである。唯一自身があったメルヘン展開を持ち込むには相性が悪すぎる。格ゲーは気合でどうにかなるジャンルでは無いし、運だって絡んでくる。読み合いの楽しさも本来描けたはずなのに勢いを重視し、描くつもりが０である。

ハイスコアガール 4巻
プレステとサターンの時代か
サターンはあんなに人気があったのにどこでプレステと差が付いた？？
ヴァンパイアのスペシャル必殺技あったね～
コマンドが難しすぎて全然出せんかった！
そして、振り向かせるために格ゲーで勝ち続けるってどんなラブコメだよw#ハイスコアガール pic.twitter.com/vJ81ygj1E3

— すやまたくじ@はてなブログ (@suyamatakuji) 2017年11月21日

「ゲーム」が熱かった時代、格ゲー愛、魅力を描きながらも恋愛をうまく絡めた『ハイスコアガール』が如何に見事だったかを再確認できる駄作だった。間違っても「eの原点」が連載とならないことを祈っている。

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