『ビデオゲーム THE MOVIE』感想:ゲーム史の資料としては不完全な内容

映画『ビデオゲーム THE MOVIE』を観たので感想をまとめる。結論としてはゲーム史をまとめた資料としては不完全無難にまとめられたドキュメンタリーだった。

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ビデオゲーム THE MOVIEについて

本作はクラウドファンディング『Kickstarter』で10万ドル以上の資金を集めて作られたゲームを扱ったドキュメンタリー映画である。

特色としてはゲーム誕生から40年間ゲーム映像がメーカーの垣根を超えてふんだんに使われていること。アタリの創始者ノーラン・ブッシュネルやMGSの小島秀夫といったゲーム制作者のインタビューが含まれていることが挙げられる。

内容

かつて世界にはビデオゲームがなかった」この文言で始まる本作はゲームというメディアについて「歴史」「文化」「創造」「未来」の4つの観点で紐解いている。

ゲーム映像インタビューが交互に挟まれる形で映画は進む。100を有に超えるゲーム映像を一挙に観ることが出来るだけでも本作の価値はあると言える。

ドキュメンタリーとして

ドキュメンタリー作品が持つ価値は2つあると思う。1つは起こった事実・歴史を伝えること。もう1つは意図的な編集により、世の中に何か訴えかけることである。

本作はそのどちらも中途半端だと言える。ゲーム史をまとめるには前半40分では短すぎるし、ゲーム機も主要なゲーム機(アタリ、ファミコン、PS)しか取り上げられていない。ジャンルの変遷やメーカー、人気シリーズの誕生などは省かれている。

作品としての訴えも「ゲームって良いよね」が少々あるだけな上、飽くまでゲームファン向きの編集になっている。恐らくゲーム嫌いの人が本作を見てもその偏見は払拭されないと思う。本作では淡々と、中途半端な歴史しか紹介されないのである。

圧倒的ゲーム愛不足

本作はKickstarterで資金が集められたことからも本来「ゲームファン向け」の作品であるべきだと思う。しかしながら本作は圧倒的に「ゲーム愛」が足りていない。ゲームのこと分かってなさそうな脚本家女優へのインタビュー、BGMチョイスも大衆向けにまとめた感が強い。

小島監督のインタビュー部分も英語吹き替えが上乗せされている辺りもファンにはあり得ないことだろう。

何より本作を見てもゲーム史を追うことはできない。こんな時代、こんなゲームあったなーという部分部分しか感じられないのである。

結果的に本作は写真、映像、インタビューに頼り編集で無難にまとめた映像作品でしか無い。これならばNHK『映像の世紀』のようにBD11枚組みになろうが歴史に絞ってまとめた方が後世に残る資料となったのではないかと思う。

ゲームファンが見ても泣けないゲームファン向け映像作品など誰も望んでいないし、大衆向けに作るならゲームの夢・素晴らしさをもっと見せろと言いたい。

それでも映像的価値は高い

それでも本作の映像作品としての価値は高い。理由としては同じように「ゲーム」というジャンルに焦点を当てた映像作品が存在しないからである。

国内ではゲームセンターCXという長寿番組があるが、飽くまで有野の挑戦がメインである。ゲーム史を知る上では『ビデオゲーム THE MOVIE』以外に映像作品が存在しないのは事実である。

今後はゲームという文化を取り上げた同様の映像作品が増えて欲しい。メーカーごと、ハードごと、ジャンルごとにまとめられると思う。今後の後追い作品に期待したい。

映画:ビデオゲーム THE MOVIE
ジャンル ドキュメンタリー
監督
脚本
製作
ジェレミー・スニード
製作総指揮 ザック・ブラフ
公開日 2015年5月23日
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