PS4『モンスターハンターワールド』感想:一つのゲームの理想形

PS4で1月26日に発売された『モンスターハンターワールド』のプレイ感想。2018年のGOTY争いに間違いなく入るであろう傑作だった。

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どんなゲーム?

『モンスターハンターワールド』はカプコンを代表するハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズの最新作。

ゲーム性は巨大なモンスターに立ち向かうアクション要素や倒した敵を剥ぎ取り素材を収集・装備を強化するハクスラ要素、最大4人での協力プレイ等が挙げられ、インターネットを利用して遠方の友達や知らない人とのマルチプレイが楽しめる。

初代『モンスターハンター』はPS2用のオンラインゲームとして発売され、その後持ち寄りでの協力プレイが可能なPSP用『モンスターハンターポータブル』が発売、そのヒット以降は携帯機向けの新作発売が繰り返されている。据え置き機向けに新作が発売されるのはWii向けに発売された「モンスターハンター3(トライ)」から約9年ぶり

売上

PSPで発売された『モンスターハンターポータブル 3rd』は最終出荷本数490万本という驚異的な数字を記録し売り切れも続出するなど大きな社会現象となった。その後は最大の普及数を誇る3DS向けに新作発売を繰り返したが売上は「3rd」を超えることはなく3DS向けに発売された『モンスターハンターダブルクロス』は170万本まで減少している。

満を持して発売されたPS4用『モンスターハンターワールド』は発売後3日で全世界出荷本数は500万本を突破。シリーズ最高の出荷本数を更新し続けている。

魅力

筆者は現在ストーリーをクリアしHR41までプレイしている道半ばの状態だが、考えうる限りの本作の魅力を解説してみようと思う。

PS4の「モンハン」

本作は正式なナンバリングタイトルでないもののプレイして感じるのは圧倒的な『モンスターハンター』感である。純粋にPS4で正統進化した『モンハン』を楽しめること自体が最大の魅力であり『3rd』以降離れていたユーザーが長年待ち望んでいたことだと思う。そんな『モンスターハンター』シリーズの魅力を改めて考察してみる。

協力プレイ

『モンハン』最大のヒット要因は最大4人での協力プレイが可能なことだろう。初代『モンスターハンター』はオンライン用のネットワークアダプタが必要であり、月額900円という価格設定から当時の子供には手が出せないタイトルだった。しかし、その後PSPの「モンスターハンターポータブル」での持ち寄りプレイの楽しさ、話題性から火が付き一大ブームとなった。

この協力プレイを輝かせている要素はシリーズを重ねる毎に増え続け現在は14種類に及ぶ「武器」や、互いの攻撃が干渉するため息を合わせた連携が重要となりドラマが生まれやすい「ゲームバランス」である。武器ごとに与えられる役割が明確であり、大剣で尻尾を斬り、ハンマーで頭を叩いて気絶させ、ボウガン・弓で遠方から攻撃・サポートを行う事もできる。それぞれが自分にあったスタイルの武器を選び、協力して一つの目標を達成する。そんなゲーム楽しくないわけが無い。

難易度

『モンハン』は3Dアクションゲームである。難易度は非常にシビアに設定されておりモンスターの行動パターンを理解し、武器のモーションを身体に覚え込ませないと終盤は討伐することが出来ない。アクションゲームとしては動きの制限も多く、攻撃時・アイテム使用時には長い硬直時間が発生する。この仕様は『ワールド』でかなり改善されたものの、「らしさ」は依然残り続けている。この絶妙な難易度設計がターゲット討伐時の比類なき「達成感」を生み出している。ギリギリの体力・時間でクリアできた際の感情は筆舌に尽くしがたい。

そんなシビアな『モンハン』だが初心者お断りという訳ではない。モンスターを討伐・剥ぎ取りを繰り返すことで素材を集め、自身の武器・防具を生産・強化するハクスラ要素も備えている。アクションが苦手でも時間を掛けて自身を強化していくことで徐々に進めるようになる。各素材は集まる一方なのでこの「進んでいる感」を感じやすいこともゲームとして上手く設計されている。ゲーム内素材だけでなく、プレイヤー自身の「経験・知識」も溜まるのでプレイ時間の長さの分だけ強くなることが出来る。

また、前述のネットワークによる「協力プレイ」を利用することで熟練プレイヤーに手伝ってもらったり、逆に初心者を手助けすることも出来る。装備・プレイスキルによって優劣が明確に分かれることも本作の魅力と言えよう。

世界

『モンスターハンター』シリーズが従来の3Dアクションゲームと一線を画していた点は3Dアクションゲームとして初めてモンスターの「生態」を描いていたことだと思う。ゲーム内に登場する各モンスターは単なる「敵」「ボス」ではなく、その世界に確かに存在し生きている。草を食べて群れをなす草食動物が居ればその草食動物を捕食する飛竜も存在する。ゲーム内に生態系のピラミッドが構築されており、モンスター同士の縄張り争いまで発生する。

『モンスターハンター』シリーズは単なる「ゲーム」「ファンタジー」に留まらない説得力のある世界観を持っている。この説得力はPS4の性能をフルに活かして強化されており、虫のような細かな生物まで捕獲・収集ができるようになっていたり、描かれる情報量も従来シリーズとは比較にならない。まさにタイトルに相応しい『モンスターハンター』の「世界」を感じられる作品に昇華している。

進化

次世代機のPS4向けに発売、ナンバリングを付けなかったことからも分かる通り本作はモンスターハンター「らしさ」を残しながら正当な進化を遂げている。

不満点の改善

本作は従来シリーズの不満点を軒並み改善している。代表的なものを挙げてみる。

  • マップ
    • エリアがシームレス化
    • 導蟲によるナビ
    • ファストトラベル有り
  • アイテム
    • ピッケル等無しで採集可能
    • 素材がアイテムポーチを圧迫しない
    • アイテム素材は歩きながら拾える
    • 歩きながら回復・肉
    • 砥石無限使用可能
    • 自動調合
  • 探索
    • 現地で装備・アイテム変更可能
    • 現地で食事可能
    • フィールドを好きなだけ探索可能
  • 装備
    • 装備の派生確認可能
    • 装備を元に戻せる
    • 装備の試着可能
    • 剣士・ガンナーで装備を共通化

等々数え切れない改善が施されている。正直本作をやった後に従来シリーズをプレイするのはかなり辛いはず。

特にシリーズとして最高の進化は「導蟲」(しるべむし)の存在だろう。本作ではモンスターの痕跡を集めることによって「調査レベル」が上昇し、広いエリア内で討伐対象を闇雲に探し続ける必要が無くなった。探索要素を残しつつ自然とモンスターの元に案内してくれる「導蟲」は今後のシリーズでも欠かせない要素だと思う。初心者にも非常に優しい。

またエリアのシームレス化も従来シリーズをプレイしてきた人間には感動するポイント。高所から飛び降りて「暗転・ロード」を挟まなかった事に地味に感動した。世界への没入感を損なうこと無く延々と遊ぶことが出来る。また、関連で言えばクエスト開始前の事前ロードも嬉しいポイント。拠点ではアイテム補充、生物調査報告、植物チェック、食事等の作業があるためクエストを受けておきながら作業が進められる。

全体的に不要なストレスを全て無くした形だと思う。プレイして不満を感じる点はほぼ無い。強いて言えば以前記事にもまとめたストーリー進行上必要な探索・痕跡集めだろうか。ゲーム部分自体は全てにおいて改善されている。

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グラフィック

3DSからPS4へと圧倒的な性能向上を果たしたお陰で表現力も比較にならないほど向上している。このグラフィック性能の向上がもたらす恩恵は単なる「映像が綺麗」ではなく、その世界の「説得力」にある。オンライン対応のAAAタイトルとしては他のどのゲームにも負けないーというインタビューからも分かる通り、本作は類を見ない圧倒的なオブジェクト量を誇っている。植物一つ一つに生命を感じ、モンスターではない小型動物も多く見られる。時間が経てばフィールドは昼から夜に変わり、モンスターの行動も変化する。各モンスターの生態描写もより深みを増しており、毛や皮膚の質感や細かなモーション、声から感じるモンスターの実在感は他のゲームとは一線を画している。

ネットワーク

ネットワーク周りも次世代機に相応しい形に順当に進化している。プレイヤーが救難信号を送ることでクエストへの途中参加も可能となっている。従来作品に比べてマルチプレイ周りの敷居も非常に低い。気軽に救難信号からフリークエスト、任務クエストに参加したり募集が可能となっている。

PSNも発売後しばらく不安定な期間があったが大きな混乱もなく安定稼働している。昨今のソシャゲリリース時の混乱を目の当たりにしている分、安定している印象が強い。価格もPSプラスの月額500円のみは非常に良心的。フリープレイも提供されるのでモンハン以外のゲームも楽しむことが出来る。

「ワールド」に込められた想い

『モンスターハンターワールド』というタイトルを総括するにあたって「ワールド」に込められたであろう想いを再確認してみよう。

「世界」に挑戦したAAAタイトル

本作は『モンハン』として初めて世界に認知された記念すべきタイトルである。元々海外での「モンハン」評価は散々だった。慣れるまでに時間が掛かり、一々モーションが煩わしくストレスが溜まりやすい、ストーリーも存在しない、地理感の都合上集まってプレイすることも難しい。コアな和ゲー好き以外はまず知らないタイトルだったと思う。

そんな「モンハン」が世界的なタイトルになれるか不安視していたが、見事に払拭する結果となった。メタスコアは脅威の90点超え。シリーズ最高評価で世界的に認められるタイトルとして見事に生まれ変わっている。

ゲーム内に構築された「世界」

本作の「世界」はゲーム作品としても唯一無二の魅力を持っている。どんなゲームよりも生き生きと描かれた世界でプレイヤーは自由に狩りを行う事ができる。目的やクリアまでのスピード感も個人の自由で誰かに急かされることも無い。『ゼルダBotW』さながら「遊び場」としてのフィールドが用意され、プレイヤーは放り出された感覚を覚える。

しかし「モンハン」は自由でありつつも明確な「目標」が設定されている。プレイヤーはハンターランクを上げることでより多くのクエストを受け、新しい防具・武器を生産できるようになる。自身がより効率的にゲームを進めるために目標を達成するサイクルが用意されている。究極的にはモンハンは反復作業、収集が最大の楽しみである。この効率化・作業を楽しめる「世界」が用意されたことが何より嬉しい。

ナンバリングでない新生「モンハン」

本作は新たなシリーズ作品として売上的にも評価的にも最高のスタートを切ることができた。本作が上位クエストまで用意されていることを考えると、G級クエストが用意された『モンスターハンターワールドG』の発売を多くのプレイヤーが望んでおり、売上からも今後発売されることは確定だと思う。ちなみに携帯機向けモンハンは今後どうなるのだろうか。『ワールド』のスイッチ移植は技術的に無理と明言されているが、モンハン「らしさ」と改善を加えたナンバリング作品は携帯機向けに提供され続ける可能性もある。

感想

シリーズ最高傑作の神ゲーだった。思えばPS3向けの『モンスターハンター』の開発中止以降、PS Vita向けのモンハン発表を待ち続け、諦めて3DS版の「クロス」を買うなど耐え続けてきた。3DS版も決して悪い出来では無いのだが表現力、操作性で明らかに劣っており、シリーズファンには悲しみが強かった。本作は従来シリーズファンが待ちわびた形での再生を果たした作品だと思う。IPとしても完全復活できて本当に良かった。

昨年のゼルダ以降和ゲーの勢いが止まらない。原点回帰のゲームは増え続け、日本のゲームは本来持っていた力を取り戻しつつある。本作もその類に漏れず、シリーズ作品らしい丁寧なバランス設計・ゲーム作りが実を結んだ形だと思う。

2018年は『ゴッド・オブ・ウォー』『RDR2』『キングダムハーツ3』など期待の新作だらけである。暫くはモンハンを楽しみつつ今後のゲーム発売を楽しみにしたい。

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コメント

  1. 名無し より:

    毎回毎回バカに急かされるんですがねぇ!